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糖質制限ではなく、カロリー制限を推す理由
※この記事はpodcast番組「薬トレラボ」の文字起こしを編集した記事です。
--今日のテーマは何でしょうか?
今日は
「カロリーダイエットの素晴らしさ」です。
これはリバウンドしたことがある人や、
ダイエットはリバウンドするものと思ってる方に是非読んでいただきたい内容です。
このカロリーダイエットの概念を理解すれば、リバウンドしてしまう理由も考察できると思います。それでは早速、今日の目次です。
カロリーダイエットとは?
ダイエットにもいっぱい種類があって、カロリーダイエットはそのうちの一つです。他には糖質制限や脂質制限があります。
最近ではケトジェニックという言葉をよく耳にしますが、あれは糖質制限の一種で、極端に糖質を抑える糖質制限のことだと思っていいです。
ではカロリーダイエットはどんなものなのかというと、カロリーだけに着目したダイエットのことです。要するに糖質、脂質を何gまでに抑える等の制限はなく、摂取カロリーだけ制限するダイエットのことです。
そもそも痩せる仕組みはシンプルで、
摂取カロリーが消費カロリーを下回れば理論上痩せます。逆に上回れば太るということです。
糖質制限や脂質制限で痩せるのは、その制限によって結果として摂取カロリーが消費カロリー以下に収まるケースが多いからです。
いくら糖質、脂質を制限しても他のものを爆食いしてカロリーオーバーすると普通に太ります。カラダとはそういうものです。
−−では、そもそもなぜ糖質制限や脂質制限というダイエットがあるんですか?
一般的なダイエットや、コンテストに出てる人で体脂肪率7%(女性は15%)くらいの人までは普通にカロリーダイエットをやっています。
それよりもさらに絞る人達はマクロと言って、三大栄養素の組成はやっぱり大事になってくるので、糖質、脂質、タンパク質をコントロールするために糖質制限、脂質制限があります。
また後述しますが一般向けの糖質・脂質制限は管理する数値はカロリーダイエットに比べるとシンプルになるのでそういった面でも広まっていると思います。
−−そういう背景なんですね。私(質問者)もマラソンランナーなので体重管理はしていて、調整期は基礎代謝よりも少し上ぐらいのカロリーを基準値として、それを超えるか超えないかぐらいで食べるようにはしてますが、知らないうちにカロリーダイエットをしていたということですね笑
まさにカロリーダイエットですね。
でもなぜこのカロリーダイエットが一般的に知られてなかったり、フォーカスされてないかというと、糖質制限や脂質制限の方がやりやすかったり、後で詳しく言いますが、デメリットもあるからです。
糖質制限や脂質制限の方が一般的な人向けという立ち位置だと思います。
しかし先程も言ったようにダイエットの本質はカロリーダイエットなので、糖質や脂質のみ管理するダイエットよりも確実で、多少きつくてもこれができたらもう怖いものもないし、本質を理解することで今後いつでもコントロールできるようになるので、リバウンドしにくくなります。
カロリーダイエットのメリット・デメリット
−−そんなカロリーダイエットのメリット・デメリットを教えてください。
メリットはさっきも言ったように、痩せる、維持するの本質がエネルギー収支なので、内容の組成は関係なく痩せたり、コントロールできることだと思います。基礎代謝(座って何もしてない状態で消費する1日のエネルギー)と運動消費(身体活動における消費エネルギー)の総和をメンテナンスカロリーと呼びますが、そのメンテナンスカロリーよりも摂取カロリー(食事で摂取するエネルギー)がマイナスだったら痩せるし プラスだった太ります。
なので例えば、トンカツを食べてもカロリー収支がマイナスなら痩せるんですよ。太る食材の代表格のように言われてますが、カロリーをコントロールできれば痩せます。
--逆に、タンパク質やヘルシーな野菜でも大量に食べ過ぎたら太ると。
そう言うことです。
なのでそれをよく捉えると、ダイエット中でも好きなものを食べてても大丈夫だと言うことです。総カロリーさえ守ればいいので。
糖質制限や脂質制限となると食べられないものが結構あります。
油を使った食事や炭水化物が食べれないと、高タンパクなものに偏ってきます。でもタンパク質っていっぱい食べれないんです。案外すぐにお腹いっぱいになります。なので食事のレパートリーが少なく満足度が低くなる傾向がありますが、ケーキとか食べつつも痩せれるのがカロリーダイエットの大きなメリットだと思います。
--では、カロリーダイエットのデメリットを教えてください。
カロリーダイエットは数字の管理が難しいことがデメリットだと思います。摂取カロリーを把握する必要があるので食事を数字に変換する必要があります。これは慣れるまでに時間がかかるし、やっぱり難しいんですよ。
慣れてくると、変な話、食べ物が数字で見えてくるんですね笑
ケーキが目の前に来ると500kcalみたいに。ケーキに見えないんです。
--それは特殊能力じゃないですか!ドラゴンボールでいうスカウターみたい笑
まさにスカウターみたいに数字が分かる!
でも、そんな感じで数字に見えてくるまでの訓練、これがかなり大変です。
食べようとするものが何kcalなのかなっていうのを毎回確認しなきゃいけないのが結構大変。それがデメリットです。
自炊するとなると食材のレベルからカロリー化できないといけないし、お肉や野菜を調味料で炒めたらさらに訳わかんなくなります。
--確かにコンビニで弁当を買うとかってなると、答えを書いてくれてるので分かりやすいけど、自炊は大変ですね。。西極さんレベルになるとどんなものでもカロリー化できるんですか?
自分で作るものならかなりの精度でカロリー化はできますし、カロリー化しやすいように同じようなものを食べたりしてます。これ、特殊に聞こえるかもしれませんが、みなさんも食べるものを思い返すと、大体毎日似たようなものを食べていると思います。人は無意識に同じ習慣を辿るので。朝は大体パンもしくはご飯に卵料理、昼もいつも行くコンビニやお店は結局偏り、夜だけは違うみたいな。だから全部の食材や調味料のカロリーを把握しておく必要はなくて、自分がよく食べる食材のカロリーを把握することがポイントだと思います。
ただ例えば人に作ってもらった料理や、外食でカロリー表記がないものを食べるときはおおよその計算になってしまいます。でもこれに関しても繰り返すことで大体当てられるようになっていきます。
どう判断するかというと、その食事の1週間後とかに体がどうなってるかをみます。増量してたら低めに見積もってしまった。逆に痩せていたら案外大幅に外してたみたいに。
でも今は定食屋さんでもカロリー記載されているところも多いし、マックでも吉野家でも全部書いてくれてますよね。
だからカロリーダイエットがしやすい環境なのでぜひ挑戦してみてほしいです。どこかもうテスト勉強みたいな感覚かもしれませんが、このスキルを手に入れさえすれば、一生自由自在に使えます。
太りだしても太った理由が明確に分かります。
あとはやはり若干ストレスが溜まります。
食べたくても、数字上これ以上は食べれないとか、これ食べたいと思って数字見たら結局食べれないカロリーだったり、、そういうのはデメリットだと思います。
リバウンドする理由
世の中の人がリバウンドしてしまうのは、カロリーっていう概念がまずないからです。だから太った理由も当然わからない。
カロリーという具体的な管理ができないと、自分の食べたものとその量で太るのか痩せるのかがわかりません。で、この現代は飽食の時代です。簡単に美味しくハイカロリーな食事が手に入る。要するに普通に生きてしまうと太るんです。もちろん付き合いの食事もありますし。カロリーの概念がないと太ってしまうのは時代のせいでもありますね。
カロリー概念があれば、夜に付き合いで食べる予定があるなら朝昼で摂取をかなり控えておけば夜にかなりの量を食べられます。
例えば1500kcal食べていい人であれば、夜1000kcal食べたいから朝昼500kcalで抑えるとか。
--例えば、夜に予定があるから早めに出勤して早上がりするみたいな感覚や、お金を貯めて買いたいものを買うみたいな感覚でダイエットもできるってことですね笑
うんそうです。時間の使い方とか貯金とかにも似ているかもしれませんね。
糖質はダイエットには大事?
最近は「糖質制限」が結構先走っていて、
糖質とると太る、糖質を控えると痩せると思ってる人が多いかもしれません。
しかし大事なので何度も言いますが、糖質以外のものでも総カロリーがオーバーになれば太るし、アンダーになれば痩せるんです。
なんなら、糖質は痩せるためにすごく良い成分なんです。
--痩せるためには糖質?どういう意味ですか?
エネルギー産生、ようするに代謝の知識があれば紐づきますが、代謝を回すガソリンは糖質なんです。だからカロリーを分かって上でダイエットするのであればむしろ必要です。糖質は制限しない方がいいと思います。
カラダを動かすための1番のエネルギー源なので糖質はとても重要だと考えます。
世の中に「低カロリー商品」よりも「低糖質商品」が多い理由
ここからは考察ですが、
最近コンビニやスーパーで「低糖質」という言葉はよく見ますよね。
でも「低カロリー」って書いてある商品ってあんまりないじゃないですか?
--確かに低糖質=売り文句みたいになってますね。ロカボとかも言われるやつ。でも確かに低カロリーという単語は見ないかも。
ここから個人的な意見なので参考程度ですが、
低糖質=低カロリーは必ずしも成り立たない。
低糖質でもカロリーが高ければおいしいと感じやすいのが人間です。
低糖質ってことは、糖質は抑えられていても脂質やタンパク質を増やしていいわけなので結局トータルカロリーは比較的高くても商品としては筋は通っています。そういう商品にあたる可能性もあると考えておいた方がいい。
じゃあ、「低カロリー」作ればいいじゃないかとなる訳ですが、それも難しい。。
カロリーを抑えるってなると、やっぱり作りにくいです。カロリーを抑えてしまうと量がめちゃくちゃ少ないとか、もしくは本当に低カロリーの食材しか使えない。そうなると美味しいから遠のいてしまうんですよね。
だから商品作る側としては低糖質とうたう方が比較的簡単だと思います。
糖尿病の治療も「糖質制限」ではなく「カロリー制限」
最後に医学的なお話しを少しして終わりにしますが、
糖尿病の治療も「糖質制限」ではなく「カロリー制限」なんですね。
生活習慣病の糖尿病の治療には、医学的観点からみてもカロリー制限一択です。カロリー制限は予防医療のキーワードでもあるのでぜひみなさん実践してみてください。また糖尿病とカロリー制限の詳細は今後の記事としても取り上げたいと思います。
--今日は世の中が糖質制限とか脂質制限という言葉が先走っていますが、本質的に見ると、結局はカロリーがダイエットの基本!という回でした。
西極さんは減量期(収録時はコンテスト前でした)で必死にカラダを絞ってますけど、机の上にはね、なぜか”クッキー”が置いてありますもんね笑
そんなの食べていいのかなー?と思っていましたが、今日お話しを聞いて、これがカロリーダイエットを理解しているということなんだなと感じました。
こんな感じで毎週一回、筋肉に関わることや健康まつわる話題について医学的な知見も交えてお話しています。興味のある方はぜひ「薬トレラボ」聞いてください。
今回の記事は以下の回の文字起こしをベースに編集しています。
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