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(ネタバレ)ベビエブ夏目ロスでNO MORE CRYを聞くと泣く体質になった

夏目の、色々と考えさせられる結末を見届けた人たちが、3日経った今も、お通夜のように彼を偲んでいる。

予め決まっていた前半キャラだったにも関わらず、まるで実在したかのような熱の入りようで、水曜ドラマにも関わらず金曜や土曜にも「夏目ロス」がトレンド入りした。多くの人が夏目についてじっくりと考えた証拠だろう。

夏目は中間管理職のような役回りで、調整役。上司は組織から特別扱いで、いくらハラスメントをされても助けを求めることはできない。下は今時の若者で、少しでも強く当たるとすぐ通報される。狭間でストレスの溜まりそうな役だった。

いよいよ壊れてしまい、錯乱して銃とナイフを使った時、彼は初めて知る。慣れない戦闘でも主人公たちと渡り合えるほど、自分に才能があったことを。

周囲を皆殺しにしてもいいから生き残ってほしいと相当な肩入れをして観ていて思ったが、夏目がいよいよ主人公たちに殺される最期の言葉は「やっと⋯⋯ねむれる」だった。

皆、夏目に救われてほしいのだろうなと思った。夏目が救われることで自分も救われた気持ちになれそうな、行き場のない社会での役回りを背負っているのだろう。

では、どうすれば夏目は救われたのか。かなり考えてみたが、なかなか思いつかない。さすが不憫なシーンから考えられたキャラである。徹頭徹尾損な役回りで、誰にも助けてもらえずにいたので、そうでない場合のイメージができない。実行班になって実力を伸ばすなど違うルートを辿っても、あの瞳の輝きと我慢強さがある限り、結局また同じ結末を迎えてしまう気がするのだ。

夏目は、上司に尋ねた。ずっと一緒にやってきたのに、自分を一度も「相棒」とか「パートナー」と言ってくれなかったのはなぜかと。答えは得られなかったが、私は嫉妬だったのではないかと思っている。上司が夏目に抱く、才能や若さへの嫉妬。懸命に尽くしても認めてもらえなかったのは夏目がダメだからではなく、優秀すぎて認めたくないという意地を張られていたからではないだろうか。

気づけば夏目のことを考えている。どうしても彼に幸せになってほしかった。爪痕を残したキャラだけに、私と同じようなループに陥っている人が数多くいると思う。何らかの形で報われてほしい。6話の、そして6年間で変わってしまった彼の瞳の暗さは深すぎて、壊れた時の気持ちや、壊れる前の彼を、もっともっと知りたいと思ってしまう。前回の記事で書いたように、1話~5話もとても面白かった。ちなみに1話はYouTubeで観られる。サムネの右下で死んでいるのが夏目である。

大反響だったと思うので、今後また何らかの形で、夏目が救済されることを願っている。

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