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正しさなんて、ただの多数決 『悪魔とのおしゃべり』を読みました


概要

世界にある「ありきたりな教え」や「道徳的な成功法則」に飽ききっていた主人公・みつろうの目の前に、突如おしゃべりな悪魔が現れた!

「“善い行い”をし続けて、幸せになれた奴はいるか?」

この問いに何も言い返せないまま悪魔とともに「正しさを疑う旅」に出た青年。しかし向かった先は、地獄ではなく天国だった。

これまでの価値観や概念がガラガラと崩れ落ちる先に待っている、新しい世界とは?

「悪魔のささやき」が貴方の人生を超魔速で変える! シリーズ累計28万部突破の伝説の書、待望の文庫化。

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読書感想文

みんな「我慢」して

「頑張って」

いるけど、

幸せそうには

見えない。

理由は、簡単さ。

まちがって

いるからだ!

親や、学校や、

道徳の教えのほうが、

まちがっていたのさ。 でも安心するがいい。 我が悪の軍団は、 向こうの勢力よりも、

①より確実に

②よりスピーディーに

③より簡単に

貴様らの願望を満たす方法を 知っている

同P13

 とても刺激的な内容でした。
 不倫の報道をみんなが寄ってたかって叩くのは、「本当は自分もしたいのに我慢してやってないことを、いとも簡単にやってのけた奴がムカつくから」だと解説されていました。
 確かにそうかもしれない。とても面白い主張でした。

正しさを、疑え!

苦しみが生まれるのは、「正しい教え」のせいなのさ。
猫は店先に並ぶ魚を奪って食べるが、そのことに罪悪感を覚えない。これは、万引きは「悪いことだ」と猫に先に教えた者がいないからだ。
分かるか?
先に、「正しい教え」がある。そして抱え込んだその「正しさ」のせいで貴様ら人間は苦しんでいる

同P30

 本質的。凄く深い内容です。
 善悪二元論に囚われているから、「これはダメだ!」、「こうあるべきだ!」などという思い込みや決めつけに縛られ、自らを苦しめます。
 正義も行き過ぎると、例えば「外を歩くとアリを踏むかもしれない」とか「食べることは命を奪うことだ」なんて考えて、部屋で餓死するしかなくなります。
 私たちは時に、悪の教えを学ぶ必要があるということです。

相手に期待しているから、怒る

どんなケースにおいても、「怒り」が発生しているのなら、その相手へ先に期待している

同P56

 例えば、子供がオモチャを買ってもらえなくて駄々をこねるのは、「親はオモチャを買ってくれる」と期待しているからです。
 因みに私は、毒親育ちで親に期待していなかったので、オモチャを買ってもらえると期待していなかったです。だから怒りませんでした。
 他人への期待をやめることで、怒らずに済むかもしれません。

怒る奴ってのはだいたいダサイ奴じゃん

同P98

願いを叶えるためには、「その願いが叶っていない状態」が絶対に必要

「有名になりたい」と願う人の前では、
【有名になりたい】がちゃんと叶っている。

同P108

 深いね。有名になる為には無名を経験しなきゃいけない。幸福になりたいなら、不幸を経験しなきゃいけない。
 あまり多くのことを願わずに、「今のままで充分幸せだ」と、足るを知る姿勢が大切だ。

身体は、神殿

レゲエでは、人間の「身体」のことを神殿だと考えます。
日本で言えば、神社です。
神殿である身体の中に、「何者か」に入ってもらうという思想なんです。
だからこそ、「身体」は絶対に汚してはいけない。

同P125

 アメリカのジャンクフードや、ストロングチューハイなどの下品なものは、体を汚すので口にしてはいけません。
 小麦粉なんてもってのほかです。
 それに対し、大麻を良しとしています。
 元々日本では、神社のしめ縄に使われるくらい、神聖な植物でした。今でも麻の服はありますし、七味にも含まれていますね。
 衣服に食べ物、燃料など、とても万能な植物だったんです。
 日本の歴史に根強く残っていた大麻の文化を、悪としてぶち壊したのが、GHQですね。石油が儲からなくなるので困るからだと考えられています。
 大麻は神聖で万能な植物です。解禁しても良いのかもしれません。

 そんな話はさておき、この体を神様からの贈り物と捉えると、大切に扱おうと思えるのではないでしょうか。
 口にするものや身につけるものも、本当に必要で大切か、考えるようになります。

#腸活
#脳腸相関

何かを失くしたら、不幸になる

仕事が失くなったら、
家が失くなったら、
友達を失ったら、
この身体が失くなったら。
常に、「何かを失くしたら、不幸になる」という思いに怯えている。
でも真実はね。
手に入れた全てが、手に入れるまでは、手に入ってなかった。
それだけのことだ。

同P177

 何か物を得ることで幸せだと思っている節がある。それは大量消費社会で生きる凡人の思い込みでしかない。
 実は、物を得なくても幸せな人は沢山いる。むしろ、物が増えたことで不幸になる人すらいる。
 あなたは、本当に物が必要だろうか?
 無くても幸せになれる道があるのではないか?
 
物質に地位や名誉も、得た物は何もかも全て、最後には失う。それが人生の最期さ。

「所有」という概念が崩壊した

2つのリンゴがテーブルに並んでいる。
右側のリンゴが、左側のリンゴを「所有」することなど、できるのか?

同P210

 この本によれば、ネイティブ・アメリカンに「所有」という概念は無かった。だから、コロンブスたちが来て、土地の所有権を主張しだしても、最後まで本当に理解できなかった。

 ここからちょっと倫理的な問題になる。
 私は思った。例えば、妻や夫を所有物かの如く捉えている人っている。
 「不倫した」と言うと、袋叩きに遭う。しかし、本当は、恋人という関係を同時に1人以上築いたっていいはずなのに、「この女は俺のものだから渡さない」みたいなやり取りがなされたりする。ちゃんちゃらおかしい。
 実は、恋人って沢山いてもいい。これは所有の話でもあるけど、先ほど出たような、思い込みや決めつけのくだりとも繋がる。

 所有という概念さえなければ、支配も起きない

 子育てをした人なら分かると思う。1歳か2歳くらいまでは、所有物という概念が無い。
 公園や児童館で、他の子が持っているオモチャを取ろうとする。相手の子も小さい子であれば何とも思わず、他のオモチャで気にせず遊びだす。
 3歳位になると、親から所有の概念を教え込まれ、「これは自分の物だ」と主張する。それによって、「盗られた!」と怒ったりする。しかし、本当は、誰の物でもない。

「生きる」ということは、誰かへ迷惑をかけること

「自分が悪いことをしている」と気づいていないだけだ。
どんな善い行いも、同じ量の悪さを含んでいるのだから

同P465

 この本は深い言葉が多いですね。
 人間万事塞翁が馬。この世界に良いも悪いもないです。勝ちや負けとか一切ない。そんなことを勝手に決める人たちがいるだけです。
 特に善悪なんて主観です。
 人を愛することは良しとされているのに、沢山の人を愛することは悪とされているのは、とてもおかしな話です。大勢の人に愛を振りまくのは、平和への第一歩です。

 恋人をいっぱい作りましょう。

全てがある場所には、何もない

「-30」と「+30」がある場所は「0」だ。
ところが、「0」には「何もない」わけじゃない。
そこには、「-30」と「+30」がちゃんと含まれている。
「無」はないように見えて、全てを含んでいる

同P507

 この本って、めちゃくちゃ凄い本。

この物語も、この世も、あなたのただの勘違いです

同P534



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