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たまごは1日何個まで?

ーーでは、早速今日の研究レポートは何でしょうか?

「卵が、食べたい!」

ーー。。。。うん、勝手に食べてください。では以上で本日のラジオは終わr

すみませんでした。謎のフリでしたが真面目に行きます。今日はタマゴ🥚についてお話ししたいと思います。

ーータマゴについての回だったんですね。こちら、番組におたよりをいただいているのでまず読みますね。

「卵は1日、何個まで」という話を
よく聞きますが、実際どうなんでしょう
ご意見をお聞かせください!

ラジオネーム:ぐんまさん 20代男性

なるほど多分タマゴいっぱい食べたいんでしょうね、ぐんまさんは。
タマゴは美味しいですからね。

ーー確かに美味しいし、いろんな料理で使うのでとても便利ですが、昔1日1個までにしましょうみたいな情報をどこかで聞いた気がします。実際どうなんでしょうか?


前提として100%全員に当てはまることではないですが、結論としては、
条件はあるが、基本的にあまり気にせず食べていいと思います。

タマゴは1日1個までというような情報は確かにありましたが、あれの元ネタは、確か血管循環器系の学会が発表した論文だったと思います。
循環器というとざっくり血管がキーワードになりますが、タマゴと関連性があるのは主に動脈硬化という血管が硬くなってしまう生活習慣病です。
これは卵黄に含まれているコレステロールが体内に溜まることでリスクが増します。
卵黄にはコレステロールが多く含まれているので1日何個までと言われ出したという背景があります。

ーーたまご=コレステロールはよく聞きますね。

しかしその後、その論文を否定するような研究結果もいくつか出てきて情報が錯綜しているので結局何個なの?という疑問を持たれたんだと思います。

このようにタマゴの制限を促すような研究結果もあれば、それを否定する研究結果もあってそれぞれの実験結果は事実です。だから研究論文から判断するのであれば正直結論ははっきりしません。
しかし、これらの結果を個人的視点で見ると、
一部を除いて特に何個までという制限はないかなって思います。

その理由としては、
食物中から吸収するコレステロール量は約2割なんです。

ーーそうなんですね!体に吸収される量が決まってるってことですか?

そうです。決まっています。
摂りすぎないように一応何か仕組化されてるみたいな感じです。
食物中から2割吸収するということは、残りの8割は体内(肝臓)で合成します。なので、タマゴをはじめとする食物中の悪玉コレステロール(以下LDL)はそこまで考えなくてもいいと思います。
ただやっぱり摂取総量が多ければそのうちの2割は吸収されてしまうので食べ過ぎは注意ですね。

でもここからが重要。
たまごを恐れるよりももっと恐るべきことがあります。

ーーえ、なんか怖いですね。いきなり。

さっき言ったように、体内でのコレステロール合成が8割を占めるので
その8割を除いた方が卵の制限よりも確実に疾患循環器系の疾患も抑えられるんですね。

たしかにいくら食物中のコレステロールはほとんど関係ないと言っても健康診断等でLDLの数値が高い人は卵を何個も食べ過ぎない方がいいでしょう。
それは前提として、本質は体内でのコレステロール合成を抑えなければならない。
ではその体内から生成されるコレステロールの元とは何か?

それは脂質です。

ここ紛らわしいですが、食物中にコレステロールそのものが含まれる場合、それは2割のみ吸収されると言いました。一方で体内で合成されるコレステロールの元になるのは食物中の脂質です。コレステロールそのものと脂質は違うものなのでごっちゃにならないように注意してください。

よって結論として、LDLを抑えるには、脂質が多く含まれる高脂肪食を控える必要があります。

ーーそうか。食物中のコレステロールを恐れるよりも食物中の脂質を恐れろということですね。

そういうことです。
ただ今日の主役のタマゴさん。
これ実は脂質も高いんですよ。なので結局、卵は何個でも食べていいけど、高脂肪食を抑えろって言うのであれば、卵は一応、高脂肪食にもなり得るので卵の中のコレステロールはそこまで考えなくてもいいけど、卵自体の脂質は頭に入れておく必要はあると思います。

ーーそうであれば、トータルするとタマゴは1日何個って決まりはないけど、食べ過ぎになると高脂肪食になり得るので多少は気を付ける必要がある。食物から摂る脂質の量を管理した上であれば、制限はないよっていう感じですかね?

そうです。
例えば卵は1個あたりたしか脂質が5gぐらい。
なので例えば1日30gしか脂質を取れませんっていうトレーニーなら、タマゴだけで6個まで。(※一般成人だと脂質の摂取量は40~60g程度が目安らしい?)
でもこれはタマゴだけで脂質を摂る前提の数値なので、現実は6個も食べられないですよね。他の脂質の量に合わせてタマゴの量も調整する必要があります。
それらを踏まえて日本人の平均的な脂質摂取量を考えるとタマゴは1個か2個に抑えといた方が無難かもしれません。もし脂質の量を気にしたくないのであればタマゴは1〜2個にしておかないと脂質量がオーバーして結果その余りでLDLが合成されてしまいますからね。

でも管理できるんだったら全然いいですよ。卵ばっかり食べたいっていうのであればちゃんと脂質の量を管理して、その中で収まる個数だったら食べていいですからね。
なので最終的には何個がおすすめとかは言えないし、何が正解とも言えませんが、脂質の量を管理した上でタマゴの量を自由に決めて欲しいなと思います。

ーーなるほど、結構深い話になりましたね。脂質量を管理した上で、自由にタマゴを食べてねという感じですね。

うん、管理は難しいと思うので、自信のない方は1〜2個に抑えておいた方が無難です。
動脈硬化はよく聞く病名ですが、みなさんが思っているよりももっと怖い病気です。即死や、脳の機能障害とかにもなってしまうような病気なので脂質量は気にしてほしいなと思います。というか脂質というよりもカロリーが一番大事なのでまずはカロリーですが。

タマゴは完全栄養食なので筋肉にもいいですが、体にもとても大事な食物です。ビタミンもタンパク質も含まれてるし。なのでこの配信を聴いてタマゴ食べるのやめようとは思わないでください。(むしろタマゴ食べるために他の高脂肪食を控える方がいいかもしれませんね) 

ーーロッキーのようにジョッキで飲むのはダメだけど、適度にタマゴを楽しんでいきたいと思います!

こんな感じで世の中の疑問をラジオでも取り上げたいので、ちょっとでも気になることがあればぜひおたより送ってください!ほんと気軽に送ってくださいね!こちらの記事のコメント欄に書いていただいても結構です。今後もぜひ読みにきてください。ありがとうございました!

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※本記事はPodcast番組「薬トレラボ」の文字起こしを編集しています。ぜひPodcastも聴いてみてください!


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