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お茶のプールは深い

今回はお茶について考えてみよう。

最近お茶にハマってお茶をいれてくれる人とお茶を販売する人、生産する人…と、あと調合する人がそれぞれいるんだなぁという事を知った。ちなみに調合する事をお茶の世界では合組(ごうぐみ)と言う。


生産する人は農家さんである。
農家さんはお茶を「育てる人」で、お茶っぱが今年は良い出来具合かどうかはこの人にかかっている。
ここから直接販売するって事はない。
りんごとかみかんは直接買えるってことがあるのかもしれないけどお茶はちょっと違う。言うなればコーヒーの流れにも似ている。
農家さんの作りたいお茶や、「こんな味になってほしい」とか「お茶が生活のこんな一部分になって欲しい」という願いを持っている。

生産されたお茶はとある拠点に持ってきて、「茶師」と呼ばれるブレンドする人に選んでもらう。
茶師にはランク(段)があって。毎年毎年静岡で行われる品評会(?)で良い成績をおさめると段数がどんどん上がっていく。
段数の最高は十段。お茶を買う時に「茶師十段」などとという言葉を聞くことがあるかもしれないが、それはこのブレンダーさんの事である。
この茶師さんはお茶屋さんに頼まれて「こんなお茶が作って欲しい」という依頼に応えたり、あとは茶師さんがこだわってブレンドしたお茶を作るのが仕事だ。先ほど出てきた農家さんの茶葉を味見してブレンドしていくのである。
お茶屋さんをやるにあたっては、この農家さんと茶師さんと仲良くしておくのは重要な事である。

コーヒーと違ってお茶は必ずと言っていいほどブレンド「合組」をする。ある品種のお茶っ葉を1つだけで加工して売り出すことはほとんどない。お茶は同じ品種の茶葉でも育った環境によって強く出る個性が違い、秀でているところとそうでないところが存在する。
それを茶師さんが見極めて優れていない部分を補うようにしてブレンドしていくのだ。

つまりお茶屋さんに売られている茶葉というものは品種の名前が記入されているけども、ブレンドされていい具合に調整されているものだということである。
この調合されてパッキングしてあるものをずらずらと並べたあるのが、街の中にひとつはあるお茶屋さんである。

茶師さんのレベルも個性もあるし、生産地の事や農家さんの事もあったりするのでこの点を紹介できる「茶入れ師」なるものがもっとたくさんあればいいなぁと思うところである。
コーヒーと違うのが、コーヒーは謎に外に飲みに行く場所「カフェ」がたくさん存在するところだ。本来は日本で言うところの「だんご屋さん」かもしくは「茶店」か何かだと思うのだが、日本茶の場合、この茶店(カフェ)が著しく少なく感じる。

そこが穴かなとも思った。
少ないのであれば多くしていったらいいし、茶入れ師がいないのであれば作ってみたらいい。
お茶というのは丁寧に入れると全く違うテキトーに熱湯を注いでできる、ご家庭のそれとは全く別物になるのだ。

ペットボトルのお茶も全く違う。そこで湯温や茶葉の量、お湯の量などをしっかり調整して丁寧な一杯を入れるとめちゃくちゃ美味しくなる。
そのおいしさを発見している人はそこまで多くないのではないかと思ったのだった。それが穴である。
日本茶のフレーバーティーなんかも存在したりはするのだが、それも実に美味しいものだ。
コーヒーと同じくらいに…、いや比べちゃいけないし、比べるものでもないのだけど強いていうならコーヒー好きと同じくらいにハマる人がたくさんいたっていいんじゃないかと思える分野の飲み物だなと思う。直接農家さんに会えたり、茶師の方に会えるのもすごく嬉しいし特権でもあると思うのだ。

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二ノ宮金三郎
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