日本最初のバー、神谷バーに1年間通ってみて。
神谷バーをご存知でしょうか?
近代建築や老舗好きの方なら言うまでもない浅草の名店です。
その歴史は古く、明治初期に神谷傳兵衛(神谷バー創業者)が銘酒店を営んだところから始まって、現在の建物は関東大震災、東京大空襲を乗り越えた大正10年の貴重なもので僕も常日頃から愛でてます。
明治から現代まで浅草を支えている神谷バーに約1年(月2.3回程度)通った記録をまとめました!
まず神谷バーの名物として欠かせないのがデンキブラン。
僕は普段一滴たりともお酒を飲みません。友達と飲みに出掛けても僕は飲む事があまり無いでしょう。
そんな僕が神谷バーに行くとついつい頼んでしまうデンキブラン。アルコール度数も30度と高めです。
意外かな、甘みが強くグイグイと飲めます。またショットグラスなのでこれ一杯で大満足、なんだこれ!思ったより飲めるぞ!?
「酔いの早く発するのはデンキブランの右に出るものいない」
かつて太宰治が人間失格にて綴った言葉が身体中を駆け巡りまして、気づいた時には頭が軽くなり酔い覚ましのお冷とおつまみを放り込んでいました。
これがデンキブランとの出会い。その後来店時は体調や予定と相談してデンキブランまたはデンキブランサワーを必ず飲んでいます。
次は洋食をご紹介したい。
ちなみに神谷バーで洋食を扱いはじめたのは戦後の事。なので味わえる料理に特別古い歴史があるわけでは無いが大正、昭和初期の洋食の特徴をしっかり押さえつつ現代に合うように昇華している気がする。あくまで気がするだけですが……
個人的に神谷バーの看板料理だと思っています。
そのまま食べると薄い衣の中から熱をまとったチーズの味がダイレクトに味わえます。
ケチャップをつけて食べると少しジャンクに感じられるのでおすすめです。
レモンを絞るのが個人的に一番おすすめです。
チーズとレモン、ありそうで無い組み合わせが虜になりました。
カマンベールチーズ揚げは本当におすすめです!
それ以外にもハンバーグ、メンチカツ、サンドウィッチもあるのでメニューには困らないでしょう。
さて、タイトルにもある「1年間通ってみて」ですが僕が感じた事でしかないのですが「大人数で飲み会をしている」雰囲気を感じられました。
多くの方がデンキブラン、生ビールで一杯やる、つまみになる料理を頼んでまたお酒を飲む。
年配の方は浅草近辺にお住まいの常連さんが多く、話しかけてくださります。
大抵はくだらない他愛もない会話ですが、それがなんとも心地よくていつの間にかデンキブランのおかわりなんて事も。
1人で町歩きのついでに来たはずの神谷バーに入ればまるで浅草から歓迎されているような、いやされている!そんな温かい経験が出来ました。
そういえば1人初めて飲んだのも神谷バーだった。でも1人でいる感覚はありませんでした。
お江戸風情、下町風情、そんな景色が残る浅草は誰も1人にしてくれません。
いい町です。
東京都台東区浅草1-1-1 神谷バー