書店と酒の狭間で
土曜日は罪な曜日となっている。
noteを書き、風呂に入ると「酒」が待っているのでどうあがいても、やる気が劣化する。
と、いうようなことを毎週のように書いている気がする。酒が深い溝となって週末の夜を穿ち、そこがあんまり楽しいものだからすっかりはまり込んでしまう。宴の香り漂うあの溝に飛び込んでしまいたいとの欲求が、すべてを支配している。由々しき問題であると自覚した上で、とてもじゃないが「酒」を諦めることができない。医者に「断酒してください」とマジレスされたわけでなし、自主規制は無理な相談と言える。
それにもかかわらず、本日は時短勤務であり、明日は文庫用の本棚を買うため(両手が塞がるので)に、書店へ行ってしまった。
自宅から最も近い大型書店である『丸善・津田沼店』へ、総武快速線に乗って瞬く間、JR津田沼駅を降りて南口、徒歩1分で到着する。欲しい本は大体決まっていたので、最初の二冊はあっさりカゴにいれた。
しかし、あと三冊は買おうと、あーれでもない、こーれでもないと脳が煮詰まり、レバーのパテになる勢いで選書していった。
途中、文学好きの若者二人組の仲睦まじい姿を横目に見やり、「羨ましい」のと同時に「別にいらない」との厭世的な感傷が通り過ぎた。
その他、しゃがみ込んで読んでいる莫迦、検索中の画面が中々終わらない検索機、子ども英会話教室から聞こえる伸びやかな子供たちの声などを潜り抜けて、レジへと向かった私。5円のポリ袋を買い、背表紙が下になるように入れ直して、6年使っている革製のバッグにしまって、店を出た。
「えええええええええええ⁉ いやいやいやいやいや‥‥‥」
暗い。
午後5時30分。
時間が2時間弱、溶解して排水溝に消えてしまった。
阿呆か。
嘘だろ。
そんな莫迦な。
仕方なく、訳もなく混雑した総武快速線に乗り込み、「そんな時間、悩んでいたのか」と少し落ち込み、「早く帰らなくては」と思い直す。
早歩きでスーパーマーケット、もう「エイヤ」と鶏モモの唐揚げをカゴに次々と買い占める勢いで放りこみ、レジ、バス、帰宅である。怒濤の勢いで購入した書籍(詳しい内容は月曜の『週刊 我がヂレンマ』)を本棚に配置し、シャワーを浴び、風呂を焚く。
そして、
書店と酒の狭間に辿り着く。
風呂に入り、やる気がほぼ消え去る。鶏の唐揚げに七味唐辛子をフリ、既に電子レンジにある。
酒と食に対する欲求が臨界点に達し、テレビの池上彰の言っていることなど耳に入ってこない。
こうして、毎週のように同じようなことを書いているが、そろそろ解決策を導きださねばならない。これは完全に気の持ちようであるから、精神集中の方法を発見するしかないだろう。
つまり「酒」を限定的に忘れる。
テーマに集中する。
土曜日に向けて是が非でも書きたいテーマを決定しておく。酒以上の目的を設定することで、惑わされずに集中できるのではないか。
いや。
てやんでえ、ばーろー、ちくしょう‥‥‥、
こちとら下総っ子よ。
書店と酒の狭間で煉獄を味わったぐらいで、「事前に考えておく」なんて優等生じみたマネなんてできるかい!
面倒くさい!
たとえ酒で頭がいっぱいとしても、その傍らで、余裕でスラスラと書けるようになればいいのさ。
それぐらいの「物書きの腕力」を身に付けなくては。やる気のなさをものともしない、疾風怒濤&迅雷でパソコンの画面を駆け抜けるのだ。
最早、精神論に頼る他ない。
それは開き直りであると自覚し、素直にネタのストックを持つ努力をしよう。せっかくしている愛用リングノートのメモをフル活用するとか、もっと生産性の高い思考をスパークさせよう。
そしてもう文字数が達した。
丁度、テレビでビールCМがやっている。
これは酒を飲めということだろう。
神の啓示。
素直に「公開に進む」とする。