ミシャクジ=稲荷、説
皆さんは伏見稲荷大社創建の伝承をご存知でしょうか?
秦伊呂具、という人物が餅を的にして弓矢の練習をしていると射られた餅が白鳥に姿を変えて飛び去ってしまう。白鳥を追った先に稲がなっており、それを祀ったことが稲荷信仰の始まりだと言われています。
この伝承は何が伝えたいのでしょうか?
餅とは蛇のことだと捉えてみました。
白鳥とは鉄のことだと捉えました。
白鳥は鉄から発せられる磁気を頼りに飛びます。
出雲人は蛇、または竜を信仰していたようです。
また、製鉄は古墳時代から既に行われていた痕跡があります。
何が言いたいのかというと、大陸からの渡来人の一部が製鉄技術を求めて龍蛇信仰の出雲人を攻撃し、龍蛇信仰に稲荷信仰を上乗せした、と捉えることができるのではないでしょうか?
ここで、稲荷信仰の御祭神を確かめておきましょう。
ウカノミタマ、
ウケモチノカミ、
トヨウケビメ、
オオゲツヒメ、
オオミケツヒメ
と様々な御祭神がいますが、ここではオオゲツヒメとウケモチノカミについて取り上げてみましょう。
ざっくりと説明します。古事記ではスサノオ、日本書紀ではツクヨミがオオゲツヒメ(古事記)・ウケモチノカミ(日本書紀)のもとを訪れた際に、料理を振舞ってもらいます。
しかし、この料理の食材、オオゲツヒメ(ウケモチノカミ)の口から吐き出されたものであったのです。
これに怒ったスサノオ(ツクヨミ)がオオゲツヒメ(ウケモチノカミ)を殺害してしまいました。
その死体から様々な食物が発生した、というものです。
このタイプの神話はハイヌウェレ神話と呼ばれています。
この神話の意味することを曲解にも近い形で解釈すれば、
「壊すことで豊穣に恵まれる」、ということです。
皆さんは多くの縄文土偶が元々から壊された状態で地中に埋まっている、という説をご存知でしょうか?
縄文人は自分達の作った豊穣神の像をあえて壊して地中に埋めることで豊作を願う信仰のスタイルを持っていたのかもしれませんね。
オオゲツヒメ、ウケモチノカミの話に似ているようにも思えませんか?
縄文人と出雲人は比較的早い段階で交わっていたと考えています。この出雲人とは出雲国造家とはことなる、いわゆる出雲口伝で語られる人々で、y染色体でいうとC2、と考えています。
稲荷信仰は上記のような縄文人+出雲の元々の信仰スタイルに上乗せさせる形で大陸から入ってきたものと考えます。
(このあたりをもっと詳細に知りたい方は戸矢学氏の「ニギハヤヒと先代旧事本紀」をお薦めします)
ここでミシャグジについて
このミシャクジ神、詳しくは改めて、という形にしますが私は地母神だと思っています。
そして蛇神と解釈されることが多いです(諸説あります)。
そして縄文時代(出雲)からの神でもあります。
稲荷信仰が上乗せられる前の豊穣神とはミシャクジのことなのではないでしょうか?
ちなみに稲荷神社の御祭神の一柱のウカノミタマ。
別名を三狐神(さんこしん)
違う読み方が三狐神(サクジ)
敬称として御をつけさせていただけば、
御三狐神(ミサグジ)、となります。
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