■足関節背屈制限による問題!
皆さんはお客様に
「足首が硬いですね。」
と伝えたことはありますか?
きっと
・スクワットでしゃがめない。(ダイナミックアライメントが乱れる)
・足首が詰まる。
・ストレッチを通して可動域が低いことを実感する。
これらをきっかけに足関節の硬さに目が行くのではないでしょうか。
そして、何か症状などを訴えたときに、一つの原因として「足首が硬いですね」という発言につながる。
これがパーソナルでは自然な流れなのかなと感じています。
■背屈制限
「足首が硬い」=背屈制限
もちろん底屈制限もあり、制限があれば改善するべき問題ですが、何かと注目されるのは背屈制限です。
(背屈=つま先が自分に向かってくる運動)
では、背屈制限があることで何が問題なのでしょうか。
一度頭の中で考えてみましょう!
はい!!!
いくつ浮かびましたか?
考え出したらキリがないかもしれませんね!
ということで、今回は背屈制限があるとどんな悪影響が出てしまうのかを簡単にまとめていきたいと思います!
1.歩行への影響
人間は2足歩行です。
足部で体を支え、足・膝・股関節が強調して動くことで歩行というものが成立しています。
そのため、足部が機能低下していると歩行にも影響が出てしまうことになります。
では、どの程度の背屈可動域が必要なのでしょうか。
※歩行=背屈可動域 約10 °
上記の可動域がまず歩行には必要とされています。
皆さんは大丈夫ですか?
必要な可動域が不足していると、歩行を通してどのような悪影響が出てしまうのかも確認していきましょう!
①転倒のリスク
可動域が不足していると、いわゆる「べた足」と呼ばれる歩き方になります。ちょっとした段差や落ちているものにつまずいて転倒につながる危険性があります。
②足部への悪影響
背屈制限の代償動作として、下腿内旋・足部外がえしを助長するため、歩行を通して内側縦アーチの低下、偏平足障害へとつながっていきます。
③股関節の機能低下
背屈制限があることで歩幅が狭くなり足部・膝の動きによる歩行となるため、股関節の機能が低下します。
経験上ですが、下腿(ふくらはぎ)の筋が発達している人、股関節前後の筋が硬い人によく当てはまります。
歩行という目線だけでも、これだけの悪影響が背屈制限から生まれてしまいます。
余談ですが、
ランニング=背屈可動域 約30° (スプリントは別)
が必要とされています。
歩行と同様の悪影響が考えられますので、歩行以上の可動域を身に着けていきましょう!
2.障害の発生要因
歩行の箇所でもお伝えしたように、代償動作により
「下腿内旋・足部外がえし」
を助長します。
この代償動作が生じることで、衝撃を吸収するはずのアーチが正しく機能せず、足部の負担が大きくなることになります。
また、筋の伸張ストレスも加わり、様々な障害へつながっていきます。
〇代償動作による代表的な障害
・足底筋膜炎
・シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
・アキレス腱炎(周囲炎)
・鷲足炎などの膝の障害 など
また、背屈制限があることで内がえし捻挫(いわゆる足首の捻挫)の受傷リスクも高くなります。
捻挫が癖という人もいますが、癖になっている原因は背屈制限が原因かもしれません。
スポーツをしている人にとっては避けたい障害ばかり。
痛みに心当たりがある方は、障害を発症する前に、改善するためにも、まずは背屈可動域のチェックをしてみましょう!
3.トレーニングへの影響
パーソナルの中で、一番背屈制限が目につく所ではないでしょうか。
背屈制限があることによってフォームに影響がでしまう代表例がスクワットかと思います。
〇背屈制限によるスクワットへの影響3点
①上体の前傾が大きくなる。
下腿の前傾に制限がかかるため、代償としてより股関節から上体の前傾を作りだそうとする。
②ダイナミックアライメントの乱れ
代償動作となる「下腿内旋・足部外がえし」。
この代償動作が、結果的にスクワットでは膝が内に向いてしまう、いわゆるknee-inにつながってしまいます。
また、足部の荷重位置もより内側に偏ってきてしまいます。
③足趾で咬む
背屈制限があることで、しゃがむ動作時にスムーズな母趾球荷重ができず、足趾の屈曲で足部の安定性を獲得しようとしてしまう。
(ここではスクワット時に足趾で咬むべきかどうかの話はおいておきます。)
もちろん同時に3つがフォームに現れるわけではありませんが、何かしらの代償動作が出てくると予想ができます。
他にもカーフレイズなどの種目にも悪影響が出ると考えられます。
4.むくみの改善
「むくみ」にもいろいろな原因がありますが、運動を通して改善された方が皆さんも経験上多いかと思います!
その中でも、運動をしているのになかなかむくみが取れないというお客様もいませんか?
そのようなお客様は、背屈制限があるお客様が多いと感じています。
まず、むくみを気にしているお客様がいたら皆さんなら何のトレーニングを行いますか?
はい!カーフレイズって言葉がたくさん聞こえてきました!笑
これは下腿の運動を通して筋のポンプ作用(ミルキングアクション)を活用し、血流を心臓に戻すことが目的かと思います。
トレーニングをしていなくても、ウォーキングや歩くことが多い人はむくみにくいと聞くことがあるのも、結果的に下腿の筋を使っているからですね!
では、背屈制限がある場合はどうでしょうか。
・必要な可動域がなく、歩行を通してべた足で歩く。
→筋が正常に収縮しない。
→筋のポンプ作用が有効に働かない。
→むくみやすい。
といった悪循環が生まれます。
どんなにトレーニングや運動をしていても、結果的にポンプ作用が正常に働いていないと、むくみやすい状態が続いてしまいます。
背屈可動域が改善していく中で、むくみが出にくくなったという声をいただいています。
背屈可動域が出たことで、結果的に歩行や他の要素が改善された可能性もありますが、一つの要因として背屈可動域は重要と考えています!
■まとめ
いかがでしたか?
背屈制限があることによる悪影響は、多くの人が考えたことがある要素だと思います!
ただ、
「スクワットのために可動域高めましょう」
ではなく、
「制限があることでこんなデメリットがあって、改善することでこんなメリットがあるんですよ」
と伝えられると、日々のセルフケアにも力を入れてくれるのかなと思います!
ただ、難しいのはここから。
どうやって背屈制限を改善していくのかですね。
ただストレッチをするだけでいいの?
SNSで見かけるようなエクササイズをすることで、本当に改善するの?
そのエクササイズは今の自分に適しているのか?
そして背屈動作は奥が深く、荷重位と非荷重位では少し関節の動きが異なります。
何が違うのか。
そんな内容も取り入れながら、次回は改善方法について書いていきたいと思いますので、気になる方はぜひ次回も読んでくれたらいうれしいです!
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!!
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