ワープと、飛んでいったウインナー。
2024/09/08
「魔法がないと 不便だよな
マンガみたいに
日々の恨み 日々の妬み
君が笑えば、解決することばかり」
くだらないの中に/星野源
わたしは今日、朝から絶不調でした。
頭の中に、ふと黒い点をみつけると
それがじわじわ広がって、
過去の嫌だった言葉や場面が流れ始めます。
それを止めたくて、
必死に 頭の角から
白いペンキでぬり潰そうとするんだけど
外からの情報もあって、集中出来ずに
上手く進みません。
最後は何が何だか分からなくて
ひたすら怒りでいっぱいになります。
そんなワープ現象に疲れながら、
周りに嫌な思いをさせながら、
何とかワープから抜け出せた…
黒を白に塗り替えられた時には、
もう夜でした。
晩ご飯の時間です。
今日の晩ご飯は、トルティーヤでした。
昨日から楽しみにしていたから、
張り切って巻きます。
わたしは巻いてある食べものと、挟んである食べものが 何よりも大好きです。
サンドイッチ、ブリトー、タコス、
ハンバーガー、ビスケットサンド、
クレープ、海苔巻き、ホットサンド、ホットドッグ… 沢山あります。
中でもトルティーヤで巻くものは1番好きなのです。
一生懸命巻いて、1つ出来ました。
もうひとつ巻くのに、ウインナーを入れてみようと思いました。
サラダを乗せて、ウインナーを慎重に置きます。
さあ、チーズをかけよう…
と、目を離したら
後ろにいたパパと、横にいたママが
同時に
あっ、
と言いました。
ウインナーが飛んでゆきました。
床に、ぼてっ
といって落ちました。
わたしは頭がパンクして、
拾わないと、服が汚れちゃった、もう食べられない、
と混乱しました。
せっかく黒を白にしたのに、また汚れそうに…
するとその、わたしが固まっていた0.8秒くらいの間に
ママがスっとウインナーを回収して床を拭いてくれ、
パパは新しいウインナーがのったお皿を持ってきてくれました。
「諦めないでもう一度やりなさい。」
パパはウインナーをぐいぐいと渡してきます。
…パパは、いつもそうです。
わたしがパンクすると、ぜったい
「諦めないでもう一度やりなさい」
というのです。
それでもわたしが そのぐいぐいくるウインナーに
ためらっていると
「そのサラダの土手、その向こう側に置けば
もう転がって飛んでいくこともないよ。」
とパパは教えてくれました。
だから、慎重にウインナーをつかんで
その通りに置いてみました。
そうしたら、とても上手く巻くことができたのです。
わたしは、
パパってウインナーおじさんじゃん。
しかもママの あの俊敏なウインナーの回収さばき
といったら…ウインナー回収おばさんじゃん。
という気持ちでいっぱいになりました。
そうしたらすごく面白くて、
なんだか朝からの絶不調もどうでも良くなりました。
わたしがどれだけ失敗しても、
それが小さくても大きくても、
こうして助けてくれる人がいるのだと思いました。
星野源の言う通りです。
笑ったら、解決することばかりでした。
わたしは無事においしく食べることが出来ました。
ママは皮が好きじゃないと言っていたけど、
わたしは皮が特に好きなので、
今度は、ママも認めるくらいのおいしいトルティーヤを焼いてみたいです。
ちなみに、ウインナーの置き方を熟知していたパパは、トルティーヤもタコスも食べませんでした。
明日は朝から元気に過ごしたいです。