「氷の城壁」の先生多分私の青春時代知ってる
阿賀沢紅茶先生、多分私の青春時代っていうか、多分心の中に住んでたと思うんですよね。多分、いつも隣にいたあの子とか、教室の真ん中にいたあの子にもちょっと乗り移ってたと思うんですよね。
そのぐらい、すごい。
先生の「悩める高校生」描写が。
紅茶先生は「正反対な君と僕」のTwitter広告を目にして知りました。
「この子、明るそうなのにただの明るいギャルじゃないな…!」と思って読み始めたら1話がまぁ〜〜すごくて。
元々読み切りだったのもあると思うけど、やっぱり1話で続きをくれ!状態にすることはめちゃ大事だと思うので、私的に「アンナチュラル」1話と並ぶ「この1話がすごい!」大賞にランクインしました。主人公のキャラクターがすっと分かるし、1話の中での盛り上がりと綺麗な伏線回収が鮮やかで、爽やかな気持ちになるような作品でした。
その後「氷の城壁」をコメント欄で知り、読んでみたら段々とチケット回復待ちきれなくなっちゃって笑 夜布団に潜って号泣しながら課金して40話くらいかな?後半一気に読みました。
いや、すーーごかった。全体の話の流れとしても面白いし、ちょっとした会話ひとつ取っても自然だし、なんか絵がもちもちしてかわいいし、ちょっと懐かしい平成感もするし。2作品ともすっかりファンになり、待望の書籍化がされ、全巻買い揃えてしまいました。
どっちもだいすきですが、やっぱり他と違う凄味があるのが「氷の城壁」だとおもうんですよね。
氷の城壁については、4人の高校生男女がメインで、4人それぞれ育ちも性格も違くて、抱えてる悩みも違くて、その4人と周りの方々がどう関わって、関係性がどう変わっていくのか…というあらすじだけ見るとよくある感じなんですが、人物の一人ひとりが絶妙に「いる」んですよね。皆さんも学生時代を思い浮かべてみると、多分いると思います。
何でかと言うと、物語の進行のためにキャラクターがいるのではなく、キャラクターがいて、その人たちが自然と関わっていくような感じだからだと思うんですよね。
「陰キャ」「陽キャ」「モテる男」「無口」「優しいお兄ちゃんキャラ」「クラスのアイドル的存在」とかまぁ色々キャラクターのラベルって色々あるけど、実際の人間ってそんな一言で語れないはず。でも、色んな作品上で、そして実際に人と関わる時、「この人はこういう人だ」っていうラベルを何となく貼っちゃうものだと思います。私は今までそうだったと感じています。
それをね、紅茶先生が描写してくれるんですよ。自分の見てるのってその人の本当に一部でしかないというのを紅茶先生が教えてくれました。
そして、思春期の悩みってそこの理解で解消できる部分って割と多いんだろうなとも思います。自他の境界線とか、自分をどう解釈して、どう向き合って変えていくのか、自分自身とかその環境をどう肯定的に受け止めていくのか。大人になっていくために心の内でやっていくことを、4人がやっていく様子を見させてもらえることってすごいことだと思う。
正直高校生があんなに内面の言語化が上手な訳ないとは思うんだけど笑 そこだけはリアルではないとこなんだけど、漠然とあの時悩んでたことがこういう風に表したら分かって貰えたんだな、って事が分かっただけでももう当時の私が救われてるんですよね。
ネタバレしたく無さすぎてふわっとした感想しか言えないんだけど、普段マンガを読まないドラマ好きさんにも読んでもらいたい作品だなと思ってます。後悔はさせません!!!!
「氷の城壁」「正反対の君と僕」共に完結していて、単行本にもなっていますが、まずは冒頭のリンク先から読んでみてください!