あと何回のどら焼き
友人の嫁ぎ先のお義父さんは
甘いモノが大層好き。
それはそれは美味しそうに。
好物のどら焼きを食べている姿を見れば
見ているこちら側が笑えて来るほど。
だけれど、高齢になって
甘いモノばかり食べるのは、身体に良くないんじゃないかと、
知人はお義父さんが甘いモノを食べている現場に出くわすと
いい顔をしなかった。できなかった。
いや、いい顔をしないどころか
ついつい
「お義父さん!また!!!」とか
「お義父さん、いけません!!」とか
強い言葉が出ていたんだって。
そうしたら、今日
お義父さんから、「プレゼントだ」って。
なんだろう?って
小さな包みを開けてみたら
文庫本。
山田風太郎の
「あと千回の晩飯」
知人は、敵わないって思ったんだってさ。
だから、どら焼きを買ってきて
「お義父さん、でも、身体に障らないようにしてくださいね」って
渡したら
お義父さん
にやりって笑って、それはそれは美味しそうに。
うふふふふふ。
1本!
お義父さんの勝ち。