週刊「我がヂレンマ」<12月23日号>

 私が自転車に乗らなくなって一年が過ぎた。
 切っ掛けは昨年11月。いつのまにかパンクし、修理が面倒でそのまま。
 通勤は駅まで徒歩、電車なので平日はいらない。休日はバスと電車でこれもいらない。一年に二度、墓参りに行くが、これも最寄り駅から徒歩15分なのでどうにかなる。
 結果。歩兵の公共交通乗りと化す。
 一向に困らん。事故のリスクと幾らかの維持費。今のところ所有するメリットはほとんどなくなり、師走。
 自動運転が進み、月額いくらで呼び放題の時代が来ることを祈りながら、明日はクリスマス・イヴ。
 一人です。
 チキンと、ケーキを貪るのみ。
 或る意味ホワイトクリスマス(意味深)です。
 それはそうと今週のコンテンツ(毎週おなじ)。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<月曜、ひとり歌会>
 昨日の記事は気に入らないので、
 今日は頑張っていきます。
 やっぱ気張らずいこう。

<メモについての解説と考察>

「ジャック・ケルアック(1922年3月12日‐1969年10月21日)」
 アメリカの小説家・詩人で、ビートニク(ビート・ジェネレーション)を代表する作家の一人。『路上』(オン・ザ・ロード)、『孤独な旅人』などの著作で知られる。
 コロンビア大学を中退、アメリカ放浪生活に入り、作品の大半は、その遍歴を下敷きにしたもの。出生時の名前はジャン=ルイ・ルブリ・ド・ケルアック(Jean Louis Kerouac)とも言われる。
 著作に、
『そしてカバたちはタンクで茹で死に』
『The Town and the City』
『Visions of Cody』
『Maggie Cassidy』
『地下街の人々』
『トリステッサ』
『荒涼天使たち』
『路上』
 などがある。何をきっかけにメモしたかは不明。

「逕庭(けいてい)」
『荘子・逍遥遊』中の「大有逕庭、不近人情焉」より、「逕」は小道、「庭」は屋敷の前の庭。
 意味は、
 大きな隔たり。
 上代人の思想と今人の思想との間には大なる逕庭があって、それはあたかも今日の小児の心理と大人との間に差異があると同じである。(津田左右吉『神代史の研究法』)
 ま、常用単語じゃないないね。うん、使わない。

「ADXフローレンス刑務所」
 アメリカ合衆国コロラド州フレモント郡フローレンス市にある連邦刑務所のひとつ。
「ADX」とは、Administrative Maximum(最高度管理)の略。
 司法省管轄下の連邦刑務所局が管理している。フローレンス連邦複合矯正施設と呼ばれる4カ所の施設のうちの一つであり、「ロッキー山脈のアルカトラズ島」と呼ばれる、アメリカでも警備レベルが最も高い「スーパーマックス」刑務所のひとつ。
 コロラド州の州都であるデンバーからは180キロメートル離れている。1994年の完成以来、脱獄に成功した囚人はいない。
 収容されている受刑者は各地の刑務所で他の受刑者や看守を殺害した者の割合が最も多いが、国内外のテロリスト、マフィアのボスやスパイ行為をした者なども収容されている。

「アレウト族」
 アラスカとカムチャツカの間にあるアリューシャン列島の先住民族である。アリュート族ともいい、自身の名称はウナンガン。
 狩猟、武器の作成、ボートの組み立て、織物はアレウトの伝統的工芸の一つである。
 19世紀の職人は木製のハンティング帽で知られ、その帽子はカラフルなデザインを特色とし、アシカの震毛や羽毛、象牙などが付けられる。アレウトの女性はオットセイやラッコの毛皮、鳥類の皮からパーカーを作り、また何人かはライ麦や藁やビーチグラスを編んで籠を作り上げる。
 江戸時代後期の1783年1月に遭難した「神昌丸」(乗組員・大黒屋光太夫ほか)が、同年7月にアリューシャン列島のアムチトカ島に漂着し、以後、カムチャツカへ向かうまでの4年間を、そこで過ごしている。当時の様子が『北槎聞略(ほくさぶんりゃく)』に記されている。

「ガスライティング(Gaslighting)」
 心理的虐待の一種。被害者に些細な嫌がらせ行為をしたり、故意に誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気、もしくは自身の認識を疑うよう仕向ける手法。例としては、嫌がらせの事実を加害者側が否定してみせるという単純なものから、被害者を当惑させるために奇妙なハプニングを起こして見せるといったものまである。
「ガスライティング」という名は『ガス燈』という演劇(およびそれを映画化したもの)にちなんでいる。現在この用語は、臨床および学術研究論文でも使われている。

「テンペスト(シェイクスピア)」
 英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピア作の戯曲。「テンペスト」は「嵐」を意味し、日本では『あらし』の題名でも上演される。シェイクスピア単独の執筆としては最後の作品と言われる。
【あらすじ】
 ナポリ王アロンゾ―、ミラノ大公アントーニオらを乗せた船が大嵐に遭い難破、一行は絶海の孤島に漂着する。その島には12年前にアントーニオによって大公の地位を追われ追放された兄・プロスペローとその娘・ミランダが魔法と学問を研究して暮らしていた。船を襲った嵐はプロスペローが復讐とため手下の妖精エアリエルに命じて用いた魔法(歌)の力によるものだった。
 
 王の一行と離れ離れになったナポリ王子ファーディナンドは、プロスペローの思惑どおりミランダに出会い、2人は一目で恋に落ちる。プロスペローに課された試練を勝ち抜いたファーディナンドはミランダとの結婚を許される。

 一方、更なる出世を目論むアントーニオはナポリ王の弟を唆して王殺害を計り、また島に棲む怪物キャリバンは漂着したナポリ王の執事と道化師を味方につけプロスペローを殺そうとする。しかし、いずれの計画もエアリエルの力によって未遂に終わる。

 魔法によって錯乱状態となるアロンゾー一行。だが、プロスペローは更なる復讐を思いとどまり、過去の罪を悔い改めさせて赦すことを決意する。和解する一同。王らをナポリに送り、そこで結婚式を執り行うことになる。

 魔法の力を捨てエアリエルを自由の身にしたプロスペローは最後に観客に語りかける。「自分を島にとどめるのもナポリに帰すのも観客の気持ち次第。どうか拍手によっていましめを解き、自由にしてくれ」と。

「蹌踉(そうろう)」
 足元がしっかりせず、よろめくさま。
「――と椅子から立ち上った」
 よろけ。蹌踉(よろ)めく。蹌踉(よろぼ)う。蹌蹌踉踉として及ぶべからず。などとも使用する。
 難読漢字。おそらく常用外。知っていたら博識に思われそう。そんな理由でメモしました。ハイ。

<購入した書籍の紹介>

『失われたスクラップブック』
                          エヴァン・ダーラ
                            木原善彦=訳

空が海を飲み込むこの場所で、私はよろよろと時間の縫い目に向かう。
そこはたどり着けない場所なのだと分かるところまで、
私に近寄らせてほしい。
このゆっくりとした落下、私の進歩は、消失と透明性――不透過性の透明性――に到達するための運動なのだと言って欲しい。

"ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めくポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――"読まれざる傑作"として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!

この処女作は、ジョゼフ・マッケルロイ(『密輸人の聖書』)とトマス・ピンチョン(『V.』)といった野心的デビュー作を思い起こさせるが、エヴァン・ダーラは比較のハードルをさらに、ウィリアム・ギャディスの『認識』の高みにまで引き上げさせる。
                    ――「ワシントン・ポスト」紙

実験的でありながら道徳的、破格だが感動的、ポストヒューマン的だが心底人間的な小説が可能であることをダーラは示した。記念碑的で巧妙、情緒豊かで容赦がないこの作品はすべての読者をとらえてはなさない。
とてつもない偉業だ。
                      ――リチャード・パワーズ

 幻戯書房の海外古典文学の翻訳シリーズ、ルミエール叢書の第44回配本。「作者の正体不明」「読まれざる傑作」という、私の大好物要素満載なので買わなくてはいけないと購入。
 詳しい紹介は「幻戯書房編集部」さんのnoteを参照の事。
 装幀のデザイン、カッコいいっす。

『テーゲベックのきれいな香り』
                              山崎修平

おそるべきデビュー長編小説

〔推薦〕
高橋源一郎(作家)
島田雅彦(作家)
赤坂真理(作家)
黒瀬珂欄(歌人)

西暦2028年。東京。その地で「わたし」は「わたし」を語りだす。

「新しい」があるよ
知らない店に入った。見たことのない品物があった。手にとった。なんかいいな。買って食べた。初めての味。ワクワクする。もしかしたら食べるものじゃないかも。でもいい。それでいい。すっかり忘れていた「新しい」があったから
                       ――高橋源一郎(作家)

絶滅の危機にあった詩人が無敵のゾンビとなり、全身から過剰な詩的ホルモンを分泌しつつ、自発的服従者たちを革命に導く。これは紛れもなく『地球の季節』3.0である。
                        ――島田雅彦(作家)

困った。頭の中に、この小説の人物たちやフレーズたちが住み、勝手に話し、勝手に組み合わさる。これは小説か? そんなことはどうでもいい!
これこそが、小説体験だ!
                        ――赤坂真理(作家)

ある日の街、人々の刻印、増幅するテクスト。空白に向けて記録されゆく意識が、清々しく溶解する。そう、私たちは書き続け、読み続けることで「わたし」に結晶する。様々な形式を自在に横断した〈超小説〉の、誕生。
                        ――黒瀬珂欄(歌人)

 装幀の色合いがドイツ国旗みたいです。男が赤い花をふたつ咲かせた鉢植えを携えて、不的な笑みを浮かべているように見える。
 直感で買いました。
 完全に初めましての作家(詩人)さんです。
 それにしても装幀の色合い、ドイツ国旗すぎる。

『万物理論』
                         グレッグ・イーガン
                             山岸真=訳

東京創元社、創立70周年記念書き下ろしカバー。
装画=「つくみず」

すべての自然法則を包み込む単一の理論、"万物理論"が完成されようとしていた。3人の物理学者がそれぞれの"万物理論"を学会で発表する。しかし正しい理論はそのうちひとつだけ。映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組制作をはじめるが‥‥‥学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。
究極のハードSF。星雲賞受賞作。

「究極のハードSF」この言葉に惹かれて買いました。少々難解なところがあるらしいが、それにめげず読んでいこう。「とりあえずSF買っとけ」の精神で、手にとったやつです。最近「創元SF文庫」多めかも。

『ゴリオ爺さん(光文社・古典新訳文庫)』
                       オノレ・ド・バルザック

出世の野心を抱いてパリで法学を学ぶ貧乏貴族の子弟ラスティニャックは、場末の下宿屋に身を寄せながら、親戚の伝を辿り、なんとか社交界に潜り込む。そこで目にした令夫人は、実は下宿のみすぼらしいゴリオ爺さんの娘だというのだが‥‥‥。フランス文学の大傑作を読みやすい新訳で。

オノレ・ド・バルザック〔1799‐1850〕
 フランスの小説家。トゥール生まれ。8歳からの6年間、寄宿学校に入れられる。17歳で代訴人の事務所に見習いとして入り、パリ大学法学部に通う。
 このころから文学者を志し、20歳のころパリ市内の屋根裏部屋に住んで小説を執筆し始める。人間を観察し、その心理を精密に描きつつ、社会全体をも映し出す長短編小説を次々に生み出し、巨大な作品群によってフランス社会そのものを表す「人間喜劇」を形成していく。
 旺盛な執筆活動の他に、年上の貴婦人たちと数々の浮き名を流したことでも知られる。主な長編に『谷間の百合』『幻滅』『ゴリオ爺さん』など。

「とりあえず古典の名作を読んでおけ」ということで買いました。
 好きですね「光文社・古典新訳文庫」。
 装画の望月通陽さん、装幀の木佐塔一郎さん。
 ホントいい仕事してます。

『偏愛蔵書室』
                              諏訪哲史

人知れぬ書物の森の、
孤高の文学案内

芥川賞作家偏愛の100冊が織り成す陶酔の批評世界

文学の甘く危険な夜の森に、
鋭利な思考の刀で分け入る悦楽
あの伝説の〈文学の魔導書〉、ついに文庫化!

本書は2014年10月、国書刊行会から刊行された単行本を加筆修正の上、
文庫化したものです。

古今東西の名作怪作100冊の魅力・魔力。万巻の書物の毒に惑溺してきた〈小説狂〉作家の眼に、文学は人の思いもよらぬ呪われた自画像を垣間見せる――。かねてより「文体」至上主義を奉じる著者の、特異な文章術指南書にして、郷愁溢れる文学的自叙伝。言語芸術の極北を知るための伝説の奇書、完全版ここに成る。

 諏訪先生の作品は『昏色の都』を所持している。
 なわけで、知る人ぞ知る孤高の天才作家の「文学の魔導書」と来たら買うしかない。
 元々は国書刊行会で出版されたものですが、どんな経緯で河出書房新社で文庫化されたのだろう。そこのところの裏話、知りたいなぁ。

<月曜、ひとり歌会>

「五・七・五・七・七」「季語はいらない(使用可」」という最低限のルールを守り、言葉を研く目的で詠うこの企画。十首も詠うというのに、いつも大体、推敲もあるので大体1時間半しかない。
 なので、非常にスパルタで取り急ぎ言葉を紡ぐほかない。
 他の曜日でも思いついたらメモして、なんて、ずっと考えているが実践した試しがない。忘れてしまう。そんな余裕はない。
 弱音を吐いても仕方がない。
 もう詠おうか。

〇「どうしよう」「そんな暇ない」言った傍から あっちこっちか

〇生魚 切って盛り付けてんこ盛り 下品な見栄え「それでええねん」

〇冬霞 透き通り肺 埋める冷え 足取り軽いあなたの笑顔

〇犬や猫 飼ってどうする 死ぬよそれ そんでまた飼う?何代目まで

〇バタフライそよぐ風下ひらり舞い見失うけどいつか会えるよ

〇もう終わり断ち切る勇気もてなくて絶望希望 満ちる月夜に

〇鼻糞の大物とれてほくそ笑む みんなやってる俺は知ってる

〇刻印だ 幼心に刻まれた 些細な言葉轍となりて

〇エイリアン「あなた」と「わたし」異邦人 見知らぬ土地で 歩く幸福

〇霜柱 踏んで踏みしめ鳴る音ぞ 濡れる靴底 はねる足跡

 一時間弱で十首詠い終わりました。
 早いのか。遅いのか。巧いのか。下手なのか。分からない。知り得ない。 
 良い短歌とは何か。
 分からない。
 何にせよ終わった。
 もうここまで。
 明日から三日連続ショートショートだからネタ考えるよ。
 と、言って、ぶっつけ本番でしょう。
「やっぱり、ちゃんと考えようかな」
「そうしてください。当然ですよ」
「ハイ‥‥‥」










   


 
 
 
 
 
 
 
 


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