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震災と寄付

 3月11日、東日本大震災の発災から7年が経ちました。あれからもう7年になるのかと驚きます。
 私は当時会社員として働いていて、発災のタイミングでは得意先の図書館におり、そこの職員さん達と一緒に避難しました。その後、普段は自宅まで高速道路で1時間で帰っていた距離を、停電で真っ暗な国道を、走る車のお互いのライトを頼りに7時間かけて帰ったことを今でもよく覚えています。

 さて、今日も震災の爪痕や現在の被災地の様子などを各メディアが取り上げていますが、7年も経って震災後の社会に慣れてきてしまうと、あの震災を境に何が変わったのか見失いがちです。ファンドレイザーとしては寄付市場の変化について触れておきたいと思います。

 とにかく一番の象徴的な変化は寄付の全体額が増加したことです。

※このグラフは「寄付白書2017」の数値を基に筆者が簡易的にエクセルでグラフ化したものです。2014年と2016年は白書の刊行が隔年化されたため情報がありませんが。

 それぞれのタイミングでどんな社会的な出来事が影響しているか検証しないと正確な分析とは言えませんが、グラフを見て一目瞭然な事として、2011年を画期として全体額が増え、その後も堅調に増加傾向にあると言えるでしょう。
 2011年が突出することは当然ながら、翌年、その後も2011年以前を明らかに上回る水準であり、また順調に規模が拡大していることが見て取れます。これは震災を期に、寄付という方法で誰かの役に立つという手法が一定数の人たちの間に定着してきていることの現れと言えるでしょう。

 このように大きな災害を契機とした社会の変化は東日本大震災に限ったことではありません。
 1995年の阪神大震災においては、発災後2ヶ月足らずの間に100万人を超えるボランティアが現地に駆けつけたことから、その年は「ボランティア元年」と呼ばれるようになりました。
 2016年の熊本地震が契機となった変化としては、ふるさと納税の代理受付という画期的な被災地支援が、これまで困難だった自治体の枠を越えて実現しました。詳しくは→HUFFPOST:「熊本地震に「ふるさと納税」で恩返し かつて豪雨被害の茨城県境町」。この後同様に代理受付を始める自治体が相次ぎました。

 大規模災害は多くの被害、不幸を招きますが、それを乗り越える過程で社会のレジリエンス(強靭さ)が少しずつ高められてきていることもまた確かなのだと思います。

 ファンドレイザーとしてはこうした社会の強靭さをより強め、広めていけたらいいなぁと思うのです。
 短いですが今日は東日本大震災の犠牲者への追悼と被災地の復興を祈念しつつ。

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