アラフィフミセスの胸のうち #3
~朝ドラ カムカムエヴリバディ~
現在放映中のNHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の3代目ヒロインひなたの小学生時代はThe昭和。ワタシは世代ど真ん中だ。
ひなたの生活背景は懐かしく愛しいモノたちのオンパレード。
そう、ワタシもキャンディーズや百恵ちゃんを大声で歌っていた。
夏休みにはラジオ体操のスタンプカードを首から下げ、毎日欠かさず参加し最終日にはノートと鉛筆をもらったし、棒に結んだ糸の先にイカをくくりつけてザリガニを捕った。
あの頃は親や先生が絶対の存在で、疑問とか違和感とかなんにもなかった。おまわりさんの中に悪い人がいるなんて考えたこともなかった。
愛されていたしホントに呑気なこどもだった。
そんな時代だった。
TVが大好きで、それを楽しみに生きていたと言っても過言ではない。
土曜日の夜8時には志村けんやカトちゃんに大笑いして、仲本工事の体操や、高木ブーの雷さまのお約束の流れをワクワクしてみてた。
東村山音頭は全部ソラで歌えたよ。
生卵を投げ合ったり、家の壁がバタ〜ンと倒れておなじみの音楽が鳴って舞台が回転してというドタバタした世界に浸りきって幸せ感じてたな。
夕食後のデザートのりんごをシャクシャク食べながら。
中流家庭で貧しくはないけど慎ましい暮らし、わずかなお小遣いの中でやりくりしていたからマンガはしょっちゅう買えるものではなかった。
TVで放送した翌朝、友達とキャンディキャンディの話をしながら通学する時間が楽しくて本当に大好きだった。
ハクション大魔王とかいなかっぺ大将とか同じ番組がたびたび再放送されていた。
夕方の楽しみだった。
カルピス名作劇場も欠かさずみてたな。
母を訪ねて三千里ではマルコがお母さんに会えるように、フランダースの犬ではネロがルーベンスの絵を見られるように祈った。
アルプスの少女ハイジではその境遇に同情しつつ、逞しい力強さに勇気をもらい、クララが車いすから立つシーンでは心から拍手を送った。
今でも「おんじ」をCMで見かけるのは、同じ頃同じように夢中でみてた同世代がキャスティングしているんだと勝手に思ってる。
当時のしっとりしたムードは削ぎ落とされカラッとカジュアルな別物になった感はあるがそれでも忘れ去られていないことは嬉しい。
ラスカルもアメデオもLINEスタンプになって今なお健在だ。
今の若い人たちは物語は知らなくてもキャラクターを目にしたり、グッズを持ったりすることでまたそれぞれの思い出が作られ、紡がれていくのだろう。
ノストラダムスの大予言はまさにひなたと同じで「どうせ1999年には何もかもなくなるんだ」と考えたりした。
実際に31歳でそのときを迎え、通り過ぎるまでどこか頭の片隅にあったように思う。
あの頃虜になっていた愛すべきモノたちについて、リアルで話し合う人はいないけどSNSで話題になればこんなにもたくさんの人が思い出として心の中に大切にしまっていたんだと嬉しくなる。
SNSがあってよかったなぁと思うことの一つである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?