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裁判の傍聴に行ってみた
東京地方裁判所に行ってきました。以下がそのレポートです。
土地通行権不存在確認等請求控訴事件
これが初めての傍聴です。
既に何回か裁判が行われている様子で、話の流れを完全に把握できたわけではありません。
土地通行権は初耳だったので、ググってみました。
通行権とは、居住する住宅や利用する建物と公道との間に他人の土地がある場合、その所有者から通路部分の土地を借りたり、または通行できるという契約を結んで生じる権利のこと。
私道を通行していい権利が認められるかどうか、という裁判だと解釈しました。
まずは検索側の意見が発表されました。「あの〜」「えっと〜」を連呼しているのが印象的でした。
裁判というと、映画やドラマでは、検察と弁護士による熾烈な議論が交わされる場だと思っていました。でも、実際は検察も弁護士も緊迫感のない雰囲気でした。
「登記が間違っている」という主張を検察はしていました。それに対して裁判官が叱っていました。
「具体的にどこの何について話しているのが分かりません。令和3年からの裁判なので、もっとちゃんと調べなかったんですか? 電話かけたのに折り返さないじゃないですか」
「それに関しては、え〜っと、すみません」
「主張の根拠となる証拠を用意できていません。これでは話になりません」
裁判官がそう言って次の日時を設定し、それまでに調査して証拠を集めるようにと叱っていました。
覚醒剤取締法違反
五反田の路上で覚醒剤を売った罪の裁判です。組織的犯罪なのか、被告は3人居ました。1人につき2人の警察が左右をふさいでいます。
警察は裁判が終わるまでずっと自分の膝を眺めていたり、被告はあくびをしていました。
2人は罪を認めましたが、1人は「覚醒剤とは知らなかった」と主張していました。
ググッてみると、「覚醒剤とは知らなかった」と主張することで、故意ではないから無罪を勝ち取れると思っている人もいるようです。ですが、今回の裁判だと仲間がいるみたいですので、「本当に知らなかったんですか?」となりそうですね。
「本当は知っていた」という証拠を検察側が押さえれば、有罪になるでしょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反
暴力的不良行為と名前にあるので、喧嘩かなにかかと思ったら、痴漢の裁判でした。
埼京線の電車内にて、女性の股間を着衣の上から触った罪でした。被告と弁護士は無罪を主張していましたが、罰金30万円の有罪判決でした。
手に女性が着ていた衣類の繊維が残っていないなどのことから、弁護士は「物的証拠が無いので無罪」という言い分でした。しかし、裁判官によると、被告の発言には矛盾があるとのことでした。
犯行が起きたとされる時刻、被告はスマホゲームをしていたと主張しているが、女性に右手を掴まれた時、その手にはスマホを持っていなかった。また、「痴漢ですか。やめてください」と女性に言われ、後になって「ごめんなさい」と謝っていたことなどから、被告の矛盾が指摘され、被害女性の言い分は信用に値すると判断されていました。
被告はスーツを着て、真面目な様子でした。裁判の間、彼は一言も発していないと記憶しています。
「痴漢は証拠もなしに有罪になるから冤罪の危険がある」といった意見をネットニュースなどで散見します。
本当に冤罪の人もいるんでしょうが、今回の裁判に限っては、被告の発言が矛盾しているので、有罪なのは納得しました。
こういったことは、実際に見聞きしてこそ学べることだと思うので、今回の傍聴は良い社会勉強になりました。
皆さんも、ぜひ裁判を傍聴してみてください。