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真綿で首を絞める

⚠️この投稿はドラマ「かしましめし」4話のネタバレを含みます。ご注意ください。


『笑うのって、ゆっくりとした自殺みたいやな』「かしましめし」 英治



こんばんは。みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は今日から休みだったので、昨日3時過ぎまで眠れなかったのもあり、夕方まで寝て、その後は昨日放送されたドラマを見ていました。

今期は、少し前にやっていてとても面白かったドラマ「今夜、すきやきだよ」の再放送と、新たに始まったドラマ「かしましめし」を毎週いそいそと見ています。どちらも、美味しそうな料理と心温まる人間関係、心に刺さる人生への問いかけがテーマで、見ていてとても癒されながら色々と考えさせられます。

ドラマ「かしましめし」は、元同級生の自殺をきっかけに集まったアラサーたち3人が紡ぐ物語を、美味しそうな料理を交えて描くお話しですが、そのうちの一人の英治はゲイであり、それゆえにさまざまな苦難に直面しています。4話では、彼の会社の会議で、ゲイのインフルエンサーを会社の広告に採用しようとした英治に対し、何も知らない上司が「この人ってゲイなんでしょ、会社の顔となるものにそんな人を起用するのはちょっと」と言い、英治は何も言えずただ笑って誤魔化しました。このシーンだけでなく、英治は、辛いことがあってもいつも笑って誤魔化すことが多いように見受けられます。そんな英治の

「笑うのって、ゆっくりとした自殺みたいやな」

という台詞が個人的にとても刺さりました。
彼に限らず、私は、困った時、辛い時、返答に窮する時、自分の心とは裏腹に、笑って誤魔化すことが多々あります。私一人が我慢すれば、全て丸く収まる。そう、思っているからです。でも、その偽物の笑顔は、長くは続きません。仮面はいつか必ず剥がれ、自分についた嘘はゆっくりと、でも着実に、自分の首を絞めます。笑顔はゆっくりとした自殺。本当に、その通りだと思います。


私は、今までずっと、自分に嘘をついてきたように思います。本当はあの学校に行きたかった。本当はこんなガリ勉になりたくなかった。本当は辛いって言いたかった。本当は助けてほしかった。本当は…。堰を切って溢れた、自分についてきた嘘への後悔は、いくらしても留まるところを知りません。

でも。

もし、今からでも間に合うなら。まだ、遅くないなら。


私は、自分への後悔を減らしたいと願っています。このまま偽りの笑顔を浮かべ続けていたら、きっと、死ぬ時に、ああ、私の人生は偽物だったのだ、と果てのない後悔と絶望に苛まれると思うからです。
一度身についた習慣はなかなか治りません。きっとこれからも、私は、ことあるごとに咄嗟に偽物の笑顔を浮かべてその場を乗り切ろうとするのでしょう。でも、少しずつ、少しずつ、その回数を減らしていって、その代わりに勇気を出して本音を言ってみようと思います。そして、今際の際の後悔を少しでも減らす努力をしようと思います。その努力が、少しでも、真綿で締められている私の首元を楽にしてくれることを祈って。


暗い話になってしまいましたが、ドラマ「かしましめし」はとても面白いので、今からでもご覧になることをおすすめします。これを読むあなたが、少しでも人生の後悔を減らすことができますように。それではまた明日。

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