2024年8月にクリアしたSteamゲーム
今回本文が長くなりそうなので前置きは手短にします。今月も読んでくれる人ありがとう。
インディーゲームにハマってから日常の楽しみなイベントが増えててとても豊か。
この前のIndie DirectもgamescomのFuture Game Showも、インディーの世界への解像度が上がってからはNintendo Directと同じかそれ以上の興奮が得られるイベントになりました。最近はツイッターでもインディー関連のFFが増えてきたので、そういったイベントごとでTLがちょっとしたお祭りになってるのも嬉しい。
そんな、インディーゲームで興奮している人とSteamでフレンドになってくれる人いつでも募集します。Steam乗っ取りっぽい人以外は基本フレンド返してます。よければ。
ではいきます。今月は13本。
オグと秘密の森
プレイ時間: 32時間
やってよかった度 ★★★★★
オススメ度 ★★★★★
異世界に飛ばされた主人公カモノハシ『ちびオグ』が、広い異世界を探検するゼルダ風謎解きアクションアドベンチャー。
このゲームはオススメしたいところが無限に出てくるので、自制のためにオススメポイントを3つに絞ります。
オススメポイント①
マップが広すぎて笑えてくる。
こんな感じで大きく分けて世界が7エリアに分かれており、
それぞれのエリアのなかに↓ほどの小エリアがある。
しかも、ゲーム開始時点で7エリアほぼすべてにアクセスできる。さらに各小エリアほぼすべてに何らかのイベントが設定されている。
「オープンワールド」といえば3Dグラフィックで、主人公も、出てくる生き物もリアルな質感なゲームが多い昨今。ゆる~い手書き2Dグラフィックでめちゃめちゃに広くて濃密な世界を旅できるのが、子供の頃にRPGを遊んでいた経験とどこか重なります。
オススメポイント②
とにかくコンテンツの供給過多。
釣りもできれば
料理もできるし
陶器を作って
巨大ロボバトルもできる。
これでも全体のコンテンツの2~3割ほどでしかない。とにかく色んな遊び心で溢れてる。2024年8月の前半、このゲームのコンテンツに夢中になっていた記憶しかない。
オススメポイント③
ちびオグが!
ちびオグが!!!
ちびオグが!!!!!!!!!!!!!!!!
可愛すぎる!!!!!!!!!!!!!!!(怒)(怒)(怒)(怒)
一緒にちびオグ愛を語り合いたいので早く買って遊んでください。
NEEDY GIRL OVERDOSE
プレイ時間: 6時間
やってよかった度 ★★★★★
オススメ度 ★★★★☆
承認欲求強めの女の子が最強のインターネットエンジェルを目指すマルチエンディングADV。
YouTube 100万人登録を目指す超てんちゃんの同棲相手になって、配信をプロデュースしながら様々なエンディングにたどり着く。
色んなアクションをとることで、画像右上の『たすくまねーじゃ』の数値が変動し、その数値によって物語がどんどん分岐していく。
ゲームシステム的な説明はこれぐらいにして、僕はこのゲームのシナリオを作った「にゃるら」氏があまり好きではない、というか嫌いだ。
にゃるら氏はいわゆるアルファツイッタラー。今のXの空気感とは違ってもっとどんよりとした、オタクの湿っぽさが強かった時代のツイッターで、発言力をもったオタクのことをそう呼ぶ時代があった。
にゃるら氏が出てくる以前のアルファツイッタラーはもっとホモソーシャル的なオタクイズムが強く、女性、あるいは女性像への切望がなければないほど (interestingとしての) 面白い風潮があったように思う。あえて女性への切望をメインに据えるようなアルファもいたが、それはホモソーシャル的風潮が前提にあるうえで成り立っていた。オタク風俗レポの原型みたいなものと思ってもらえると大きく外していないはず。
一方にゃるら氏はそれまでのアルファツイッタラーが持っていたシニカルさを持ちつつも、逆張りの姿勢としてではなく「女の子」へのナチュラルな切望と訴求力とを持っていた。それはにゃるら氏自身のブランディングももちろんあると思うが、00年代にネガティブなネット方言だった「メンヘラ」という言葉が10年代に突入して以降一般的に認知され、一種のステータスとして認識されるようになった流れににゃるら氏が上手く活用しただけのように感じていた。要は時代の流れに上手く乗れただけだと思っていた。
だが、このゲームを通じて、にゃるら氏の「第3者の立場に立った際のナラティブ力」の高さを思い知った。要は、共感力、その言葉に本心としての体重を預けているかどうかはさておき、相手がその場で必要としている言葉を投げる能力があまりにも高い。
潜在化していた「メンヘラ」は、にゃるら氏の言葉によって「メンヘラ」としてのアイデンティティを確立する。まるで司教により洗礼を受けるカトリックのように。
NEEDY GIRL OVERDOSEが100万本以上売れたのを鑑みても、にゃるら氏が時代の流れを不可逆なものへと変えた、といえるだけの説得力があろう。
ホモソーシャルなツイッターがエルドラド(黄金卿)であった僕からすると、未だにゃるら氏に対する嫌悪感は拭い去ることは出来ないにしろ、然るべくして時代を作るだけの代弁性に納得がいく作品だった。
なんか熱が入ってめっちゃ長くなってしまった。ごめん。
Malware
プレイ時間: 6時間
やってよかった度 ★★★★☆
オススメ度 ★★★☆☆
時は1990年代、悪徳ソフトベンダーがソフトウェアにマルウェアを仕込みまくっていた時代にタイムスリップし、悪意のあるインストールオプションからパソコンを守ろう!なポイントアンドクリックゲーム。
フレンドからプレゼントしてもらいました。ありがとうございます。
このゲームをプレイしてほしい人:
hao123
Baidu
Ask Toolbar
↑を聞いてピンと来る人
それ以外の人にはそんなにオススメできないけど、上記に当てはまる人は今後の人生のどこかでプレイしてみて欲しい。
フリーソフトを落とそうとしてパソコンがグチャグチャになった苦い過去がある人にオススメです。
Ells Tales: Egg
プレイ時間: 2時間
やってよかった度 ★★★★☆
オススメ度 ★★★☆☆
閉じ込められた独房でタマゴに縄跳びをさせるクリッカーゲーム。
このゲームについては話せないことが多すぎるし、話して伝わるかどうかもわからない。
唯一触れられるところは、初代PSライクなローポリなグラフィックが好きなら買って損ないと思います。Buckshot Rouletteもそうだったけど、今年はInscryptionに影響受けてそうなビジュアル表現のゲームが豊作で助かる。
インベントウ - inbento
プレイ時間: 5時間
やってよかった度 ★★★☆☆
オススメ度 ★★★☆☆
ネコのお母さんが色んなレシピのお弁当を作るクッキングパズルゲーム。
ステージは125レベル。
最初は超簡単なパズルだけど、ステージが進むごとに仕掛けが複雑化していき最後の方は頭が爆発しそうになる。
パズルゲームの難しさを伝える指標として、Baba Is Youの難しさを100 Babaとする独自指標を使ってらっしゃる方FFにいらっしゃるのですが、その指標をお借りするとインベントウは20~30 Baba程度。
(知らない方のために補足: Baba Is Youはゲームルールを自分で書き換えることのできるパズルゲーム。パズルゲームにありがちな、総当たりを試す戦法が全く使えない上に構造上難易度の上限が存在しないため、解答を見ずにすべての問題を解くには1000時間以上必要。)
パズルゲーム苦手でも時間を掛ければ全然クリアまで到達できるはず。
ステージクリアごとに見られるネコ家族の成長模様も、単におもしろいパズルゲームとして終わらせないぞ、という気概が見えてよかった。
スマホでもプレイできるようなのでパズルゲーム好きな方は是非。
午前五時にピアノを弾く
プレイ時間: 1時間
やってよかった度 ★★★★☆
オススメ度 ★★★★☆
午前五時、深い霧の中誘われるように外に出て、さまざまな不可解と出会いながら霧が晴れる午前八時を目指す選択型ビジュアルノベル。
霧の中で発生するイベントをこなすと「眠気」「渇き」「狂気」「充電」のパラメータが蓄積していき、午前八時までにいずれかのパラメータがMAXになるとゲームオーバー。
ただのビジュアルノベルと思っていたけど、ゲーム感としても一人で進行出来るTRPGっぽい?クリックのレスポンスも気持ちいいので、飽きることなく、触り心地よくクリアすることが出来た。
ビジュアルノベルとしてシナリオの完成度が高く、心に残る作品になる人も多いんじゃないかなと思う。僕もその一人でした。
無料なのはなぜ?金を払わせてくれ。
みんな大好き塊魂アンコール+王様プチメモリー
プレイ時間: 4時間
やってよかった度 ★★★★★
オススメ度 ★★★★★
バンダイナムコから2005年に発売された、街中の物を「なんでも」巻き込んでカタマリをどんどん大きくしていく3Dアクションのリマスター。
前作のKatamari Damacy Rerollと操作法は変わらず、正当な続編という感触だった。どちらをオススメするかと言われると悩む。強いて言えば今作のほうが遊びの幅が広がっていているものの、どちらを選んでもプレイ体験として大きな差は出ないと思う。
どんどん物が大きくなっていく様子を眺めるのは楽しいし、そんなものまで巻き込めるの?!という驚きは開発者のメタな視点を感じることができて面白い。
PS2やPSPには『勇者のくせになまいきだ』や『パタポン』のような、現在のSteamを見渡しても精神的後継作があまり見つからない面白い作品が沢山あるから、塊魂みたいにリマスター出してほしいな。
Hue
プレイ時間: 6時間
やってよかった度 ★★★★☆
オススメ度 ★★★☆☆
主人公のHueが、色の無くなった世界で色を取り戻しながら、色が消えた理由を明らかにするパズルアドベンチャー。(※日本語非対応)
このゲームの基本メカニズムがすごくて。
例えばHueの左側にある木箱を動かしたくても、水色のレンガブロックが邪魔して木箱に手が届かない。
そんな時に、取り戻した色の力を使って背景を水色に変えると、
水色だったレンガブロックが背景と同化して、木箱に手が届くようになる!
このメカニズム、ストアページで見た時に一目惚れした。
最終的に6色の色を扱うことができるようになるため、パズルがドンドン複雑化していったものの、inbentoの段で上述したパズルゲームの難易度の単位「Baba」をつかって表すと、最高でも40 Baba程度でした。
パズルゲーム好きには遊んでみるのをオススメしたいと思います。
Plantera 2: Golden Acorn
プレイ時間: 6時間
やってよかった度 ★★★★☆
オススメ度 ★★★★☆
作物や果物、動物などを育ててお金を稼ぎ、Golden Acorn (黄金のドングリ) がなるオークの木をお世話する、横スクロール型放置クリッカー農場シミュレーション。
前作のPlanteraもプレイしましたが、前作は1作目ということもあり粗削りな部分が目立ちました。
そのフィードバックの結果か、2作目であるPlantera 2 は細かい部分がストレスにならないよう作られているような感触があり、1作目で本当にやりたかったことをリメイクしつつ達成したようなゲームでした。
今年発売されて爆売れした Rusty's Retirement を楽しめて、忙しくない放置系農業シミュレーションをもっとプレイしてみたい!って人が2作目に遊ぶゲームとしてオススメ。
Staffer Reborn
プレイ時間: 1時間
プレイしてよかった度 ★★★★☆
オススメ度 ★★★☆☆
Staffer Case:超能力推理アドベンチャーの前日譚である短編ミステリー。
先月プレイしたStaffer Case:超能力推理アドベンチャーの前日譚。
本編は真実にたどり着くまでに1チャプターあたり2時間程度かかったが、こちらは1時間で真相にたどり着けた。
だからといって本作が薄味であるかというとそういうわけではなく、Staffer Caseの本編で感じた「醍醐味」をしっかり体験できた。あまり言いすぎるとネタバレになるので言えませんが…
とにかく本編のStaffer Caseが肌に合った人は、忘れずにこっちもプレイしてください。ちゃんと面白いです。
寿司王
プレイ時間: 2時間
やってよかった度 ★★★☆☆
オススメ度 ★★★★☆
お寿司を使った、対子を5つ集めて役を作る麻雀。
麻雀は簡単な役しか知らないけど、このゲームは対子 (2つのペア) を集めていく関係上、どう頑張っても待ちが1面しかできないのも初心者に優しい。
サーモンは炙って炙りサーモンにもできるし、危険牌は食っちゃえばいい。
寿司に関係あるんだったらなんでもあり。
あと役の名前のセンスがホントにいい
こういう細かいところに手を抜いてないタイプのゲーム、応援したくなる。
Unlock The Cat
プレイ時間: 5時間
やってよかった度 ★★★☆☆
オススメ度 ★★☆☆☆
石を動かして、閉じ込められたネコを助けるパズルゲーム。
調べて初めて知ったけど、『ラッシュアワー』というパズルそのまんま。
いい時代になったなあと思うのは、フィジカルなパズルをパソコンさえあれば遊べること。しかもパズルのお題が画面の向こうに勝手に用意されている。いいな~。
後半の難易度もかなり手ごたえのあるものになっており、最終盤では40 Babaぐらいの難易度になっている。
5時間程度で最後までいける程よいパズルを求めている人にオススメ。
ZUP! 6~8
プレイ時間: 3時間ぐらい
やってよかった度 ★★★☆☆
オススメ度 ★☆☆☆☆
先月に引き続き、Steamの実績を増やすためにプレイしてるパズルゲーム。Baba Is Youの難しさを100 Babaとすると5 Babaぐらいの難易度。
今月はこれで実績が7548実績増えました。現実の実績は何一つ増えてないのにね。
来月も欺瞞を重ねようと思います。
終わりに
今月分のnoteめちゃめちゃ長かったのに、最後まで読んでくれた方ありがとうございました。
毎月のSteamゲームレビューを投稿して半年が経ちましたが、月をまたぐ毎に文章量が多くなってる気がする、少年漫画がインフレする理由がよくわかるな。
なんというか、子供のころに比べて1つのゲームに何十時間も費やすことが難しくなっている中で、時間を忘れて何十時間も熱中しちゃうゲームを見つけると宝物みたいに見える。8月は「オグと秘密の森」が宝物でした。
来月もkinoitaの宝物開示/Steamゲームレビューを行うので、よかったら見に来てください。
ありがとうございました。
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