教える極意・・・
あえて、「教えない」。
先日、富山県の伝統産業でもある鋳物を作っている「能作」工場を見学してきました。「営業なし、社員教育なしで売り上げを10倍」にした「踊る町工場」としても知られています。また、伝統産業では珍しい、従業員の半数近く、管理職の4割が女性でもあります。
工場で販売されていた本に、能作の<経営方針>が書かれていました。
・もうけを優先しない。「楽しむ」ことを優先する。
・社員教育をしない。教えるのではなく、「自分で気づかせる」。
・営業活動をしない。営業する側ではなく、「営業される側」になる
・同業他社と戦わない。競争ではなく、「共創」する。
特に「教えず、自分で気づかせる」は、学校教育にも通じる事だなと思いました。有田和正先生をはじめとして、授業名人たちがよく「本当に教えたいことこそ、教えない」と言っていることに通じると思いました。
高校サッカーの名監督として知られる大瀧雅良さん(川口能活さん、小野伸二さんら、日本代表選手を数多く育て上げました)。「答えを教えない」が指導信念だったそうです。こんな話をされていました。
教えてもらったものは身につかない。教えて育てていると、いざ勝負という時に、「何か教えて」と頼ってくる。生徒が自分で考えて、自分で見つけた答えだけが、自分のものになるんです。
外から説明され、教えられたことは「ふ~ん」と頭を素通りして、記憶に残りません。自分で「つかみ取った」ものこそ、身になる、自分が変化するということかなと解釈しました。
ただ、教える立場からすると「教えない」ことと、「放置」は違います。次の事は必要だと思います。
・答えではなく、与えられるヒントは準備しておく。
・自分も同じ経験をして、相手が今、どんな段階、状況かが見えている。
(見えていないと、適切なアドバイス、支援ができない)
・言葉ではなく自分自身の姿、態度で示している。
学ぶことは変わること。
変わらなければ、学んだことにならない。
教えてもらうことに慣れ過ぎると、自分で学べなくなるのかもしれません。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです