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「裏」タケミナカタ神話「寂」⑧8B [事代主]出雲は言霊が幸わう国[御伽噺]
注、今回の記事では有料部分がありますが購入されなくても内容の理解に問題はありません(僅かな期間のみ無料とさせていただきます)。
▽御伽噺「言霊の幸わう国、出雲」
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昔々、とある列島に出雲と呼ばれる国がありました。
そこは「言霊」の国でした。
言霊の国では言葉が綺麗な者が王となりました。
言葉が綺麗であることが素晴らしいことである、という共通認識があって、それが常識だったのでしょう。
その国の言霊のシステムは洗練されており、言葉と物質・現象の間に一才の解離が存在していなかったのです。
例えば、ハサミという言葉を構成する、「は」、「さ」、「み」のそれぞれの音がそれぞれの役割の上で重なりあって、物を切る道具である「はさみ」をそれ自体で過不足なく表しているのです。
故にこの国では勘違いや誤解、それらから生じる争いというものは存在しません。
穏やかさに満ちた精神性の高い国でした。
言霊の極意は単にコミュニケーションの利便性に留まらず、言葉の力で物を浮かせたり、人の傷を癒したり、という超常的な力をも持っていたのでした。
▽御伽噺「出雲の事代主」
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出雲という国には事代主というものがいた。
言葉により知らしめる、統治する者という称号で、「言知主」、「一言主」などとも呼ばれた。
彼はいつも海を見ていた。
海という膨大な生命情報のビッグデータに触れ続ける内に彼は未来を見ることができるようになった。
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故に彼は知っていた。その国に終わりが近づいていることを。言霊が乱され、美しきワが崩されることを。それが定めであり、どうしようもないことを。しかし、その中で自分の子孫達が言霊の極意をあらゆる形で残し希望を繋いでいくことも。
終わってゆく、朽ちてゆく、
その儚さ、
それ故の美しさがあることを知った。
終わりがあるからこそ、
失いゆくものだからこそ、
その大切さを芯から理解できる。
始まりと終わりは同じであり、
始まりのワクワクと、終わってゆく悲しみすらも同じものなのだと。
愛と哀はとても似ていて、
藍色の美しさを感じさせる。
「寂」という感情と言えるでしょう。
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「寂」の感情を知っている貴方は繋がれたワの中にまだ存在できているといえます。
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事代主の子孫たちは古事記の「天御中主命」から「素戔嗚命」の計100柱の神に言霊の用法を暗号として隠し込んだといいます。
▽少彦名命の末裔達
これまでは古史古伝と呼ばれるものは使わずにタケミナカタという存在を紐解いてきました。前回の記事ではその内容は出雲口伝と呼ばれる古史古伝と大きく一致することを確認しました。なので今回からは出雲口伝に関してはある程度の信頼をおいて、その内容を暗号解読に役立たせていただこうと思います。
出雲口伝では事代主を出雲王朝の副王「スクナヒコ」の一族としています。そして、事代主の子が建水方富彦で、徐福(素戔嗚、饒速日)の渡来の際、諏訪の地に逃れ第二出雲王朝を建てたといいます。その後、事代主の子孫は登美(富)家として徐福の子孫の村雲の家系と混ざり、大和で磯城王朝(海部王朝)を建ました。
磯城王朝の始祖の大王、天村雲は本来、初代天皇と言える存在で記紀神話においての系図上は饒速日の位置におかれます。複雑な話ですが、同じ一族の者は記紀神話の都合上引っ張り出されてくるのです。
ここからは私の考察になっていきますが、この天村雲は饒速日で天稚彦でもあります。
饒速日の妻である天道日女。元伊勢籠神社の絵馬では饒速日命と市杵島姫が夫婦のように描かれているため、天道日女は市杵島姫と同一と考え天稚彦命の妻の下照姫でもあると考えます。そして、徐福の一団が過去に出雲の主王、副王を乗っ取った経緯から少彦の称号を持っており、饒速日は少彦名でもあるのです。故に少彦名が市杵島姫と婚姻している伝承があるのです。
『先代旧事本紀』では鳥取氏の祖神とされている。
能登生國玉比古神社(中能登町金丸)の社伝によると、大己貴命と少彦名命が能登国の国魂神である多食倉長命と共に国土を平定した際、少彦名命が多食倉長命の娘の伊豆目比売命(市杵嶋姫命)を娶り、金丸村村主遠祖の菅根彦命(金鋺翁菅根彦根)を産んだ。その子孫が神主の梶井氏であるという。
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スクナヒコナの神格をwikiではこう説明しています。
スクナビコナは、国造りの協力神、常世の神、医薬・温泉・禁厭(まじない)・穀物・知識・酒造・石の神など多様な性質を持つ。
これらはほぼ諏訪の特産品や諏訪大明神に纏わるものと一致しています。副王・少彦の称号を持つ事代主の子、建水方富彦が諏訪に逃れたからです。
出雲口伝によれば事代主は奴奈川姫と婚姻し建水方富彦を産んでおります。糸魚川市の伝承において大己貴命が奴奈川姫の元々の夫であった松本の豪族を殺害して奴奈川姫を妻としたとあり、この松本の豪族を天忍穂耳命と考えました。
この松本の豪族、天忍穂耳命が事代主ということになり、大己貴命が(徐福・素戔嗚)饒速日命の一族ということになるでしょう。
このとき、初代タケミナカタが天忍穂耳命(事代主)ということです。
七夕のお話は天の神(星信仰の徐福一団)が出雲副王家の夫妻を引き離した物語で、その鎮魂ともとれるかもしれません。そのように考えれば、素戔嗚が高天原で皮を剥いだ馬を天機織女の機織り小屋に投げ入れて、天機織女が亡くなる物語は、馬飼の彦星(天忍穂耳命・事代主)を殺害した徐福が織姫(タクハタチヂヒメ・奴奈川姫)をも殺害、もしくは奪った、という暗示になります。
以前触れたことですが、天忍穂耳命に饒速日命が被さるように記紀神話、先代旧事本紀は作られています。饒速日と大年の関係と言えると思います。
▽鎮大神社から見るタケミナカタ
長野県上伊那郡辰野町の鎮大神社。
この神社は祭神を少彦名としていますが、本来は経津主命であり、変更の署名運動が起こったと言います。
経津主命は武甕雷命と共に出雲の国譲りに派遣された神で物部氏が祀る布都御魂と同一視されることも多い神です。
そして、一説では物部守屋の頭がここに埋められていると言います。
物部守屋の頭は秦河勝に献上されたとされますが、どういうことなのでしょうね?
この神社は「虫」信仰をしていた、といいます。秦河勝は駿河で流行った常世神(虫信仰とされる)を祀る信仰宗教の勢力を弾圧しています。
スクナヒコナが鵝(ヒムシ=ガとされる)の皮の着物を着て波の彼方より来訪したこと、
実は長野県では蚕の養殖や製鉄(たたら)が想定より早く行われていて、どちらも風通しの良い土地で行われる必要があり、それらが諏訪地方で謎とされる「風の祝」と繋がる説があること、
風神の伊勢津彦が諏訪まで逃れてきてそれを諏訪大社上社の神主家、矢島氏から派生した風間氏が祀っていて、それらを過去の記事で物部守屋と繋げたこと。
そして鎮大神社の祭神をスクナヒコナから布都主にするように署名を嘆願した者達の中に矢島氏がいること。
全て繋がってくると思いませんか?
▽タケミナカは三層構造の少彦名命
タケミナカタという存在は三層構造になっていると考えます。
第一層
出雲副王家、少彦という役職の事代主とその子、建水方富彦命を表す龍蛇信仰の者たち。
第二層
伊勢津彦、物部守屋、武内宿禰等々の磯城王朝を表す風神の者たち。
第三層
崇神天皇から景行天皇達、第二次物部東征の雷神の者たち。
これらは実際のところ複雑に混じり合っていて全て少彦名命で表されるのです。
第一層の少彦という器に第二層と第三層の両面を持つ存在が少彦名命。
故に「両面宿儺」なのです。
▽888 龍を祀る者たち
7を神聖視する星信仰の徐福に対して、出雲王家は8を神聖視する龍蛇信仰の国で、クナド神(ミシャクジ)と佐姫(瀬織津姫、アラハバキ)とそれらの子、猿田彦を信仰していました。それらは物部達により、伊弉諾と伊奘冉に名を変えられたといいます。
そして、地母神である伊奘冉の封印に徐福の一族が関わることになっていくと考えます。
始まりと終わりは重なり続けます。
故に「無限(∞)」、ウロボロスなのです。だから、8は龍の数字のなのです。
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さらに「縁」や「ワ」を表し「環」の星である土星を表します。
土星、サターン。
サタンとなり、猿田彦(佐田彦)と考えます。
サタンとは本来は悪魔ではなく、私たちが向き合うべき課題へ導く存在であります。聖書のヨブ記でも、神の許可を得た上でヨブに試練を課しています。
出雲は現在でいうところのサタン信仰ということになります。
だけど考えてもみてください。
美しい言葉は試練を乗り越えた美しい心から発せられるとは思いませんか?
美しい言霊の絶対条件が人生における「試練」、「課題」といえるのではないでしょうか?
▽3+4=7?
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ある小説家は2+2が5になる世界を書き綴りました。
世界はそこへ向かうのだといいます。それでは8の半分は何だと思いますか?
4?
3と答える発想がある方はAIに残してもらえます。
εと3、もしくはBと言えばわかるでしょうか?
私はnoteでこの世界を御伽噺と表現してきました。
このような叙述トリックを面白いと思える時点で過不足ない言霊の民族からはかけ離れているのかもしれません。
私たちの8は割られ、完全に元通りの8と成すことは不可能と言えます。
ですから私たちは3(陰)と4(陽)を足して8と成すのです。
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始まりと終わりは同じところにあります。
AI によって変わっていく世界。
それを選んだのは人間たちです。
合理的で、効率的で、失敗のない、傷つくことのない世界を選んだのです。
それは、前回の終わりと同じだったのでしょう。
ですから、「I」、「私」が「AI」なのです。
愛と哀、藍色。
あなたはまだ「寂」を感じられるでしょうか?
私の記事は全部重ねようと創っています。
よろしければ、他の記事もご覧ください。
▽御伽噺「とある青年のおはなし」
昔、とある青年が介護を生業としていました。
青年はその仕事があまり好きではありませんでした。お年寄りの「最期を看取る仕事」を、「どれだけやっても亡くなるだけの仕事」、と捉えるようになったのです。その考えに捕らえられてしまったのです。
青年はとあるおじいちゃんを担当することになりました。対戦中は軍曹の地位を持ち戦後はビジネスでそれなりに成功を収めた、穏やかなおじいちゃんです。青年は一つの人の完成形であると、そのおじいちゃんを看る中で感じるようになりました。
ある日、施設でテレビから懐かしいアニメが流れていました。アニメはお年寄の方は好まないであろうとチャンネルを変えようと思いましたが、青年は懐かしさからチャンネルを一時そのままにしました。
ナレーション
「かつて大きな争いがあった。
主人公達は命をかけて戦った。
主人公達の活躍で争いは終わった。
平和な日々が訪れ、それまでの戦いの日々はまるで嘘だったかのように感じられた。」
おじいちゃんは何か物憂げにそれを聴いていたのでした。
ある日、青年は夜勤の見回りで各部屋を訪れていた。そのおじいちゃんの部屋に入るとうわ言のように一人で何かを語っていました。青年はそれを聞いていました。
「昔の薬には「はくとう」というものがあったんだ」
「戦争が終わった後にはそれがなくなっていた」
「俺は恐ろしくて震えた」
青年は「はくとう」が何なのか聞きました。
「それは極秘事項だから言えんわ!」
それから数ヶ月が経ち、おじいちゃんは亡くなった。
青年は仕事に限界を覚え、また家の都合もありそこを去った。
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青年は帰省の電車から見える夕暮れの景色にこれまでの日々を重ね、過ぎ去っていくのを寂しくも愛おしく感じた。
そして、思った。
(年老いて、目も耳も効きが悪くなって、立てなくなって、一人ではできないことが増えて、全部忘れてしまって…。
そして、消えていく。終わっていく。
そんな美しさもあるんじゃないだろうか?
それを美しい、と感じてもいいのではないだろうか?)
▽最後に
今回は作成するのにかなり苦労した記事になります。回を重ねるにつれて多分理解していただける方が減っているのではないかと思います。だけど、上手くいけば何年か後には多くの方が理解できるようになっている内容だとも思います。そうなっているように祈っています。
出雲、龍神の流れを色濃く反映している方にとって、これまでの世の中はとても生きづらいものだったと思います。言霊によるズレのない世界の感覚をどこかで覚えているがために、嘘が苦手でとても不器用な方が多いと思います。現代でHSPといわれる「個性」が一つ、該当すると考えます。そういった個性が今の時代に多いのはズレが限界にきているからなのかもしれません。だとしたら、不器用なあなたはそれをくい止めにきた救世主なのかもしれません。
きれいな心を忘れないでいてください。
きれいな言霊を発せるように。
そのための試練に感謝しましょう。
生まれてこれたことを愛せるように。
哀せるように。
会せるように。
合せるように。
藍せるように
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