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【沼note】「光る君へ」にはまっている(付:王様の耳はロバの耳)
ふだんテレビはほとんど見ないです。
見てもニュースと天気予報のみ。たまに見るのはBSのドキュメンタリーくらいで朝ドラも見ないし夜の民放のドラマも見ない。まして大河ドラマをや。どうも中年以降、ドラマというものから離れてしまっていました。
それが今年になって大河ドラマ「光る君へ」に、どうもはまってしまったらしいんですよ。(まるで他人事のような記述)
「らしい」っていうのは、森野は年齢的なものなのか何事にもテンションが上がらないことがずっと続いていて、以前のようにハッキリ「はまった」と自覚できるほど熱中しないからなんです。寝ても覚めてもって感じではないので、自分でも確信が持てないんですよね。
だけど、
毎週、本放送を欠かさず見ている
サントラCDを買ってしまった
NHK札幌でやっていた「光る君へ」展を見に行った
NHK出版から出た公式ガイド本を買ってしまった
ってここまできたら、やっぱり「はまった」と認めていいかな。はまってますよね?
本放送を見ています
ドラマを見始めたのは最初からじゃありません。1月から始まっていたのに3月くらいから。
それまでは特に関心もなかったんですよね。
だけどSNSで、そこそこいろんな感想が流れてきて、それらに釣られるようにテレビを見始めました。
だいたい最初のきっかけは「テーマソングがいい」っていう誰かのつぶやきだったんです。それでテーマだけ聞いてみようかとチャンネルを合わせたら、藤原兼家が花山天皇を退位させようと陰謀をめぐらしている所でした。おおお、悪そうなオジサンだ。
でもそこから欠かさず見てたわけではないんです。
どのへんからかなあ、毎週しっかり見だしたのは。
若き日のまひろ(このドラマでの紫式部。演:吉高由里子)と道長くん(藤原道長。演:柄本佑)が、NHKの8時台だぞおい、みたいなラブシーンを演じた回あたりかなあ。
CDを買いました
確かに音楽は好みに合いました。
この頃もうCDもあまり売ってないので探して探して、やっとタワーレコードで見つけて買ったのは5月でした(ネット通販が苦手でなるべく使いたくない)。
聴いてみると、メインテーマの「Amethyst」も良いけれど、もうひとつのメインテーマ候補だった「Primavera」という曲がとても良くて気に入りました。いいわあこれ! 華やかで、それでいて不穏な空気もはらんでいて、ドラマにぴったりという気がします。劇中のどこかで流れているのかしらん。
他の挿入曲も、チェロの響き麗しいクラシック調、お洒落なバーでかかっていそうなモダンジャズ調、エレキギターが吠える奴など、とてもバラエティ豊か。しかも一筋縄ではいかなくて、クラシックのバロック調だなと思っていてもどこか不安定な不協和音が挿入されていたり、なんかこう、現代アートっぽい曲だったり、大変おもしろいです。
このCDを聴いて、「ドラマや映画の劇伴」という音楽ジャンルにも興味を持つことができました。CDに入っているのはメインテーマ含め、どれも短いのです。2分~3分くらい。クラシックを聞き慣れた耳には「え、ここでもう終わり?」みたいな気持ちになることも。
でも音楽が主役ではないので、こんな風に短い曲が何曲も用意されるのだなと思います。曲そのものではなく、劇やドラマをもり立てる脇役としての音楽。この視点も自分にとっては新鮮です。
問題は、森野に軽度難聴があるせいで、ドラマの進行中に挿入曲が意識できないことなんですよね。役者さんがセリフを言っていると曲が流れていることに気づかない。
そうなんです。どこで音楽が流れているのか気づかないの、見ている時に。
SNSの「#光る君へ」というハッシュタグを検索して、音楽が流れている所のよその人のコメントを探して初めて「ああ、あそこで音楽が鳴っていたんだ」ってわかるんです。
ちょっと悲しい。
もうどうして耳こんなに聞こえないかな。補聴器を忘れると完全に何も聞こえないけれど、補聴器を付けててもBGMはよく聞こえないです。二度三度と視聴すれば何回目かにはわかるようになるかな。
ま、そんなこともありますが、CD買うってやっぱりはまってますよね?
展示を見に行きました
「光る君へ」展は、6月9日まで一週間くらい、NHK札幌でやっていました。今は他の場所に回っています。
役者さん達のサインや、それぞれの人物説明、等身大パネルなどなど、いろいろありましたが無料なだけあって「いっぱい展示が!」という所までは行きませんでした。
NHK地方局のロビーでちょこっと見せてもらえる、というレベル。
それでも主役の吉高さんの動画とか,ずっと流れていましたので見て良かったです。
まあ、やっぱり展示まで見に行くってはまってますよね?
公式ガイドを買いました
さらに、「光る君へ 後編 NHK出版」という公式ガイドを買いました。
これがね。
役者さん達のインタビューや平安朝についての解説に加えて、今後の9月くらいまでのドラマ進行が書いてあるんです!
森野はネタバレ上等な方、むしろ映画でも何でもストーリーが予めわかっていた方が安心して見られるタイプなので、もちろん全部読んでしまいましたとも。
読んでしまって、おおおおお、と思った所がありました。
それについて書きたい!!!!
しかしそれは現時点(2024年6月)では大ネタバレなので、ここからは有料とします。ネタバレを避けるための有料です。
この記事全体は、2024年9月中旬頃、以下に書いた内容までドラマが進んだ時に無料に代えます。返金はいたしません。
どうぞよろしくお願いします。
はい、では、王様の耳はロバの耳タイム!
この下が有料だったのですが、ドラマの進行に伴い、無料に変更いたします。
王様の耳はロバの耳
このドラマ、後の「源氏物語」のエピソードになりそうな出来事が主人公まひろのまわりで多々起こります。こういう経験が、後にあの部分を書くことに繋がったんだな、って思わせる展開。気づかないことも多いのですが、有難いことにSNSで平安ガチ勢の方々がいろいろな解説をして下さるおかげで、あ、そうなのか! と改めて知ることもたくさんあります。
ドラマの最初の方で、道長くんとお仲間のあけすけな女の子話を漏れ聞いてしまう主人公まひろ。これはわたしでもわかる、源氏物語の中の「雨夜の品定め」の原型ですね。
また先日(6月9日)、松下洸平演ずる周明の口から出た「テンの毛皮」なんてのは、源氏物語の中で末摘花が羽織っていたとのこと。そういう描写で(昔はお金持ちだったけど)みたいな情報がわかるのですね。ここで聞いて後で物語に活かしたという設定なのでしょうか。
まあこのあたりのわたしの知識はあんまりなく、主にたらればさん(面識はありませんが勉強させていただいております)や、その関連のつぶやきから知ることが多いです。楽しい! たらればさんありがとうございます。
さて、これを書いている時点(6月11日)は、まだ宣孝おじさん(演:佐々木蔵之介 ←この人がまたいいんだ! うまいんだ)に突如プロポーズされて主人公まひろがフリーズしたところで終わっていますが、史実では確かに紫式部は親ほど年の離れたこの藤原宣孝と結婚しています。結婚ちゅうか、なんだろう。この時代だから「嫡妻の他に何人かいる妾のうちのひとり」となるわけです。そして娘が一人生まれますが、まだ幼児のうちに宣孝は亡くなってしまいます。ここまでは史実。
当時は嫡妻以外は妻問婚ですから、宣孝もいつもいるわけではありません。
ガイドブックに書かれた脚本のストーリーでは、いろいろあってまひろはまた石山寺に行きます。そこでこのドラマでのソウルメイト道長くんと偶然会って、一瞬だけよりを戻しちゃう んですよね。
ガイドブックには一行さらっと書いてあるんですけど、ここを読んでわたしは結構な違和感を覚えました。
え、かなり前に別れて自分も別の人と結婚した後で何でまた? って。
百歩譲って道長くんのまひろ永遠にラブな執着は認められても、なんでまひろはそこで身を任せちゃうの? わたしだったら過去の男はもういいよ、めんどくなるし。
いや、わたしとまひろは違う人間だからそりゃ有りなのかもしれないけど、それにしてもここに及んでなぜ??? という違和感がモリモリと。
そうしたら、その後を読んで、あ、このために! と思える箇所がありました。
道長くんとまた会っちゃったのは何月かはっきり書いてないんですが、その年の終わりに娘が生まれます。夫である宣孝おじさんは喜びます。しかし、
ねえ、これって道長くんの子だよね?
娘を道長くんの子にするためにこういうストーリー展開にしたのだよね?
そうか。。。。。
確かに、源氏物語の根幹をなすのは「不義密通の子」です。
藤壺の中宮が産んだ子(後の冷泉帝)は帝の子ではなく実際は光源氏の子でしたし、
光源氏の嫡妻、女三の宮が産んだ子(薫の君)は、源氏の子でなく実際は柏木の子だったわけで(多分)。
ところがこのドラマの中で、現時点ではそんな事態はあまり出てきていないんです。結ばれないとか、不仲とか(女院様こと詮子ねえさん)、ラブラブで結ばれても運命に翻弄されて不幸だとか(一条天皇と定子みたいに)、そういった現実の話はたくさん出てくるけど、「本当は違う人の子どもでした」みたいなエピソードは出てきていません。
そうか、源氏物語の通奏低音である所の「正式な相手の子どもではありませんでした」ってのは、自分のことだというドラマ設定なのか、って。
このことは、さらにあらすじを読み進んだら何気に2行程度出ていました。多分9月放映くらいの回です。まひろが道長にこんな風に言うのです(正確な文章ではありません)。
「自分のことでも物語として書いてしまえば……」
これか!
やっぱりこのドラマではそういう設定なのね。自分の身に起こったことを、物語にしたのね。てか、まひろの娘、賢子は、道長くんの子なのね。(あくまでこのドラマでは)
史実は……史実は、結局わかんないです。
公式には宣孝と結婚している最中に産まれた子だから宣孝の子とされているだけで、本当のところはわからない。
国際ロマンス詐欺(嘘……でもないのかな)の周明なんていうオリキャラを出してきて攻めてる脚本ですから、ここでもやはり攻めの姿勢なのね。
そういうの、好きだわ。
というわけで、6月の時点でまひろの娘は道長くんの子だと推測し、その経験が源氏物語のモチーフになったというドラマの設定はすごいな、と感じいった森野の感想でした。
実際のドラマではどうなるのかな。ここで書いたこと、全部違っていたりして。
それはそれでおもしろそう。
あああ、これが言いたかったんです。
それではファンの皆さま、また日曜日を楽しみに待ちましょうね。
王様の耳はロバの耳、終わり。