不器用な乗り物。それがオートバイ/200614-02
みなさんはバイク、オートバイについてどんなイメージをお持ちですか?
僕は今でこそバイク(以下、オートバイのことを指して話を進めます)に乗っていますが、以前は大っ嫌いな乗り物でした。
小さい頃から車が大好き。ぶーんぶーんと唸りながら校庭を駆け回り、将来の夢は自ら車になりたいと思うぐらい車が大好きな少年でした。当然今も冷めていません。
そして、適齢期になりすぐに自動車免許を取得。自動車になる夢は叶いませんでしたが、大好きな車を運転できるようになった喜びは今でも忘れられません。あれから数年経ちましたが、車の運転の楽しさは今でも変わりません。しかし運転にはいくつかの障害もついてきます。それは事故を起こすリスクです。多くの方が共感してくれると思いますが、車の敵は自転車とバイクでしょう。自転車は逆走や信号無視。バイクはすり抜け。僕も運転中に幾度となくヒヤリとさせられました。
日本の教育現場では慣例的に「三ない運動」がいまでも声高に取り組まれているので、バイクについてはどこか否定的なニュアンスを持っている方も多いことでしょう。僕もそのうちの一人でした。
しかも事故を起こした場合、ライダーの死亡率の高さも見逃せません。例えバイク通学がOKという学校であっても親御さんが許さないという場合もよくあることでしょう。
バイクを乗るようになって(バイクに乗るようになったきっかけはまた別の機会でお話しします)、バイクの楽しさや爽快さ気持ちよさトキメキさなどなど、言葉では言い尽くしきれない良さを感じることができるようになりました。しかし友達とかには積極的に勧める気にはなれません。やっぱりそれだけのリスクがある乗り物だとヒシヒシと感じるからです。
考えてもみてください。バイクはタイヤがふたつしか付いていません。つまり自立できないのです。つまり運転手に大きな全権が委ねられているということです。操作をミスるとすぐにコケます。50〜60km/hで走っていてしかも公道で転倒してしまうとそれだけで命の保障はありません。脅かすようなことばかり書いててアレですが、本当のことなので言い切っておきます。本当に危険な乗り物なのです。
だから、良いのです。
は?何この人?って思ったでしょう。だからバイクは楽しいと思えるのです。このスリリングで爽快感を得られるバカな乗り物がバイクなのです(すいません、バカは絹掛のことです)。車も楽しいところはあります。しかし、車とバイクは全く別物です。
例えば、冬。車には暖房が付いているので車内は寒くありません。しかしバイクは当然野ざらしです。風が全部身体に染み込んでいきます。下手すると凍死するレベルです。
例えば、雨。車には屋根が付いているので車内には降り込んできません。しかしバイクは野ざらしです。雨が全部身体に染み込んできます。下手すると風邪を引いてしまいます。
こんな不便な乗り物が21世紀にもなっても、走っております。スマホをくくりつけて。
バイクは不器用な乗り物です。みなさんの周りにもいますよね?愛されキャラというのが。器用じゃない悩める人ってだいたいドラマの主役を張ってますよね。そういうのです。もしバイクが車みたいな箱を手に入れて、かつ絶対にコケない仕様に大改良を施されると、きっとその優等生はすぐに姿を消すでしょう。人間は完璧は苦手です。不器用同士、バイクに跨り続けることでしょう。
生きる化石のような乗り物に最近ではスマホをナビ替わりにハンドルに巻きつけて走るライダーも多くいます。これぞ新旧の融合です(しかし相性が悪いのかスマホを落っことす悲劇が多くお勧めはしません)。
安全に、て無責任なことは言えませんが、何があっても最悪、怪我で済む程度で走りましょう。絶対死んではなりません。昔よく言われましたよね、家に帰るまでが何ちゃらって。
最後にこれだけは言えます。超絶不便なものですが、価値があるからこそこんな便利な世の中になっても走っている理由があります。それでは
絹掛