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人間関係の本質
壮大なタイトルで恐縮です。
一個人が本質という言葉を容易に使うべきではないと思います。情報過多の時代に、無駄な情報を増やすことに加担してしまうかもしれません。
しかし、この理論に出会って、今まで生きてきて疑問に思っていたことが一本の線で繋がってしまったので、本質という言葉を使わせていただきました。
なぜ人は遅刻をしてはいけないのか。
なぜ人は感謝を言葉にして伝えなければいけないのか。
なぜ人は怒るのか。
なぜ人はマウントをとりたがるのか。
なぜ飲みの席で、わざわざ移動して偉い人に挨拶をしに行かなくては行けないのか。
など、疑問を挙げるとキリがない。
これらの疑問に対し、一つの明確な答えを示していきたいと思います。
是非最後までご覧ください。
人間関係の4つのルール
答えとなる理論は、レスギブリンが書いた本に載っていました。
人間関係の4つのルール
すべての人は程度の差こそあれ自分本位である。
すべての人は自分に最も強い関心を抱いている。
すべての人は自分が重要だと感じたがっている。
すべての人は他人に認められたいと思っている。
これが全てです。
とは言っても、上記の疑問の回答には直結しないと思いますので、説明します。
人の精神状態が不安定になる理由の一つに、承認欲求があります。
例えば、不良と呼ばれる人たちは他人に認めてもらいたくて(注目されたくて)迷惑行為をすると言われています。
また、幼児がいたずらをするのは親の注目が足りないからだとも言われています。
これは1次・2次反抗期を迎えた人だけではなく、立派な大人であったとしても全く同じです。
他人に対して迷惑行為をするかどうかの違いであり、普通の大人でも、他人から認められ続けている人と、そうでない人とでは精神状態は大きく変わります。
たとえば、飲みの場において、
一番偉い人が終始一人でポツンとしていたら、その人はどう思うでしょうか?
大抵の人は、寂しさを感じたり、自分はなんて人望がないのだ…と卑下するか、あるいは挨拶にこないなんて失礼だ!などと怒りのような感情を抱くのではないかと思います。
なぜこのような感情を抱くのか、それはルールにあるとおり、人が自分を重要だと感じたがっているからであり、他人から認められたいと思っているからです。
自己重要感や承認欲求が満たされなかったので、落ち込んだり、怒りの感情を露わにすることで、自分をアピールするわけです。
では、周りの人はどうすれば良いのか、
「承認欲求を満たしてあげる」の一択です。
本来ならば一番偉い人というのは、
その組織で一番活躍していたり、一番貢献しているひとのはずです。
そんな人を相手に挨拶に行かないというのは、「あなたは(一番初めに)挨拶するほどの存在ではない」というメッセージを発していることと同じです。
そんなメッセージを発信せずに、一言挨拶をし承認欲求を満たせばいいのです。
何も面白い話をしたり、楽しませたりする必要はありません。
「いつもお世話になっています。」
「お疲れ様です。いつもありがとうございます。」
だけでいいのです。
そうすると人は、少なくとも最低限の自己重要感は満たされるので精神状態が不安定になることはありません。
これは立場が上の人に限った話ではありません。
4つのルールにある通り、すべての人にあてはまります。
遅刻に関してもそうです。
友人と待ち合わせて、遅刻をすると、もしかしたらあなたの友人は全く怒らず、何も感じない人の方が多いかもしれません。
でも、遅刻をするということは、
「私は、あなたのことを5分待たせても良い存在であると思っています。」というメッセージを送っていることと同義です。
そんなメッセージを送られたら、嫌な思いをしませんか?
だから、遅刻はしてはいけないし、もししてしまったら全力で謝らなければいけないと私は思います。
以上のように、
人は、自分のことを大切にしてくれる人には好感を持ちますし、適当に扱ってくる人からは離れたくなります。
よって、目の前の人と良い関係性を築きたいなら、人間関係の4つのルールに沿って関わるべきと言えます。
自己肯定感が大切である理由
一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
文字通り自分を自分で肯定できるという意味ですが、この力(スキル)が強い人は、もしかしたら人間関係の4つのルールを逸脱できる人なのかもしれません。
俗に言うメンタルが強い人というのは、他人から承認をもらわなくても、自分一人で承認欲求を満たせます。
他人から何を言われようが、気にせず自分の道を突き進みます。
人の悩みは対人関係がほとんどだと言われています。そんな世界で生き抜くためには、自己肯定感を高い状態に持っていくことは大切なことであると私は考えます。
しかし、自己肯定感が低い人が急に高くなることはまず無いですし、元から高い人であっても一時的に低くなることもあります。
なので私が提案としては、
目の前の相手は自己肯定感が高くない状態であるという前提で接するのが良いかと思います。
相手の承認欲求を満たすことで助けることができる、相手が自己を肯定するための手助けをしてあげる必要がある、と考えるのはいかがでしょうか。そうすることでスムーズに良い関係が築けるのではないかと私は思います。
人間関係4つのルールが浸透しない理由
レスギブリン氏の本をみなさんが読んでいて、本ルールに基づいて生きている人ばかりなのであれば、これに越したことはないです。
その実態は私にはわかりません。
ですが、私がこの本を読んだ一つの感想としては、本書を読んだ人の多くが、自分は問題ないと思う人が多いのではないかと思います。
上記に示した、人間関係の4つのルールは非常にインパクトがあるので、なかなか素直に受け止めることができないのではないかと考察します。
要するに、周りの人間が自分本位なのだからそれに対応するように自分が振る舞まえば良い話ですが、
自己肯定感が低い人ほど、自分のことを言われているような気がしてしまうのかもしれません。
あなたは自分本位であるといきなり言われて、
ああそうだったのか!私は確かに自分本位だ!
と受け止められるでしょうか?
特に自己肯定感が低い人ほど、まず不可能です。
よって、本書に対して疑念を抱くこととなり、読み進めても内容が入ってこないか本書を閉じることとなるでしょう。
本章では、本書の内容を受け入れられない人の立場になってみて考察を一つ書きましたが、本当のところを知りたいと思っています。
もし、本書を手に取った方で、内容が腑に落ちていない方がいましたら、コメントをいただけると幸いです。
まとめ
人は誰しも一人では生きていけません。
誰かしらの助けを借りなければならないです。
では、人はどんな人を助けたいと思うでしょうか?
頭が良い人、才能に秀でた人、力がある人、お金を持っている人、優しい人、自分を犠牲にする人…
もしかしたら、どれも正解となる場合もあるかもしれません。
しかしそれは見返りを求めているから、助けてくれるのだろうと私は考えます。
私の答えは、
″周りに承認を配ることができる人″
だと思います。
つまり、人間関係の4つのルールに則り、
他人が求めているものを与える人が、
周りから助けてもらえるのではないでしょうか?
もしあなたが1兆円の資産を持っていたら、困っている人に10万円寄付するのは容易なことだと思います。
実際にあなたは無限に資産を持っています。
他人への承認を永遠に配ることができます。
承認を配りたい相手、配りたくない相手、それぞれ諸事情はあるかと思いますが、
まずはあなたの周りにいる人に人間関係の4つのルールを満たしてあげませんか?
参照:レスギブリン著 ″人望が集まる人の考え方″