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MTHFR遺伝子多型の人の鬱には葉酸
こんにちは。7歳から鬱体質の分子栄養学ONE Kinnyです。
私のNOTE記事は、鬱に対する記事が人気です。
人間は、全く同じ栄養を摂っていても、代謝の遺伝的な能力によって、栄養が体に吸収されるわけではありません。
例えば、私は子供のころから、胃酸の分泌能力が低く、消化力が弱く、食べてもきちんと消化ができないのです。
さて、今日のお題は、MTHFR遺伝子多型と葉酸 です。
突然変異、は良く知られています。
1%以下の頻度で起これば、突然変異。
それ以上なら、遺伝子多型、
です。なので、MTHFR遺伝子多型というのは、MTHFR遺伝子が他の人と違う、人口の1%より多い人達…です。
参考:205人の女性を対象とした論文では、MTHFR遺伝子C677T多型CC型が35.1%、CT型が48.8%、TT型が16.1%でした…の報告がネットにあります。
結構多いですね。35%もいる。要するに、この人たちは、葉酸を摂取してもすぐ欠乏症になるって意味です。葉酸のニーズが生まれつき高いということです。
葉酸 は、メチオニンの代謝系でメチル基を供給する栄養素です。たんぱく質やアミノ酸は、消化吸収のプロセスで、有害な ホモシステインと言われる物質を出すのですが、その代謝には、ビタミンB群である
・葉酸、
・ビタミン B2、
・ビタミン B6、
・ビタミン B12
の4つが必要です。
これらのどれかの栄養素が欠乏する=有害な血中ホモシステインが増加
です。
つまり、葉酸が不足すると、たんぱく質やアミノ酸サプリを取っていても、メチレーション回路が上手く回れず、鬱の症状が出てしまう人が35%もいると想定できる、ということです。
人口の少なくないパーセンテージの人たちは、遺伝的に葉酸欠乏に陥ることになっている、というか、これでは、鬱になることが決まりになっているみたいな話だ、ということですね。
■ 葉酸欠乏型ではなかったうつの人への栄養処方
私は、MTHFR遺伝子多型かどうか検査で試してみましたが、検査結果では多型ではなかったので、葉酸不足によるホモシステインの増加が、鬱の原因ではありませんでした。
それでも、結局は栄養療法的な処方は同じになるのではないかと思います。というのは、ビタミンBは、B群のサプリで複合的に取るからです。
私の場合ですが、ビタミンCからスタートして、B群サプリ、アミノ酸、ビタミンD、食物繊維と進み、鬱を克服しました。今は栄養学的には、充足しており、インナーチャイルドの問題に取り組んでいます。
全員に同じ処方で効くか?というと、遺伝的形質も異なるので、同じ栄養素を与えても、効かない、というのは、前述のとおりです。
一方、ビタミンCの摂取が無駄になる、人がいるか?というと、ほとんど考えにくいです。
ヒトは種として、ビタミンCの合成能力を失いつつある、と言われているので、ビタミンCの1日、3gの摂取…毎食1gは、半分を尿で失うにしても、問題がない摂取量と思われます。高額なものでなくても、安価なサプリで十分だと思います。ビタミンCにより、副腎疲労を私は抜けました。
次に、B群ですが、前述のMTHFR遺伝子多型は、私にはありませんでしたが、抜くとやはり調子が悪くなります。これは、腸内細菌によるビタミンB6の産生が、メチレーションのニーズに追いつかないためです。したがって腸内細菌が安定するまでは、B群サプリを取り続ける必要があります。
次に、アミノ酸ですが、私は胃酸が作れず、肉やプロテイン飲料などを食べるとガスが発生してしまい、余計に気持ち悪くなる、という現象が起きました。これは、胃酸の検査で分かります。
胃酸が作れない人は、菜食に偏りがちです。たんぱく質を避けて食事をすると、胃もたれせず、気持ちが良いためです。私も例にもれず、体の声を聴いた結果、玄米菜食に偏りました。最初は楽でした。
しかし、玄米菜食のような、高炭水化物食は、消化にビタミンB群を消耗するので、体内貯蓄が枯渇してしまうタイミングで鬱になります。一般的に4~5年と言われています。
そもそも、すべての問題の根源は、消化力、つまり胃酸が作れないこと、なのです。胃酸そのものも、たんぱく質から作られています。
なので、消化の必要のないアミノ酸サプリを取り始めて、消化力が回復しました。
たんぱく質摂取は、適量が重要です。お肉は、私は100g以上食べても消化不良になるだけです。これが消化力を超える、たんぱく質を食べても、無駄だという理由です。ガスっぽくなったり、便が臭くなることが消化不良のサインです。
胃の調子が悪いのは、幼少期に暴力という不安にさらされたためです。
胃の調子が悪いと、未消化物がそのまま小腸・大腸に流れていくので、リーキーガットになります。リーキーガットになれば、多方面にアレルギー症状が出ることになります。これには、ビタミンDを用います。
そして、腸内環境の整備には、食物繊維が不可欠です。自前の善玉菌を育てるためです。また盲点になりがちですが、発酵=温度なので、ある程度体温をあげる活動、それも中から体温をあげる必要があります。運動ですね。
結局、大元の原因を正すと、
暴力→不安→胃腸の機能不全
が、私の場合は、原因でした。
赤ちゃんだったり幼少期のころに暴力的環境にさらされることの生涯リスクは、ここにあります。トラウマ反応が身体化されているのです。こうした方は、家族の中でも、自分だけが低身長だったりすると思います。
胃腸が弱い人、と漢方で診断されるあなたは、目先の栄養で現在足りていないものが確実にあり、それを摂ることで楽になるはずです。
栄養療法は、時間がかかると言っても、漢方で数年かかるところ、2週間で成果が出ます。違ったら、全く成果が出ないので、白黒が分かりやすい治療法でもあります。
比較的安価で、投薬を必要とせず、薬局で購入できるもので自己治療でき、セルフセラピーに向いていますので、やってみてくださいね。
特にビタミンB群サプリとDは著効しました。
糖質に偏る食生活が日本食ですし、ビタミンDは日本人の9割に不足していると言われているので、B群とDは試す価値があると思います。Cは決して損する人がいないビタミンです。
栄養療法は食事の改善なしには片輪ですが、目先のつらさを回避するには、即効性があり、有害事象がほとんどないです。(例外:鉄)