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デスクワークの首こり解消に重要な姿勢の話

今回は、デスクワークをしている人に多い症状である「首のこり」について、姿勢の観点から解説していきたいと思います。


デスクワークで生じる首のこりに関しては、ストレッチを行うことも重要ですが、実際はそれだけでは不十分なことが多いです。


そして、デスクワークで起きる首こりの場合、場所によってはストレッチをしても効果がない、もしくは逆効果になるものもあります。


その場所も、姿勢を知ることでわかるようになってきます。


今回の内容をまとめるとこんな感じ

•デスクワークで起こりやすい姿勢の変化

•姿勢の変化によって起こる筋肉の変化

•なぜストレッチが効かないのか?

•デスクワークの首こり解消エクササイズ紹介


デスクワークで起こりやすい姿勢の変化

デスクワークで起こりやすい姿勢の変化は、頭部の前方偏位が特徴的です。

頭部前方偏位


これによって、首の後ろの筋肉が過剰に使用されて首だけでなく、眼精疲労にもつながるという話を以前にもさせていただきました。


ですが実際、頭の位置が変わるだけではなく、背骨や骨盤にも影響を与えます。

また骨盤や背骨の影響も首のこりと関係していることが多いです。


デスクワークの姿勢では、主に胸椎の後弯が増強する姿勢になりやすいです。

パソコンダメな姿勢


胸椎はもともと後弯、つまり丸くなっているのですが、座って作業をする場合、テーブルの高さやパソコン作業などにより、その後弯が強くなる傾向にあります。


また骨盤は長時間座っていることで後傾、つまり後ろに傾く姿勢になりやすくなります。

これらは、背中の筋肉をなるべく使用しないようにするための身体の工夫です。

そのため、個人差はありますが、疲れてくると骨盤は後傾し、胸椎の後弯は増強する傾向にあります。


姿勢による筋肉の変化

胸椎の後弯が増強したり、骨盤が後傾することによって、通常の座位姿勢と比べると一部の筋肉に変化が現れます。


代表的なものが「僧帽筋」が伸張され、「大胸筋」が短縮する状態です。この二つの筋肉は、ついている位置が表裏の関係になっています。

伸張固定.001


僧帽筋は後面についている筋肉のため、胸椎が後弯すると伸張されます。逆に大胸筋は前面についているので、短くなります。


僧帽筋は大きく、首にも付着しているため僧帽筋が伸張されると、背中だけではなく、首の症状も起こすことがあります。


大胸筋は首や背中などにはついていませんが、大胸筋が短くなると、僧帽筋を引っ張るような状態になるため、間接的に首に症状を引き起こす可能性があります。


実は筋肉が硬くなる時は、短くなっている時だけではなく、伸ばされた状態でも硬くなります。


これはゴムなどを引っ張るとイメージしやすいかもしれません。

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そして、筋肉の中には筋肉の状態を感知するセンサーのようなものが入っています。このセンサーは筋肉が伸ばされたことを感知して、筋肉が痛まないように元に戻ろうとする反応を起こします。この時に生じる力みが続くと、筋肉が伸ばされる力と、筋肉が戻ろうとする力で綱引きのような状態になり、筋肉に負担が生じ怠さや痛みを起こす可能性があります。

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この現象は筋肉が引っ張られている状態の方が起こりやすいと予想されます。


そのため以外にも筋肉は引っ張られている方が、「張りや怠さ」を感じやすいとも言えます。


これがデスクワークの姿勢で、肩や首が凝っていると感じてしまうメカニズムになります。


なぜデスクワークからくる首の凝りにはストレッチが効かないのか?

ここまでお伝えしたら、なぜデスクワークからくる首の凝りにはストレッチが効かないのかお分かりかと思います。


それは、デスクワークの姿勢では、すでに首の凝りを感じさせる筋肉は過剰に伸ばされた状態であるからです。


伸ばされて辛くなっている筋肉を、さらに伸ばそうとしているので、それはあまり効果がなさそうとイメージできると思います。


実際には、筋肉は全てが伸ばされて固まっている訳ではなく、筋肉の一部分が過剰に伸ばされている状態の方が経験上多いです。そのためストレッチをかけることで筋肉が緩めば、筋肉の張りが軽減することもあります。


ですが、「伸ばせば良くなる」と思って、負担のかかっている筋肉にさらに負担をかけるということをしてしまうと、症状が悪化してしまう可能性があります。


まずは、伸ばされてしまった筋肉をもとの位置に戻すような運動が効果的ではないかと思います。ストレッチであれば、伸ばされた部分を行うのではなく、縮んでいる筋肉に対して行う方が効果的です。


ですが伸ばす筋肉は、症状が出ている筋肉とも限らないということを知っておいてほしいと思います。


今回の例でいうと、伸ばすべきは「大胸筋」です。

大胸筋が縮んでいるために、僧帽筋が引っ張られている状態になっているため、まずは大胸筋をストレッチして、胸椎の後弯を元の状態に戻していくことで、僧帽筋にかかる負担を減らすことができると思います。


最後にその大胸筋のストレッチ方法を紹介します。

デスクワークの首こり解消ストレッチ紹介

今回は寝て行う方法をお伝えします。


ストレッチの前に、バスタオルをロール上に巻いたものを1つ準備しておいてください。

(ストレッチポールを持っている方はそれでOKです)

タオルロール状


そのバスタオルの上に背骨に合わせるようにしながら乗ります。


そうすることで、胸椎を伸展方向に動かすことができるため、僧帽筋は縮み、大胸筋などの身体の前にある筋肉は伸ばされる状態になります。


そこからさらに手を図のように広げることで、大胸筋をさらに伸ばすことができます。

大胸筋ストレッチ

ポイントは、手のひらを天井に向けるようにすることです。手のひらを上に、受けるようにすることで、腕が外側に捻れるので、より効果的に伸ばすことができます。


もし刺激が強いと感じた場合は、手を広げる前にしばらくタオルの上で、リラックスして胸椎を伸ばすことだけやってみましょう。


それだけでも、僧帽筋が緩んでくるので効果を感じられると思います。



最後に

今回はデスクワークの首こりについて、姿勢の観点から解説、解消方法まで紹介しました。


姿勢の話をすると、「〇〇の姿勢が原因」「不良姿勢」などと姿勢が全ての原因かのような言われ方をしてしまうことがあります。


ですが実際には、どの姿勢にも良い・悪いがあり、一つの姿勢自体が必ず悪いものであるという訳ではありません。


今回のデスクワークで起きる胸椎の後弯増強や骨盤後傾の姿勢は先ほどもお伝えしたように、背中の筋肉をなるべく使用しないようになることが一つの利点で、背中の筋肉が疲労することなく長時間座っていられるという特徴があります。


ただし、この姿勢は筋肉を使用しない反面、背骨の周りの靭帯などに負担をかける姿勢になります。


常に同じ姿勢をすることは、どのような姿勢であっても良い状態とは言えないため、適宜姿勢を変えられる身体の柔軟性や、動ける環境を作っておくことが何より重要なことだと思います。


色々な姿勢の特徴を理解しておくと、自分なりに情報を選べるようになります。


このnote内でも、どんどん姿勢に関する情報を発信していき、みなさんが姿勢に対する正しい知識を持てるようになっていただきたいと思います。






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