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私の勉強法。ニュース検定1級への道。

#わたしの勉強法

 「ペン、貸してください」
 小学生の頃、私は何度もこの言葉を口にした。最初はクラスメイトに言っていたが、バカにされるようになったので、担任の先生に貸してもらうようになった。
 親から文房具を買ってもらえなかった。母子家庭で貧困だったのは事実だが、筆記用具を買えないほどではない。
 私はネグレクトを受けていた。母親は男の家に行って帰ってこず、朝ごはんを食べないのは当たり前になっていた。だから、私は学校へ勉強しに行くというより、給食を食べに行くのを目的としていたくらいだ。
 ノートもないので勉強できず、ただ教科書を読むことで授業をやり過ごした。
 勉強が嫌いなわけではない。したくてもしにくい環境だった。チラシの裏に漢字や計算式を書いていた。これが、当時の勉強法だったのである。
 育児放棄以外にも虐待はあった。家ではたまに帰ってくる母親に叩かれ、学校ではしょっちゅうクラスメイトに殴られた。何日も風呂に入っていないから、虐めの対象になったんだ。
 母親が光熱費を支払っていないのでインフラは全て止まっており、何日も同じ服を着るしかなかった。また、運悪く担任の先生に児童虐待の理解がなく、「お風呂はちゃんと入りなさいね」としか言われなかった。だから、児童相談所へ通報されたことはない。
 そういった度重なる虐待に耐えかね、私は成人してから家を出て、ホームレスになった。家にいるよりは、浮浪者になる方がよっぽど幸せだった。
 それから、NPO法人や福祉課の人達に助けられ、就労移行支援事業所を利用することになった。
 就労移行支援は、障害などを抱えた人が就職に向けて訓練と勉強をする施設だ。
 私は、親元を離れてから複雑性PTSDと診断され、虐待の後遺症が残っていることがわかった。この障害を持つ人は側頭葉が萎縮し、海馬が変形する場合もあるという。
 海馬とは、記憶を司る部分だ。私もその影響を受けているのか、記憶喪失がある。小学生のころから、昨日あった出来事も覚えていなかったり、数分前までしていた会話の記憶も無かったりするなど、社会生活を歩む上で問題があった。なので、昔から記憶力に問題がある自覚はあり、日記をつける習慣ができた。
 幸い、日記を書く宿題があったおかげで、日記帳は学校から支給された。好きなだけいっぱい書けたのが、心の底から楽しかった。図書室に入り浸って本を読み、文体を真似しながら、自分なりの書き方を作り上げていく。それが私の勉強法だった。このおかげか、文章力が鍛えられ、執筆が大好きな子どもになった。
 日記からブログへと姿を変えるも、書く習慣は続いている。そして、私はこれを仕事にしたいと思うようになった。

 それが、ジャーナリストだ。
 私は自らの経験から、児童虐待や子どもの貧困、ヤングケアラーといった問題に関心がある。
 私は、自分と同じような経験をしている子どもたちを救いたい。そのために勉強している。
 時事問題への理解を深めるため、ニュース検定の勉強中だ。これの2級や1級を取得すれば、新聞社などの面接時に優遇される。だが、まずは自分の現在地を知るため、準2級から勉強をはじめた。

 ポモドーロ・テクニックなど、様々な勉強法がある。しかし私は、とにかく勉強しまくるやり方が好きだ。
 朝、歯磨きを終えたら勉強。寝食を忘れて、がむしゃらに勉強。疲れて座っていられない時もあるけど、そういう時は横になりながらYouTubeを観る。だが、決してバラエティは見ない。報道番組などのチャンネルを視聴することで、時事問題のeラーニング代わり。そのまま寝落ちするのが、いつもの勉強法だ。
 学ぶって、楽しい。心の底からそう思う。私は大人になってから、勉強の楽しさを学んだ。
 私は義務教育をちゃんと受けてこられなかった分、人より何倍も勉強して、遅れを取り戻す必要がある。
 たくさんの物事を学び、虐待で苦しむ子どもを救いたい。

  「ペンは剣よりも強し」
 イギリスの作家・政治家のリットンが残した格言。
 ペンを握れなかった少年が今、ペンを握っている。私は言葉の力を使い、児童虐待の根絶と向き合う。
 言論は暴力に勝る。そう信じて、今日も勉強する。

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