それキケン①~直感的に感じる違和感~
「何か違う、何か変だな」
理由を言葉にはできないけど、
感じるときがある。
振り向いたら、怖い顔をした上司が
こちらを睨み付けていた、という話ではなく
会社や組織って、
実際に中に入ってみないと
わからないことが多い。
そして入ってみて、感じることがある。
入る前の限られた情報では
なかなかつかめないことが多い。
まさに「百聞は一見に如かず」
先ずは、入るべし。
入ってみて見えること、感じること
中に入ってみると
いいことばかりではなく、
キラキラして見えていた社員が
暗い表情で疲れ切っていたり、
おしゃれなホームページから想像していたオフィスが
くたびれたデスクと汚れたカーペットだったり、
モノがそこらじゅうに散乱していて
整理整頓がされていなかったり、
色々感じることがあったりする。
そういった、
組織に入った直後に感じた直感、違和感は
大切にしてほしい。
なぜなら、その違和感はあなたが常識と思っていたことと
その組織の価値観・常識との感覚的なズレで、
時間の経過と共に染まり、それが当たり前となって
違和感を感じなくなっていき、
あなたの新たな常識的感覚となっていく、から。
数ある業界、企業の中から
お互いに求め合った結果として入社したことは
奇跡としか言いようがないので、
その機会に感謝はするものの、違和感のあることに
どっぷり浸かる必要はないと思う。
いいもの、いいことは取り入れればいいけど、
そうでないものは取り入れなくていい。
どうしても、人が集まると
その組織の中での共通認識や
ローカルルールができていく。
そして皆、それを基に行動する。
いいものもあれば、そうでないものもある。
汚れた玄関。割れ窓理論のように汚れが汚れを引き寄せる
以前いた会社は、こんな状態だった。
それなりの会社規模ではあったものの
オフィス内の清掃を外部に委託していなかったので、
自分の身の回りの掃除だけでなく
オフィスの各部署のスペース、社内共有スペースは
自分たちが掃除機をかけなければならなかった。
ただ、社内共有スペースは、明確な決まりがなかったので
ほぼ、ほったらかしだった。
物販の会社は、段ボールでの
商品サンプルや材料の配送や受取が多く、段ボールを
組み立てたりバラしたりする機会が多い。
そうすると、段ボールやテープのゴミが出るのはもちろん、
端切れのようなカスやホコリが出てくる。
日々掃除をしていないと、すぐに汚くなる。
それでも、ほったらかし。
共有スペースであるオフィスの通用口を入ってすぐのところに
大きなごみ箱や段ボール置き場、ちょっとした作業スペースがあったので
その周辺は常に汚れがちだった。
お取引先の方には、その通用口からオフィスに入って、
ごみ箱や段ボール置き場の脇を通って商談スペースに入って頂いていた。
つまり、通用口は表玄関ではないにしても、
外部の方を迎え入れる裏玄関のようなものだった。
でも、汚いのが当たり前で
自分ではない「誰か」が掃除するのが常識なので、
ほったらかし。
日常的に通用口からお取引先の方を迎え入れ、
商談を担当する部署であっても、汚いまま。
商談スペースでさえ、使用後、
机にゴミは置きっぱなしで、椅子などの備品も整えず
去っていく。
何か足りない?でも、自分は損したくないし
とどのつまり、相手に配慮が足りないのだ。
「誰か」のために自分が何かをしたくないのだ。
そんな状態では、業務にも支障が出る。
「相手のこと」や「その先の業務」を考えないので
その部署が担当していた品質管理や納期管理は常に不安定で、
納品先には多大な迷惑をかけていたが、なかなか改善されなかった。
挙句の果てに、自分に都合の悪い情報は
重要なことであっても共有しないなど、
社内外に迷惑をかける有り様だった。
致命的なのが、これは個人の話ではなく
その部署全体の話である点。
管理職も、部署のメンバーも同じ考え方。
「自分の仕事じゃない」
「自分がいる場所じゃないから汚れていてもいい」
「誰かがやってくれる、気付いた人がやるべきだ」
そんな感覚の延長線上に
共有スペースをきれいに保てない、業務にしっかり向き合えない、
という行動につながるのだと思う。
これが、入社当初に感じた違和感だった。
感じた違和感のままに、正義を振りかざす
「だったら、変えてしまえばいい」
そう、その通り。
誰かが変えていくべきと思い、
それなりの役職に就いてから
「当然すべきこと」として皆に伝え
自分自身も率先して掃除を行ったけど
時間と共に醸成され、多くの人の常識となったことを
変えることは難しかった。
「常識」としていたことを変えようとしたら、
自分にとって「得」がないのに
「なぜ変える必要があるの?」ということだった。
お取引先がどう思うか、社内のひとがどう思うか、
新しく入社してくる社員がどう感じるか。
気持ちよく仕事をしたくないか。
それを考えて欲しかったのだけれど、
「他人」視点の話をしても、
既にその視点がないものとして感覚が出来上がっていると
思考パターンを変えていくアプローチは難しい。
だから、諦めた。
共通感覚や常識の共有の失敗は、マネジメントの失敗
直接的にマネジメントをする部署ではなかったものの、
業務では密に連携する部署だったので、頑張ってみたが、ダメ。
自分自身の力不足を痛感。
そこを管轄する上位マネジメントを動かすこともできなかったし、
完全なる敗北だった。
とは言え、聖人君子を求めているわけではないし、
自分もそうではない。
ただ、そういったことに気が付けないと
業務に支障がでるから意識する。
最終的に、決断したこと
他にも会社内に幾つもの違和感を感じていたので
最終的に自分がその環境から離れることを選んだ。
仕事や職場は、人生の中でも関わる時間や過ごす時間が長い。
だからこそ、いろいろな角度から検討してみて
そこに長くいることが前向きに捉えられないとしたら、
環境を変えることも一つの手段だと思う。
離れて、思うこと。
決断して、よかった。
単純なことだけれど、職場環境が清潔に保たれていない会社は
従業員や他人への気遣いが足りていないという意味で
ちょっとキケンかもしれない。
ちなみに、偉そうなことを記していますが
自分のデスクはお世辞にもきれいとは言えなかったです 汗
一事が万事。
また改めて他にもキケンな兆候について記したいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。
お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。
きのした
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