同時処理能力・継次処理能力とは何だろう?どう学習に活かす?
前回お話した「視覚優位・聴覚優位」は発達に凸凹がある方に特に表れやすい認知能力だったのですが、
今回お話する「同時処理能力・継次処理能力」は私の体感するところ発達の凸凹関係なく、恐らくどなたにでもある程度優位性があるのではないかと感じている認知能力です。
【同時処理能力・継次処理能力とは?】
同時処理能力:情報を同時にまとまりとして考える力、複数の情報から、関係性や因果性を発見する力のことです。
◆特徴
・ 何かする際、最初に目的を教えると理解が早い
→「まず最初にすること」や「段取りだけ」を伝えられても、何のためにするのか、ゴール見えにくいため取り掛かりにくい。
・ 曖昧な指示でも動ける
→段取り通り、マニュアル通りの指示はストレスになる
・複数のタスクを同時に進められる
・一見無関係なものでも規則性を見つけて覚える
→新しい電化製品は説明書を読まず、なんとなく触って使い方を覚える
・作業は早いが、ザックリ物事を進めるので雑、ミスが多い
継次処理能力:順序立てて考えたり、時間の流れに沿って考える力です。順番や段取り、時間軸で考える能力が高いです。
◆特徴
・ 何かする際、まず最初に何をやるのかを提示されないと理解しづらい
→「目的」を先に伝えられても、「で、何から(何を)すればいいの?」と感じるため取り掛かりにくい。
・ 目的地までの行き方は、地図ではなく道順で教えてもらった方が理解できる
・複数のタスクを1つずつ片づけていく
→「最初に〜して、次は〜、最後は〜した」とあとから振り替えられるため、再現性も高い
・見本があると、同じようにできる
→見本がないとやりづらい。順序やマニュアルが必要。
・1つずつ行うので丁寧、細かいミスが少ない
・新しい電化製品は、説明書を読んでから操作する
【子どもがどちらかを判断するには?】
・漢字は書き順にこだわらない方が覚えやすい。
・横文字のままの式計算(86+45など)をそのままの形で計算し、筆算をめんどくさがる。
・宿題や問題集は自分の勉強したい単元のところから始める。
・話す順番には囚われず、その場の状況に合わせて話す順序を変えることができる。そのため司会進行が得意。
=同時処理能力が優位
・漢字は書き順通りに書く方が覚えやすい。
・算数は横文字のままの式計算よりも、筆算の方が楽に計算ができる。
・宿題や問題集はページ順に追って解いていく。
・順序立てて話すため、話す内容が他者に伝わりやすい反面、その場の状況への調整・対応は不得意なので司会進行は苦手。
=継次処理能力が優位
【学習面での支援方法とは】
同時処理能力:先に今日の目標を提示する。好きなものからさせるなど。
単元ごとにプリントを分け、勉強したいところから取り組めるよう工夫する。小テストなど小さな目標を掲げてそこに向けて勉強のモチベーションを上げる。
継次処理能力:1から順番にさせる方法。手順を踏んで学習する方法。
できたページ数分、プリント枚数分のシールを表などに貼り達成感を感じさせる。漢字は書き順が掲載されているドリルやワークを使用する。計算問題は筆算しやすいように枠がある問題集を選ぶ。
【まとめ】
同時処理能力は目的に向かって弓矢を放つイメージ、継次処理能力は目的に向かって階段を一段一段登っていくイメージのです。
同時処理能力優位の人の方が行動が早く結果が出やすいので一見有利に考えられやすいのですが、継次処理能力は再現性が高いため一度うまくいくとその後もずっと良い結果が生まれやすいという傾向もあります。
学習における支援として、同時処理能力が優位の子どもに1から順番にさせたり、継次処理能力が優位の子どもに目標だけ伝えて「あとは好きにしていいよ」と言った支援では、子どもの実力が出し切れません。
ぜひ、今回の認知能力を観察してみてくださいね。
また、これらの認知能力だけではなく、視覚聴覚など様々な認知能力が組み合わさることによって、その子にとっての最適な勉強方法が見つかります。
今後も実際に行っている支援方法や実例をアップする予定ですので、もしよろしければチョコチョコ覗いていただけると嬉しいです。
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