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【日記】続・カレーの日

オットが入院した。

といっても深刻な状態ではなく、ずっと悪かった膝の手術にやっと取りかかったということだ。悪くなったのは、老化しているのに高校生の頃の気持ちでスポーツをやってしまったためである。残念ながらこのご時世で病院は家族の面会を受け付けていない。wifiがあるのでオンライン上のコミュニケーションはできるが見舞いはまったくできない。受付で洗濯物の受け渡しのみ。

というわけでものすごく久々な独身生活を送っている。ちょっとだけ。

あれー、ひとりってこんなに気楽だったっけ。独身と言っても成人した子どもが同居しているので完全にひとりではないが、ほぼほぼ独り。ごはんもいいかげんだし家事すべていい加減で弛緩しっぱなし。

さらに久しぶりに土日休みで朝からゆっくりした。

年明けからあれこれあってずっとバタバタしていた。だから今日こそは何も考えずぼーっと休むぞと誓う。オットがいたってダラダラ休んでいるけれど、いないからもっとダラダラしている。そして人がひとりいないとコミュニケーション量が圧倒的に少ない。しゃべっていないようで、横にいれば何か他愛ないことを話したり、存在自体に気を配ったりしていたのだなあと改めて感じる。それが嫌なわけではないし、今回は命に別状はないと分かっているから暢気にしていられるんだけど。

オットは何でもする人なので彼がいるから家事が増えるわけではない。
むしろ彼がいないのでゴミ出しも皿洗いも全部ひとりでやらなければならない。それを考えるといつもより忙しくて当然なのだが、なぜか気持ちはヒマである。それに時間がとてもたくさんある。どうしてなんだろう。テレビがついていないせいかな。会話をしないせいかな。


昼前にスーパーに買い物に行く。
いつもスーパーに寄るのは夜7時以降なので、商品がたくさんあって驚く。
刺身とかいっぱいあるよ?
夜は半額の値引きシールが貼られているか、さもなくば刺身の台は売れてしまって空なことが多い。そんな時間にしか買い物に行けない自分もよくない。なぜその時間になるかと言えば集中できなくてダラダラ仕事するから延びるのだ。
なんだ、ふだんからダラダラしているんじゃないか。あかんなあ。

昼だから人も多くて、賑やかで活気がある。
人が一杯で賑わっているとなんとなく安心するのはどういう仕組みなんだろうか。

帰り際に花屋に寄ってスイートピーとラナンキュラスを買った。花はずっと買っていなかったのだけれど、コロナ禍になり始めの時、
「歓送迎会、卒業式や入学式が中止されて花屋さんがピンチ」
という記事を読んで、せめてもと買うようになった。うまく活けられないがそれでも花があるとなんとなく日常が潤うような気がする。

赤くないスイートピーたち


今日はカレーの日でもあった。

時々、オンラインで結びながらスパイスカレーを作るというサークルがあってそれに入っている。半年前にも海老カレーを作ったことを書いた。

この時はちょうど「うちのカレー」というお題が出ていて、ハッシュタグのせいか自分にしてはびっくりするほどたくさんの人に読んでいただいた。
ちょうど半年ぶりに参加して、今回もエビカレーを作った。たまたま偶然であっていつも海老というわけではない。

海老の殻をむいて殻をゆで、茹で汁を使う。

殻をむいているとつい、エビ本体を殻の方に入れてしまう

わたなべますみさんがノウハウを伝授してくれるので、画面を繋いで全国各地と世間話をしながら手を動かす。トントントンとリズミカルにタマネギやトマトを切るのは楽しい。生姜とニンニクをるのも楽しい。時折カメラをまな板や鍋の中に向けて「これでいい?」と確かめながら。

ホールスパイスをテンパリングして、その後タマネギを炒め、生姜とニンニクを追加して炒め、パウダースパイス類を投入して混ぜてからトマトを投入する。エビは最後。

1時間ほどでエビのスパイスカレーと菜の花の付け合わせができあがった。菜の花もマスタードシードとフェンネルを使って焼き付けたもの。けっこううまくできて満足だ。
カレーの方は、出来上がり当初はパクチーの味が強くて家族は食べないんじゃないかと思ったが、時間が経ちなじんだらさほどでもなくなった。パクチー苦手でもおいしいおいしいと食べられましたわよ。やったね。

一口食べちゃってから写真を撮ることを思い出した

次回はキーマカレーか、辛めのビーフカレーに挑戦したいなあ。でもインド風だとビーフは使わないのかな。


ごはんを食べて皿を洗っても十分時間があるので、noteを書いたり読んだりする。
リンクをたどって行った先で、美しくはかなく寄る辺ない文章を読み、心を打たれる。どこだかわからないよそよそしい場所で、次に何が起こるか悲しく怖い気持ちで待っているような文章。絶対自分には書けない。とても美しい。とてもさみしい。命がない人工的な世界のようで。
こんな文章はどう鑑賞したらいいのだろう。

寄る辺ない世界から現実に戻る。
風呂は家族が作ってくれたのでありがたく入る。
ゆずの入浴剤が入っているのだけれどゆずの香りはしない。黄色いだけ。安かったから? においがきついよりはずっと良いけれど。

でも、ぬるめの湯にどんぶらこと肩まで浸かり、ゆっくり足や膝をさすったり足首を動かしたりしていると、この幸せが続きますようにと祈るような気持ちになる。
ゆっくり風呂に入れるほど幸せなことはないな。
オットが良くなったら温泉に誘ってみよう。


ああ平凡だけど充実した休日だった。それになんとすばらしいことに明日の日曜も休みなのだ。天国か。
明日も寝坊しよう。
おやすみなさい。



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