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悲しいことは口に出せない

「ネガティブなことを口に出して言う」ができる人は心が強いなと思うのです。ネガティブなこととは、いわゆる悲しいだとか、苦しい、ケガや病気をした、みたいなこと。それが自分や身内におこったことでも、他人のことでも。というのも、わたしはそれらがあまり口に出せないからなんですが。口に出すこと自体が、怖いし、悲しいし、苦しい。口に出したことを自分で聞いて、「ああ、そうなんだ」と改めて思うのがしんどい。わたしにとって「口に出す」ということは、自分の中で一度ものごとや感情を整理したり、区切りを付けたりすること。笑い話にできるレベルか、それくらい時間がたってしまえば口に出すこともできるんだろうけど、自分にとって生々しいとそれがあったことさえ口に出せない。家族にも友だちにも、誰にも言えない。だからそういうことを気軽に(わたしからは気軽に見える)ほいっと口に出せる人の心の強さがうらやましい。あー、そこでダメージ受けないんだこの人、と思う。そして聞いてしまったわたしはダメージを受けてしまう。だからそういうものは心の中にとどめておいてほしいんだけど、聞いてあげるのも思いやりや優しさだろうなあとも思うから聞いてしまう。逆に考えて、わざと笑って話すという手もあるなと今、これを書きながら思いました。そんなことは笑える程度のものなのだ、いつもいつも、なにをそんなしかめっ面をして深刻ぶっているのか、もっと気を大きく、宇宙規模でものを見ろ、と自分に言い聞かす効果があるかもしれない。自分が感情的にダメージを受けてしまうことって、どうしても圧倒的、かつ長期間、そのダメージに打ちひしがれてしまうんですよね。そういう性質だから仕方ないんですが、何かが磨り減っていく気がします。


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