今週のkinologue【12/16-22】
先週は仕事の進捗があったものの、15日〆切をいくつか抱えてしまっていたのでバタバタと過ぎ去り、noteも沈黙したまま。その間に、連載2年目に突入した「婦人之友」が発売。今回は9月に行った北欧映画祭の旅の流れで、昨年行ったアキ・カウリスマキがつくった映画館のドキュメンタリー『キノ・ライカ 小さな街の映画館』を紹介した。1年前に紹介した『枯れ葉』から続いているようだけど、今年の北欧旅の実感はかなり違っており、そんなことも合わせて書いた。
今週の、いや今年のハイライトとなったのが、「クリスマス・シネマ・ワンダーランド」@シネコヤの『スモーク』上映に合わせて、「ポール・オースターとクリスマス・ストーリーを語る夜」と題したイベント。原作翻訳者である柴田元幸先生に久しぶりにお会いし、先生のトークと朗読を地元の皆さんと分かちあった。この日を迎える前まで、時間があったらずっとポール・オースターを読んでいた。全部を読むことは出来なかった(特に800ページの最新刊『4321』!)が、このタイミングでオースターの世界に出会い直すことができたのは、何やら必然のようだった。先生はポール・オースターから聞いた映画の裏話や彼との兄弟のような関係性について、晩年の作品で描いたこと、翻訳者として向き合っていることなど、会場からの熱心な質問にも、丁寧にお話くださり、聞き手特権で一番近くで聞き入ってしまった。翻訳者の仕事に配給者と重なるところがあると勝手に寄せてみたが、それもフォローしてくださり、作家との向き合い方は学びとなった。原作後半部の朗読はいつもながら圧巻!会場の反応も、恐らく初めて聞く翻訳者による朗読に驚き半分で熱かった。というか、これは柴田元幸だけが作りだせる世界なのだろうなぁ。その後のサイン会だけでなく、参加者へのプレゼントまで用意してくださっていて、本当にクリスマスプレゼントのような多幸感あふれる時間だった🎄
あ、今週もうひとつの幸せは、今年3回目の生活工房にて会期終了近くなった「山下陽光 おもしろ金儲け実験室」。山下さんの頭の中はホント面白い。「バイトやめる学校」はメルカリには出さなかったが、うちのフリマで誰かが持って行ったので、しっかり循環。トークがあるときや山下さん在廊時に来たかったが叶わず。しかし、とちゅやめファンとしては、ずらっと服が並んでいるだけで大興奮!ま、買っちゃうよね。