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繊細でビビりな長男が挑んだ中学受験の全容③試験前夜と当日の朝
受験前夜のこと。
長男はなかなか寝付けないようだった。ホテルの室内が暑かったせいもあり、ふとんをかぶってはのけるの繰り返し。
それに付き合うワタシは眠くて限界。次男はとっくに寝てしまい、その横で寝れない長男を体育座りで見守り続けること2時間。腰が痛い。
子どもたちだけで寝たいという次男のリクエストにより、ふたりが寝たらとなりの部屋へ移る予定だったのに、よもや緊張で長男が寝つけないとは誤算だった。
11時を過ぎた頃だっただろうか、パパの部屋(となり)なら涼しくて寝れるかもしれないと言い出す長男の言葉に
そうかそうか、じゃあパパと寝るか!
とドアをノックしたら部屋でひとり優雅に映画を観ていたらしい夫氏が顔をだした。
暑くてパパの部屋なら寝れるかもしれないってことなのでよろしく!
あ!映画の続きなんて観ないで即電気消して寝させてね、明日早いんだから。お願いしまーす!
矢継ぎ早に伝言してベットにもぐりこんだ。ああやっと横になれる。
と思ったのもつかの間5分もたたないうちにドアがノックされ
イライラマックスでドアを開けたら長男が
こっちの部屋暖房がついてるから暑いのかもってパパが
と言い出したのでワタクシ
消した消したエアコンなんて何時間も前に消してます!温度同じですから!
よろしく!とパパに三倍速で通達した。
寝させてくれ!!!!頼む!!!
やっと眠れるという気持ちとは裏腹にワタシもぐっすりできずに夢ばかり見て目が覚めてしまう。
明け方、LINEで夫氏に
長男くん寝てる?と聞いたところ
なかなか寝れなかったみたい。今寝てる
とのこと。
ギリギリまで寝かせといて
と送る。
そうこうしているうちに一人ぐっすり寝たのであろう次男くんが目を覚まし
YouTubeでフォートナイト最新情報を見なくては!
嬉々として兄を起こしに隣の部屋へ行こうとうするのを慌てて止めた。
ギリギリまで彼に睡眠を!
結局ワタシのノックで長男が起きてしまい、パパに怒られながら着替えてホテルのビュッフェに向かいましたね。
このホテルの楽しみはなんといってもこのビュッフェ。
昨日のレストランにはところせましと料理が並べられていて、ワタシはしばし受験を忘れた。
ああコーヒーと合わせるならやっぱりパンだけど、ごはんも捨てがたい。
どーしよーと悩むワタシの横で同じく初めてのビュッフェに大興奮の子どもたちと、昨日のバリウムから完全復活した夫氏がもとをとるべく猛然と皿に料理をのせていく。
ごはん
お味噌汁
なめこ
だし巻き玉子にのりにうめぼし
さわらの照り焼きに大根の煮物
クロワッサン
フレンチトースト
マフィン
ベーコンエッグにウインナー
そして新鮮なサラダ各種!
なかでも長男くんが喜んだのはヨーグルトと高原牛乳で
大好物のヨーグルトにブルーベリージャムを合わせて幸せそうに食べていた。
昨日お腹が痛いと言っていたのは忘れているようでホッとしたのだけど
実は本人はお腹が痛くならないように控えめにしていたそう。そんな彼とは対象的に夫氏は
自分はもう昼の分まで食いだめする!と宣言。
皿一杯にサラダを山盛りにして食べていた。たくさんの人が食事をしていたけれど、皿にサラダだけ山盛りにしていたのは彼だけでしたね。
もちろん主食とおかずも別々の皿に山盛り。
そんなこんなでそれぞれ大満足の朝食を終え
いよいよ受験会場である学校に向かう。
ホテルの外はひやりと冷たく、我々の住んでいるところより7度は低い気温を肌で感じる。
前方に見える山は活火山。煙が出ている姿は異国のよう。
生きている山を初めて見た。
車に乗り込みいざ出発、というところで事件は起きた。
よもやよもや。
つづく