憧れの原点
今思い返せば
私は、マセタ子供だった気がする…
読書が好きで、昼休みには図書室に借りに行くのが常だった。
良くも悪くも、想像、妄想力豊かな子だったのは確か…
いつも、頭の中では、お話が巡っていた。
ぽやーっとしているのか、想像しているのか。
ひとり、本を読むのもピアノを弾いているのも好きだったし、男子に混じって野球をしたり、自然を駆けずり回りるのも好きだった。サルビアの蜜を全て吸いまくって、大目玉を食らったこともある。
元気なのも静かなのも、「わたし」。
寝る時間を過ぎると、布団の中で懐中電灯で読書をし、見つかっては怒られるという日々…
それはそれは寝不足になる。寝不足&空想していて、あまり授業を聞いていなかった。
読みたい本と、知っている漢字のギャップが埋まらず、子供にはわからない単語が並ぶ。ちょっと難しい言葉を知ることが、「大人の階段」な気がして、調べることが楽しかった。
向田邦子の本との出会い
そんな中で辞書を引きながら読んだのが、【父の詫び状】である。
出版から2〜3年経った頃だったと思う。
当時の女性は、家にいて家を護る、という専業主婦が多かった。働いているよそのお母さんが、珍しかった。
周りの母親たちとは異なる女性像を見せて(魅せて)くれたのが、彼女のエッセイだった。子供ながら「何かが違ってカッコイイ」と思った事を覚えている。
向田邦子のエッセイを読んで
バーに憧れる…
武者小路実篤の「愛と死」を読んで
恋愛を夢見る…
井上陽水を聴いて
大人の世界を妄想する…
やっぱりマセテいたのか、私は…
そんなこんなで、つい先日、一度は行ってみたかった【bar Radio】へ。
おそらく、30年越しの憧れの場所である。もちろん、昔の神宮前ではないのだが。
今日、行ってみよう、と思ったわけで。
★ネグローニ
(チンザノ、ゴードン47.3%…たぶん)
★マティーニ
お酒もさることながら、このオリーブ。
こんなに美味しいオリーブは食べたことがなかった。硬めの塩漬け。
塩っぽすぎず、燻製のような。
こんなに美味しいものだったの?
次回は、この味について聞いてみたいと思う。
果物に添えてあるクリームチーズは、
燻製ベーコンのような薫り。
マティーニのグラス。1920年製。
絵付けをするために、色ごとに温度を変えて焼き付けているそう。
表から見ても裏から見ても、同じニワトリ…
なんて美しいのだろう。
向田邦子の話を少し教えていただき、
むかしの建物と違うものの
とても素敵な、雰囲気のあるお店だった。
ぜひ、彼女のエッセイを
充分大人になった?今
再度読んでみたいと思う。