ゴジラ-1.0感想 ネタバレ有り
先日、映画「ゴジラ-1.0」を観てきまして、今回はその感想を書く記事となります。内容にガッツリ触れますのでまだ映画を観られてない方でネタバレを避けたい方はここで画面を閉じる事をお勧めします。今はSNSやYouTubeのサムネに平気でネタバレ情報を載せる行為も多くなっていますので、本当にネタバレをくらいたくない場合はそういった場所に出入りしない事が最善策ではありますが、このご時世なかなか難しいですよね。僕はとある動画のサムネで結末に関するあるネタバレをくらいました。映画見た後にサムネを変えるようにコメントを書いてみましたが、投稿者は他のコメントにはハートマークを押していましたが、僕のそれに関しては完全スルー。サムネも変わってません。それで映画評論するチャンネルとかやってるんですよ、ひどい話です。
では、少し行間を空けて感想を書いていきます。
しつこいようですが映画未見の方は画面を閉じてくださいね。
間違っても下にスクロールしないでください、よろしくお願いします。
僕とゴジラ
まず感想を書く前に僕とゴジラとの繋がりを軽く書いておきます。
熱烈と言える程では無いかと思いますが、「ゴジラvsビオランテ」辺りからの作品は外伝的な作品を除いてほぼ見てきている、それなりのファンではあると自負しています。
子どもの頃は「ゴジラvsモスラ」「メカゴジラ」「スペースゴジラ」辺りは金曜ロードショーをVHSで録画して何度も見ましたし、「デストロイア」に関しては一番好きなゴジラ作品でした。
昭和シリーズに関しては「ゴジラの逆襲」や「怪獣総進撃」、「ガイガン」、「メカゴジラ」辺りをレンタルビデオで見ています。1954年の「ゴジラ」は大人になってから見て、最近「−1.0」の予習でHuluで見直しました。
今作はただゴジラ映画というだけでなく戦争映画としての顔も持っていますが、残念ながらそちらに関する造詣は浅いので特攻兵の役割や戦艦や飛行機の種類とかもよくわかりませんでした。
いずれもう一回観に行こうと思っているのでそれまでに同じ監督の「永遠の0」を見たり、解説動画で学んだりして知識を深めようと思っています。
さて、そんなゴジラファンの僕の意見として今回の映画は正に傑作だったと思いますし、今まで見てきた映画の中でも一番好きな作品と言えるかもしれません。
なぜ傑作と思えたのか、その理由をここあら大きく3つに分けてお話しします。因みにあくまで個人の感想ですのでそれを読んでる方に押し付ける意図はありません。
傑作の理由① 人間ドラマが充実
ゴジラ映画って基本、出現したゴジラにどう対処するかが軸になっているのですがそこに関与する人のドラマとか内面とかって描かれる事が少ないように思います。「シン・ゴジラ」はその典型で政府や各分野のスペシャリストが意見を出し合ってゴジラ退治という大仕事に取り組んでいく姿がワクワクするのですけど、一方でそこに流れている空気は無機質というか人間の心が表に出ず感情移入がしづらい所があるかなと。
その点、「-1.0」は神木隆之介さん演じる敷島の葛藤を始め戦後の未来へ歩み始めた日本全体の心情が描かれていて、そこが今までのシリーズといい意味で一銭を画す作品になっていた気がします。
特攻兵としての覚悟が足らず、機体の故障と嘘をつき大戸島に着陸する敷島だったがそこでまだ身体が小さいゴジラの襲撃にあう。整備部の橘に機体の装備でゴジラを攻撃するよう指示されるが恐怖で行動できずその結果、敷島と橘以外の整備隊員が全て亡くなってしまい、これが敷島に大きなトラウマを残してしまう。
ゴジラをよく知ってる我々からすれば銃撃で倒せたかはかなり怪しいと思えますし、攻撃してしまえば当然反撃を受けていたはずなので、あそこで撃てなかった事は結果的に正解だったでしょう。しかし敷島にとっては・・・。
そのトラウマを抱えながらも新たな職場仲間や恋人関係ではないとはいえ典子というパートナー的存在も出来、また日本も復興に向けて歩み少しずつ明るい未来が切り開けていた。
はずだった・・・。
傑作の理由② ゴジラが怖い
そんな希望をこれでもかというぐらいにぶち壊してくれたのが今回のゴジラでした。
その理由について名言されてなかったのが数少ない不満点ですが、ゴジラは人間に対して明確な敵意を持っており、一つ一つの行動に殺意が乗っている感じでそれがめちゃくちゃ怖いんです。大戸島での虐殺や、敷島たちが乗る船を追ってきたり、艦隊に一度海中に沈められても熱線で攻撃してくる執拗さなどゴジラの怖さがかなり際立っていました。
ゴジラは恐怖の象徴とも言われてたりしますがそれが最高の形で表現されていたと感じます。
また素晴らしかったのが放射熱線を吐く時の演出!尻尾がまず発光して背びれがガチャン!ガチャン!!と浮き上がってきて一気に「ゴオー!!」と放つ。そして原爆を落とされたかのような大爆発と辺り一面を巻き込む爆風。熱線そのものよりこの爆風で亡くなった人の方が多いんじゃないかと思えるほどの威力です。
結果、戦争の空襲でも生き残っていて復興も進みかけていた銀座の街が大破しました。
でもこの熱線は連発が出来なくて次の発射までに時間がかかるというのが男心というか特撮好き心をくすぐりますね。
熱線そのものの威力では「シン」には劣りそうですが、個人的に演出としては今作の方が好きです。「シン」は熱線が途中でギャオスの超音波メスかのような細さだったのが気になったんだよな(個人の好みです)。
熱線の演出のカッコ良さやゴジラ自体の怖さ。本当に理想とするゴジラがそこにいました。
傑作の理由③ ハッピーエンド(?)
そんな恐ろしいゴジラを仕留めるために考案されたワダツミ作戦。しかしゴジラに生態に関してわからない事が多すぎるので実際に倒せるかはやってみないとわからず、また作戦自体にも穴が多い。そこで先述の銀座での放射熱線の影響で典子を失った敷島は覚悟を決め、機体に爆弾を積み、特攻兵としてその口内に突撃して確実にゴジラを倒すことを決意する。しかし、そのためには戦闘機を修理した上で爆弾を搭載する整備をしないといけない。でも当然それには周囲は反対する。そこで敷島はワダツミ作戦の仲間には飛行機で誘導をする、という話に留め、飛行機の整備には大戸島で会った橘を召喚し、事情を秘密裏に話し彼に行ってもらう事にする。橘も敷島の覚悟を認めそれを承諾する。
しかし橘は機体に爆弾と同時に、敷島からの要望には無かった非常脱出装置を搭載させ、作戦直前に敷島に「生きろ!」と告げました。敷島のせいで多くの仲間を失ったために彼を憎んでいたはずの橘が、です。
結果、敷島はゴジラの口に突っ込む直前に脱出装置を作動させ、生きることを選びました。ワダツミ作戦自体でのダメージもありゴジラは絶命、敷島たちは勝利を収めました。
また、熱線の影響で死んだと思われていた典子が実は生きていた事が電報にて判明し、彼女が入院する病室で再会しお互い泣き崩れた所で物語は終幕しました。
敷島、そして典子とも死ななかった事にはかなり賛否が分かれているようです。ただ、作品のキャッチフレーズで「生きて抗え」とあるように、どんなにマイナスな状況でも決して命を捨てることを選ばず生き延びる、これが作品としてのテーマなんだと思います。だとしたら少なくとも敷島は死んではいけないんです。死んだら総崩れというか。
典子に関しては「なんで?」と思いましたが、ゴジラを葬り、自分の中での戦争を無事集結させられた敷島へのある種のご褒美、救いとしてこれはあっていいんじゃないかと思います。ただ、僕は見落としてしまったんですが典子の体に謎の黒いアザのようなものがあったらしく、それがゴジラ細胞の一部でそのおかげで助かったんじゃないか、でもその悪い影響が今後出てくるんじゃないか、みたいな考察がなされているようです。ここは2回目観た時に注意を向けてみます。
以前、似たような戦争をテーマにした映画で「私は貝になりたい」を見た事があって、これがバッドエンド、かなりのマイナスで終わるんです。本当に後味が悪かった(駄作という意味ではありません)。
しかし今作は典子の黒いアザや死んだゴジラの細胞の再生など含みはあるものの基本は未来への希望を見せた形で終わってくれて、見終わった後、本当にスッキリした気持ちで映画館を出る事ができました。本当にありがとう!
終わりに
細かいところ言えば先述の通りゴジラの殺意の理由やその正体に関する掘り下げが無かったり、敷島たちが乗る小型船にゴジラがなかなか追いつけなかったり、気になるところはあります。でも、怖いゴジラに対する絶望、でもそこから見る希望、綺麗にまとまっていて、そのぐらい今回の「ゴジラ-1.0」は素晴らしい映画だったし、小学生ぶりぐらいにプログラムも買いました。2回目見るのが今から楽しみです!!
気がついたら今回の記事の文字数は3000文字を軽く超えていました。
長い記事にお付き合いいただきありがとうございました。
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