週刊「我がヂレンマ」<2月17日号>
まだまだ寒さが続くと震えていたら、春がそこまで来ている。
しかしお花見に行くことはなく、「あぁ、咲いてるね」と季節を通りすぎていく。それよりも「もうすぐ固定資産税の支払いだ」とテンションが下がるだけである。父親が死んで10年以上払い続けてきたが、そのせいで四月は憂鬱な季節。早くそれぐらい気にせず暮らせる身分になりたい。
税金に負けてる場合ではない。
税金を利用し反骨精神を呼び起こし、目に炎をたぎらせ、光の速さで駆け抜けていきたい。
春は阿呆が発生する季節。停滞するくらいなら、ド阿呆になり狂喜乱舞し、どう足掻いても「希望」な日々を送りたいです。
さて、今週のコンテンツ(毎週おなじ)。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<月曜、ひとり歌会>
前置きはやめてもう書こう。
時間などないのだ。
<メモについての解説と考察>
「『死せる魂』/ゴーゴリ」
1872年に出版されたニコライ・ゴーゴリの長編小説である。彼は叙事詩、ロシア版のダンテ『神曲』を作り出すつもりだった。しかし、アレクサンドル・プーシキンの死が伝えられるとショックを受けて何も書けなくなり、イタリアに移ってから少しづつ執筆を再開した。1841年に第1部が完成するが、モスクワでは検閲に通らず、翌年サンクトペテルブルクで出版された。本来は第2部も書かれたが、最晩年になってゴーゴリが暖炉に投げ込んでしまったので、ほとんど残っていない。
【あらすじ】
アレクサンドル2世の時に農奴解放令が出されたが、その前まで地主は次の国勢調査まで死亡した農奴の人頭税も支払わなければならなかった。彼らは何とかしてその税を逃れる方法を探していた。そこに注目したチチコフは、死亡した農奴の名義を買い集めて書類を捏造し、中央政府から金を騙し取ろうと計画を練る。それを実現するためにチチコフは、広大なロシア全土を旅して歩き、至る所で一癖二癖持っている人々と出会う。
「イタロ・カルヴィーノ(1923年10月15日‐1985年9月19日)」
イタリアの小説家、SF作家、幻想文学作家、児童文学作家、文学者、評論家。20世紀イタリアの国民的作家とされ、多彩な作風で「文学の魔術師」とも呼ばれる。
キューバのハバナ近くの村サンチャゴ・デ・ラス・ベガスで農学者で農業試験場の所長をしていた父マリオ・カルヴィーノと植物学者の母エヴァリーナ・マメーリの間に生まれる。
2歳の時にイタリアに戻り、20歳までサンレーモで過ごす。
1941年にトリノ大学農学部に入学。
1943年にフィレンツェ大学農学部に籍を移す。
ムッソリーニ失脚と救出後のファシスト政府成立で徴兵忌避のため、身を隠し、1944年に弟と一緒にパルチザンに参加。
1945年のイタリア解放に至るまでガリバルディ旅団に属して沿海アルプスの山中で活動した。
戦後はトリノ大学文学部に編入し、1947年に卒業。エイナウディ社編集部に入った。
作品に、
『木のぼり男爵』『不在の騎士』『まっぷたつの子爵』『くもの巣の小道』『ある投票立会人の一日』『スモッグの雲』
『マルコ・ポーロの見えない都市』『宿命の交わる城』
『冬の夜ひとりの旅人が』『遠ざかる家 建築投機』
「血液バイオハック」
アメリカ国防総省の最高研究機関である国防高等研究計画局(DARPA)は、赤血球を新たな方法で改変することで、兵士の防護や過酷な戦場環境への適応を支えられるかを検証しようとしている。
DARPAの「赤血球工場(Red Blood Cell Factory)」プログラムでは、「貨物(cargoes)」とも呼ばれる「生物学的活性物質」を赤血球に組み込む研究を行う研究者を募集している。この物質で改変された細胞を兵士に組み込むことによって、生体システムが強化さえれ、「危険な環境や極限状態でも、より効果的に活動できるようになる」ことが期待されている。
「イカロスの墜落のある風景」
長年16世紀のブラバント公国の画家ピーテル・ブリューゲルの手になると考えられてきた絵画作品である。1996年の調査で、作者をブリューゲルとすることは極めて疑わしいとされるようになり、今では、無名の画家が、ブリューゲルのオリジナルを早期に模写した良質な複製画であると考えられている。制作年代は1560年代と思われるが、最近の研究では異説も出ている。
オウィディウスの『変身物語』に主題の多くをよせたこの作品は、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズによる同名の詩のテーマともなり、作品が収められているブリュッセルのベルギー王立美術館から名前をとったW・H・オーデンの有名な詩「美術館」でも、この絵のことが言及されている。
『イカロスの墜落』とも呼ばれている。
「ジョナサン・フランゼン(1959年8月17日‐)」
アメリカ合衆国の作家、批評家。
アメリカ合衆国のイリノイ州のクック郡ウエスタン・スプリングスで生まれた。父はスウェーデン系である。ミズーリ州のセントルイス郊外の町で育った。同地で中等教育を終えたあと、ペンシルベニア州にあるスワースモア大学で学び、在学中に西ドイツへと留学、1981年に同大よりドイツ語の学位を取得した。
卒業後、フルブライト奨学生として西ベルリンにあるベルリン自由大学に遊学した。帰国後、マサチューセッツ州にて、それからニューヨーク州に移る。ハーバード大学の地球惑星科学部で研究助手として所属し、数十の論文を著した。
1988年に処女作『The Twenty-Seventh City』を発表し、ホワイティングアワードを受賞した。
1992年に『Strong Motion』を刊行したが、売れ行きは不調であった。
9年を経て、2001年に三作目『The Corrections』を発表して全米図書賞をはじめ数々の賞を受賞した。
「ダークメサイア」
アトラスが1998年6月11日に発表したPlayStation用ホラーアドベンチャーゲーム。開発は電脳映像製作所。国外版のタイトルは『Hellnight』。
ストーリーは、
東京の地下鉄で事故が発生し、電車に乗っていた主人公の目の前に謎の生命体が突如現れる。乗り合わせていた女子高生の杉浦奈緒美と一緒に逃げるうちに、「東京メッシュ」と呼ばれる地下迷路に2人は迷い込む。地上に戻るための手段を求めてカルト教団聖なる輪の本拠地に乗り込んだ主人公たちを待っていたのは、さらに下層への転落だった。追いかけてくる影。できることは、ただ逃げることだけ。
「柳田國男(1875年7月31日‐1962年8月8日)」
日本の官僚、民俗学者。
東京帝国大学法科大学(現在の東京大学法学部)を卒業して農商務省(現在の経済産業省・農林水産省)官僚となり、貴族院書記官長(現在の衆議院事務総長/参議院事務総長に相当)まで上り詰めた。退官して約20年を経た1946年に枢密顧問官に補され、枢密院が廃止されるまで在任した。
日本学士院会員、日本芸術会員、文化功労者、文化勲章受章者。位階・勲等は正三位・勲一等。出版物等においては、常用漢字体による「柳田国男」という表記も使用される。
「日本人とは何か」という問いを求め、日本列島各地や当時の日本領の外地を調査旅行した。初期は山の生活に着目し、『遠野物語』で「願わくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ」と述べた。日本民俗学の開拓者であり、多数の著作は今日まで重版されつづけている。
<購入した書籍の紹介>
『の、すべて』
古川日出夫
政治✖恋愛✖テロ✖神話
「スサノオ」と呼ばれたカリスマ政治家がテロに遭った。
その伝記を制作する芸術家(アーティスト)は、
一つの「恋愛」の行方を追って、
黄泉の世界へ潜っていく――。
〈異形の伝記〉が完成するとき、現代日本の運命が変わる!
その怪物が日本を変える。
ポピュリズムの時代に新たな神話を降臨させる、怪物的長篇1001枚。
Xデーからの30年、
この国は
何を失ったのか?
バブル崩壊後に政界入りし、
美貌と弁舌で支持を集めた
二世政治家・大沢光延は、
将来の首相と目されながら
テロリストの兇刃にかかる。
彼の生涯を伝説化しようとする
芸術家・河原真古登が、
出発点に見出したのは、
一人の巫女との
「運命の恋」だった――。
昭和の終焉からコロナ下の令和、幕末日本へ。
芸術家からテロリスト、野生の巫女へ。
スイングする「語り」が生み出す、予測不能の展開!
アニメ版「平家物語」の原作者が、
この時代〈の、すべて〉に挑む長編絵巻。
前々から気になっている本が多すぎる。その一つ。完全に初めましての作家さんであり、これからヨロシクということです。これでもかというほどスケールの大きい雰囲気、ビンビンです。楽しみ。
『僕は美しいひとを食べた』
チェンティグローリア公爵
大野露井=訳
人を喰うことは、
常に神を喰うこと
兄弟たる人間への親愛(フィリア)ゆえにその肉体を貪る行為は、蕃境の愚挙か、貴き愛か。敬虔な信徒が神の血肉に見立てた食物の前で恍惚に浴する時、そして、食人者が真に愛する者の肉体を餐とする時、そこにはどんな違いがあると言えるのだろう‥‥‥‥‥‥‥‥
男は美しい人を食べた――真実の愛ゆえに。
全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話。
この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、
カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした。
奇書と呼んでも過言ではない。
チェンティグローリア公爵
(Duca di Centigloria)
本名ヨハネス・クーデンホーフ=カレルギー(1893年‐1965年)。
オーストリア=ハンガリー帝国公使であったハインリッヒと青山光子(クーデンホーフ光子)の長男。ロンスベルクの領主であったが、二度の大戦で財産の大部分を失い、晩年はレーゲンスブルクで過ごす。欧州連合の父とも称される著述家のリヒャルトは弟。
これはYouTubeチャンネルの「出版区」で紹介され、「食人」というキーワードが引っ掛かり、さっそく購入した。自分のアンテナだけでは見過ごす作品がある。人のセンスも借りる。岡田彩夢さんのセンス。
『皆勤の徒』
酉島伝法
『SFが読みたい! 2020年版』が選ぶ、
2010年代 第1位 ベストSF
第34回 日本SF大賞受賞作
高さ100メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、"会社"は建っていた。雇用主である社長は"人間"と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上とそれを取り巻く泥土の海だけが語り手の世界であり、日々の勤めは平穏ではない――第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。奇怪な造語に彩られた異形の未来が読者の前に立ち現れる。日本SF大賞受賞作、待望の文庫化。
先週の『宿借りの星』につづき、酉島伝法さんの作品を手にとる。完全なる異世界の創造は憧れる。いわゆるSFファンタジーなのか? 読んでいないから分からない。読もう。さっさと読もう。
『海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集』
笙野頼子
痛みと不遇が
憧憬を輝かせた
初文庫化作品を含む
初期短篇と書下ろし
「この人もう終わってるね?」――「終わるものか」
ある日突然「私小説」の主人公が男から女になる。
二十五歳でデビュー後、十年間本は出ず、
八〇年代の片隅風呂なし四畳半送金あり、
痛みと希死念慮をかかえた独居の歳月。
不屈の思考と憧憬で紡いだ、幻の初期作品群。
現在から過去を振り返る書下ろし「記憶カメラ」併録。
超小説という造語を私は思いついたことがある。
小説というものにはそれこそ千差万別、じつにたくさんの形態があるが、
そのどれにも似通ってないにもかかわらず、これは小説として読むしかないと納得させられてしまう作品。
それが超小説である。
そんな勝手な定義を作りだしたのは、笙野さんの「呼ぶ植物」を読んだときのことである。(中略)久しぶりに読みかえして、我流の超小説という分類を改めるに及ばないと思ったことをまず明記しておきたい。
――菅野昭正「解説」より
この本はどこで知ったか記憶にない。メモしてあったのは確か。「海獣」「夢」「幻視」と気になる、琴線に触れる言葉に惹かれ、とりあえず買う。講談社文芸文庫だから文庫にしては中々高額。
『素粒子』
ミシェル・ウエルベック
野崎歓=訳
人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な〈愛〉を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘をよぶ、衝撃の作家ウエルベックの最高傑作。
文学青年くずれの国語教師ブリュノ、ノーベル賞クラスの分子生物学者ミシェル――捨てられた異父兄弟の二つの人生をたどり、希薄で怠惰な現代世界の一面を透明なタッチで描き上げる。
充溢する官能、悲哀と絶望の果てのペーソスが胸を刺す近代最大の話題作。
作者のミシェル・ウエルベックは1990年代から随筆や詩集などを発表し、一部で支持を集めていたが、小説第1作の『闘争領域の拡大』を発表した4年後、そこで提起した問題をさらに掘り下げる形で第2作の『素粒子』を発表した。
本作は優生思想・人種差別といったデリケートな話題に激しい語り口で言及していることもあって、激しい賛同と批判の双方を浴び、現在では30ヵ国以上に翻訳されている。
本作はフランスの文学賞であるゴンクール賞の候補となったが最終選考で落選し、そのこと自体も大きく話題となった(ウエルベックは後の2010年に別の作品でゴンクール賞を受賞している)。
初版では作中に登場するキャンプ場「変革の場」が、そのモデルとなった実在する施設である「可能性のスペース」と実名で表記されていたため、同施設が書籍の回収を求める訴訟を起こす騒動となった。
最終的にはウエルベック側が勝訴したものの、2版以降では名称と場所の設定が変更されている。
主人公の2人の兄弟は捨て子とされているが、これには作者の自己投影の可能性が指摘されている。
2006年にはドイツで映画化されている。
――充溢する官能、悲哀と絶望の果てのペーソス‥‥‥‥‥‥‥‥
ペ、ペーソス。物悲しい情緒。哀愁。哀感。『素粒子』というタイトルから半端ないオーラが漂っている。えげつない初めまして。
<月曜、ひとり歌会>
「五・七・五・七・七」「季語はいらない(使用可)」という最低限のルールを守り、言葉を研くために始めたこの企画。
二時間で十首も詠わなくてはいけない。時間がない。質が担保できそうにない。ない、ない、ない、ない、ない尽くしだが弱音は吐いていられない。
前置きで書くことなどない。
詠う。
〇舞い上がるアイツのカツラ 見ていたい そよぐ前髪 光るてっぺん
〇「骸骨や」「そんな言うたら、失礼や」「せやかてアレは骸骨すぎるわ」
〇うらぶれて DopeでThugい帰り道 沸々湧いた明日の絶望
〇墜落し不思議の国の奥底で心静かに震えるココロ
〇遠い目の孤独なゴリラ鎮座して 時折漏れる哀しみ拾う
〇仮初のその場限りの関係は 虚しく消えて明日に埋める
〇異邦人 緑の眼 好奇心 ついてく子供沈む太陽
〇朝靄を払う君の手透き通り 触れる体温 揺れるロマンス
〇ムカついて 殴り蹴飛ばしハイスコア 街の治安を乱して笑顔
〇「さようなら」「また会おうね」と、はにかんで。
忘れた頃に、ふと鳴る電話
お、終わった。
糞疲れた。
マジでもう書くことないから、明日からのショートショートの為に脳の容量を割こうと思う。
なんだかんだで短歌、好きですね。
言葉のパズルみたいで。
それでは、また明日。