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美しさ最高レベルの昆虫写真

驚異の標本箱ー昆虫ー(丸山 宗利・吉田 攻一郎・法師人 響)KADOKAWA

タイトルにある「驚異」という言葉が、まさにぴったり。昆虫図鑑とも違うし、昆虫写真集とも違う。標本箱というか、まるで宝石箱のよう。ページをめくるたびに「すごい!」を連発し、目を近づけたり、思わず触りたくなってしまう本です。

個人的には、知っている虫のリアルな姿や見たこともない姿に心躍りました。トンボの目の輝き・ステンドグラスのようなグンバイの羽・タガメの圧倒的な存在感などなど。

普通の図鑑では、トンボの目が死んでいるの(標本を撮影しているので当たり前なの)ですが、この本は様々な種類のトンボの顔が生き生きと写し出されています。トンボを捕まえた時の感触と、何でこんなに美しいんだろうと心が揺さぶられた時の情景がよみがえりました。

オンラインで行われた出版記念イベントでは、トンボの撮影秘話のほか、苦労話や撮影の工夫など、撮影者それぞれの昆虫愛とこだわりが語られました。著者らの熱い思いは、本のページをめくるたびにあふれ出てきます。

自然の色彩・造形の美しさ、それを捉える人の眼差し、そして試行錯誤しながら改良されていったという撮影技術。虫が好きな人はもちろん、そうでない人も堪能できる最高の一冊です。

小さなお子さんから、大人まで、「美」を「感じる」のに年齢は関係ありません。肉眼では見ることのできない自然の「美」に、この本を通じて「触れて」みませんか。

※「驚異の標本箱ー昆虫ー」が作品応募者に抽選でプレゼントされる、オンライン展覧会の作品募集が2020/12/12(土)~2021/1/11(月)行われています。詳しくは「アート×ウェブ『こころ ひろがる×ここで つながる』今を生きる子どもたちの展覧会」特設サイトをご覧ください。

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