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カードで情報収集を行ってみた結果

「情報は2つ以上のサイトで調べてから使いなさい」

よくある指示ですが、徹底しきれない指示でもあるような気がします。

社会科や理科、総合的な学習の時間に調べ学習をする…どこにでもある光景だと思います。
一人一台端末の整備によって、インターネットで子どもたちが調べ物をする機会が増え、それが当たり前のような光景になりました。そして、単元末の成果物にスライドでまとめよう!なんて課題もよく見るようになりました。私もよくやります。
そんな中で気になっていたのが、子どもたちが集めてくる情報の質です。

例えば、こんなところからすぐに情報を拾って、スライドに貼り付けちゃったりするんですね。検索するとスグに出てきますので…。

Googleで検索すると、丁寧に要約を表示してくれます。便利ですが…

便利なんですが、情報の比較・検討をしないまま「それっぽい情報」を繋げて、ツギハギのスライドが完成したりするわけです。「このスライドのこの部分って、つまりどういうこと?」なんて突っ込んでみるとフリーズしてしまう子もしばしば…。これがGIGA初年度によく経験した光景です。よく言われる「情報活用能力」なんてこれでは向上しません。

これではいかんということで「情報は2つ以上のサイトで調べてから使いなさい」などと指示するわけです。指示された日はなんとなく言われた通りに頑張っています。しかし次の日…というのがあるあるの風景。情報の比較なんて面倒なんですよね、その価値とか、必要性がまだ実感としてない子ども達にとって。

シンプルな「仕組み」で解決した

色々と検討した結果、「カード」を使ってみることにしました。
A4用紙を裁断機で4分割しただけの、ただの白いカードです。

ブレーンストーミングやKJ法、けテぶれの葛原先生のNカードなど、情報収集にカードや付箋を使用する実践は色々とあります。

これらを参考に、以下のようなルールを作り実践してみました。すると子どもたちも楽しみながら、そして情報を比較・検討しながら情報収集を行うようになりました。

情報収集カードのルール

1 表面に調べた情報を書く(1トピック1カード)
2 裏面に出典を書く
3 インターネット上の情報の場合は「2つ以上のサイトを比較し、同じ内容」であればカードに書くことができる
4 紙の資料の場合は一発で情報をカードに書くことができる
5 とにかく大量にカードを作成する

これまでは、調べた情報はノートや、タブレット内のメモアプリに蓄積させていたのですが、この方法だといつもより子ども達は前のめりになって情報収集を行います。
社会科の時間に震災関係のことについて調べていたある子が「先生!このサイトとこのサイト、被害者と行方不明者の数がちょっと違うんですよ!でも、こっちのサイトとこっちのサイトは同じなんです。どのサイトが一番信頼できるかな?」と話しかけて来ました。

情報収集がカードであることの利点

・カードの「枚数」がそのまま情報の「量」として見える化されるので、達成感を感じやすい
・カード同士の比較もできるため話し合いが盛り上がる
・後にまとめる際にカードを並べ替えて構造化できる

などなど、これまで経験した「ツギハギスライド」の課題を解決できる要素が盛りだくさんでした。情報収集だけではなく、分類・整理の点でも強いです。

アナログで加速したICT活用

「カードに情報をえんぴつで手書きする」という思いっきりアナログな方法です。おそらく行われている先生も多いでしょう。この方法によって、先に述べたある子の発言もそうですが、一度立ち止まってインターネット上の情報を吟味する姿が増えました。しかし、カードを増やしたいから面倒臭がらず、むしろゲーム感覚で情報を集めている…そんな感覚。

さらに集めたカードを並べ替えたり、重ねたり、くっつけたりしながら情報を整理した結果、成果物のスライドやポスターの質も以前より上がっているように感じます。クラウド上の共同編集は、仕上げの段階でのみ活用しているイメージです。

GIGAスクール初年度からかなりICT活用を進めて来たつもりではありましたが、最近行き着いた先は「アナログ」だったという、そんなお話でした。

月並みな実践ですが、子ども達の良い姿がたくさん見られたので、
書き残した次第です。
お読みいただきありがとうございました。

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