週刊「我がヂレンマ」<9月16日号>

 昨日のnoteで「明日、カレーをつくる」と書いたが撤回する。
 何故ならば、手作りではあまりに非効率かつ金がかかるのだ。
 カレーのルウ、何かしらの肉、玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモ。
 やはり、レトルトで充分である。加えて、下ごしらえが必要で、生ゴミもでる。面倒くさい。
 カレー作りが趣味でないかぎり、独居・独身者にとってカレーの手作りは無駄である。
 話変わって、そろそろ気温も下がり始めるわけだが、この段になって不思議と一抹の寂しさがある。
 汗だくだくで過ごした木更津。
 朝から熱中症になりかけた墓参り。
 しこたま積読を増加させた書店通い。
 新宿駅東口、『中華菜房・達磨』の冷やし中華。
 ファミマで買った、かき氷に見立てた『サクレ』。
 そんな、夏の思い出の数々がありありと脳裏に浮かぶ。
 そして、秋がやってきてスグに去り、冬を迎えるのだ。
 時は移ろい、心は寂寞として、今週のコンテンツ。
<メモについての解説と考察>
<購入した書籍の紹介>
<月曜、ひとり歌会>
 月曜休日の特権、「記事を午前中から書く」を実行中。
 ちなみ、ようやくウラジーミル・ソローキンンの『ロマン』を読みだしました。町田康先生の『告白』の次で、両方分厚いですが、めげずに読破してやります。
 前置きはこれくらいにしよう。

<メモについての解説と考察>

「この際、人権は忘れてほしい」
 元フィリピン大統領、ロドリゴ・ドゥテルテの言葉。
 2016年6月の大統領就任前から麻薬撲滅のために、厳しい態度で臨むと表明しており、就任後の施政方針演説では、
「麻薬王や資金源、密売人の最後の一人が自首するか、あるいは投獄されるまでやめない。彼らが望むならあの世に葬り去ってもよい」と公言した。
 もっともこの発言は人権上、問題発言であるが、ドゥテルテは「人権に関する法律など忘れてしまえ。私が大統領になった暁には市長時代と同じようにやる。麻薬密売人や強盗、それから怠け者ども、お前らは逃げた方がいい。市長として私はお前らのような連中を殺してきたんだ」として、人権を事実上無視することにしている。
 実際に麻薬犯罪に関わる容疑者を、裁判にかけること無く、逮捕の現場で射殺する事件が2016年6月の就任後わずか1カ月余りで1800件が発生した。

「年収12兆円」
 そんな人は世界中探しても存在しないが、もしそこまで稼いでいたら、最早人間ではない。この人が引っ越すだけで、地域が傾くからだ。逆に住民となったら、一気に税収が兆単位で増加する。
 差し詰め「歩く国家」である。
 思い通りにならないことなど、金で解決できないこと以外存在しない。
 それにしても、小学生が考えたような言葉だ。
 軽佻浮薄な人間です、私は。

「チーズ欲がすごい」
「オールドファッションはまってる」
「タイヤみたいなやつ?」
 ある10代女子二人の会話。テレビか、動画か、または現実かは忘れたが味わい深いと思いメモした模様。
 特に「タイヤみたいなやつ?」は、特徴を捉えているうえユーモアにあふれ、可愛げがあり、愛すべき阿呆フィーリングは至高。作品づくりの参考にするため、他人の会話に聞き耳をたてる日常です。

「売り上げはすべてを癒す」
 ダイエーの創業者・中内功氏の言わずと知れた名言。確かに売上さえあがっていれば、それまでの苦労は報われ、努力を継続・向上しようとモチベーションも上がる。
 畢竟、結果がすべてである。結果をだそうと思えば、自然と自身を見直し、どうすれば結果がでるかを考える。そして実際的に必要な能力と行動を考える。実践して修正する。
 ビジネスの最前線で戦ってきた人の言葉は重い。

「おたんこナス」
 の語源は「おたんちん」という言葉が由来しています。江戸時代に遊郭街であった新吉原で生まれた「おたんちん」は、短い様子を表す「御短」と生殖器のことを指す「ちん」を合わせてできた言葉で、吉原で働く遊女が嫌な客を意味する言葉として使っていたとされています。それを小さい茄子(小茄子)にたとえて、「おたんこなす」という言葉ができた。
 意味は「間抜けな人」「鈍感な人」を罵る言葉。ちなみに関西地方では「おたんこ」はあまり使わない言葉で、埼玉か千葉が発祥ではないかと言われている。

「素寒貧(すかんぴん)」
 貧乏で何も持たないこと。まったく金がないこと。また。そういう人や、そのさま。「給料前で――の状態」
 語源について三国志時代の中国にあるようだが、長くなりそうなので、読者諸賢でググってほしい。日本においては江戸時代から使われていたようだ。おたんこナスもそうだが、中々、面白い響きの言葉だ。
「ホント、あんたはおたんこナスの素寒貧なんだから!」

「クラインの壺」
 境界も表裏の区別をもたない曲面の一種で、主に位相幾何学で扱われる。
 ユークリッド空間に埋め込むには4次元、曲率0とすると5次元が必要である。3次元空間には通常の方法では埋め込み不可能だが、射影して強引に埋め込むと、自己交差する3次元空間内の曲面になる。その形を壺になぞらえたものである。
 ドイツの数学者フェリックス・クラインにより考案された。クラインの管、クラインの瓶とも呼ばれる。この通称は英語に翻訳する際の錯誤によるものである。原語であるドイツ語では「Kleinsche Fläche(クラインの面)」であり、これが英語に翻訳される際、FlächeがFlasche(瓶)と取り違えられ、bottleと訳された。
 現在ではドイツ語圏でも、kleinsche Flascheのほうで定着している。

<購入した書籍の紹介>

「吹雪」
                      ウラジーミル・ソローキン
                            松本隆志=訳
『皇帝化するプーチンを予言!!!』
『世界で注目される危険な作家の、奇妙奇天烈な近未来ロードノヴェル』
『スーパーNOS賞、ビッグ・ブック賞など多数受賞』

ロシアで最も独創的な現代作家
                     ――ニューヨーク・タイムズ

世界文学で最も心揺さぶられる作品のひとつ
                        ――アトランティック

ソローキンさんが、また〈文学〉に殴り込みをおかけになりやがりました。
                        岸本佐知子(翻訳家)

人間がゾンビ化する
「黒い病」のワクチンを
村に届けるため、
インテリ地方医師
プラトン・イリイチ・ガーリンは
吹雪をついて旅に出る。
御者セキコフが操るソリ車には
ヤマウズラのような子馬50頭が
ボンネットに収まる。
小人の粉屋と豊満な妻、
謎の透明物質でできた
ピラミッド状の麻薬装置、
ホログラムを映しだすラジオ、
身の丈6メートルにおよぶ巨人、
三階建てほどの巨大な馬‥‥‥
吹き荒れる嵐のなか、
二人はいつしか暗闇と
吹雪の世界に迷いこむ。
『青い脂』『氷三部作』
『ロマン』『愛』など、
現代文学のモンスターと
称される作家随一の人気作!!!!

「マリーナの三十番目の恋」
                      ウラジーミル・ソローキン
                            松本隆志=訳
「マリーナはこの世の何よりもソヴィエト政権を憎んでいた』

『青い脂』に先駆ける、最初期の代表作、ついに邦訳刊行!!

反体制レズビアンのピアノ教師
マリーナの奔放な性と、
1980年代ソ連の閉塞社会が
織りなす奇妙な官能的物語

女は男と違って女に倦むことは決してないの。
朝には昨夜よりも官能的になって目覚める。

 美しい三十歳の女性マリーナは、ソルジェニーツィンに傾倒する反体制のピアノ教師。スターリンが死んだ年に生を享け、子ども時代からピアニスト修行を重ねた。
 父の自殺ののち、祖母に育てられた彼女は、男を愛したことがない。優雅な指としなやかな体をもつ最初の恋人マリヤ、電車に轢かれて真っ二つになったヴィーカ、強盗遊びが大好きだったリューバ、サッフォーの生まれ変わりを自称するニーナ、天使のような顔をした肉感的な唇のサーシャ‥‥‥。
 やがて三十番目の恋が訪れたとき、彼女の世界は一変する。

モスクワ・アンダーグラウンド芸術に参画した
若きソローキンによる逆説的ディストピア

「青い脂」
                      ウラジーミル・ソローキン
                       望月哲男・松下隆志=訳

 7体の文学クローンの身体に溜まる謎の物質「青脂」。スターリンとヒトラーがヨーロッパを二分する1954年のモスクワに、その物体が送りこまれる。巨頭たちによる大争奪戦の後、エロ・グロ・ナンセンスな造語に満ちた驚異の物語は、究極の大団円を迎える。
 20世紀末に誕生した世界文学の新たな金字塔!!

 ロシアの怪物・ソローキンの小説。スターリンとフルシチョフのセックスシーンなど、そのストーリーだけでも相当にぶっ飛んだ作品である。後者はドストエフスキー・チェーホフ・トルストイ・ナボコフなどの文体を真似てナンセンスな物語が描かれる、一種のパロディとなっている。

「親衛隊士の日」
                      ウラジーミル・ソローキン
                            松本隆志=訳

 帝国が復活した2028年のロシア。皇帝の親衛隊士たちは、犬の首と箒を装着した車に乗って、暴力の限りを尽くす。貴族や民衆からの強奪、謎の魚の集団のトリップ、真実を見通す力をもつ天眼女、ちらつく中国の影、蒸し風呂の奇妙な儀式‥‥‥怪作『青い脂』の著者が、ロシアの現在を予言したと称される傑作長編。

 21世紀の皇帝と親衛隊士たちは、国民に厳格な秩序を強制しながら、自分たちは賄賂を取り、略奪や性暴力を繰り返し、違法ドラッグに耽り、性的狂乱に明けくれる。皇帝の権威に服従・追従し、媚びへつらう快楽と、その権威を利用して弱者に暴力を行使する快楽が彼らを貫く。だが、親衛隊士たちの欲望が現代日本の私たちと無縁だと言い切れるだろうか?
                        ――永江朗(著作家)

「人間の土地」
                         サン=テグジュペリ
                            堀口大學・訳
『読むべし、この言葉。』

「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる」
                             ――宮崎駿

サン=テグジュペリの作品や、同時代のパイロット達が好きになればなる程、飛行機の歴史そのものを冷静に把えなおしたい、と僕は考えるようになった。飛行機好きのひ弱な少年だった自分にとって、その動機に、未分化な強さと速さへの欲求があった事を思うと、空のロマンとか、大空の征服などという言葉では胡麻化したくない人間のやりきれなさも、飛行機の歴史の中に見てしまうのだ。
                       宮崎駿氏による解説より

”我慢しろ‥‥‥ぼくらが駆けつけてやる!‥‥‥ぼくらのほうから駆けつけてやる! ぼくらこそは救援隊だ!”サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇蹟的な生還を遂げたサン・テグジュペリの勇気の源泉とは‥‥‥。
 職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の方針を与える世紀の名著。

【おまけ】
 それにしてもあまりにも、『ウラジーミル・ソローキン』無双すぎる。
 あと買う作品といえば、氷三部作の『ブロの道』『氷』『23000』を残すのみ。昨日から『ロマン』を読みだし、素敵ソローキン・ライフがスタートした。この前は『家畜人ヤプー』全五巻を購入して、いよいよ、私の本棚がエロ・グロ・ナンセンスの色合いを濃くしている。
 やばい。もう少し、国内作家とSF系の作品を増やさねーとな。
 結局昨日も、書籍代1万円超えちゃったし、阿呆だよ。阿呆。

<月曜、ひとり歌会>

「五・七・五・七・七」「季語はいらない(使用可)」という最低限のルールを守り、「言葉を研く」という目的に楽しく詠っていきます。
 現在、夕方【15:28】である。休みのため、午前中から書いては「下書き保存」し、今に至っている。
 普段であれば、夕方6時以降からの執筆なので、今日は相当に気楽である。ここら辺でまた区切って、集中して、夕食後に詠っていこうと思う。
 それでは一旦「下書き保存」しよう。
 さて、海老で飯を食って満腹だから、その勢いで詠っちゃおう。

〇降りしきり揺らめくネオン帰り道 白い満月暗闇照らし

〇明くる日に冷える空白 猫の声 貴女の真意 量る朝飯

〇過ぎ去ったあの日あの時あの瞳 「おかえりなさい」家族団欒

〇暮れなずむ夕日見逃し「もう夜か」あっという間に超えてく日付

〇たまらない輝く肌に奪われる通りすがりの あの子はきっと

〇先延ばしどんな時でも能天気 ぐらつく思考 たやすく未納

〇迸る君の若さにくびったけ弾ける笑顔 あの日のままで

〇霧雨に曇る窓辺に彼岸花 箪笥の整理 冷える秋口

〇「この前も、言ったよねって」困り顔 笑顔ひきつる「ごめん」と喘ぐ

〇悪魔的蒙古タンメン燃える舌 慣れてく刺激マジ中毒

 今週の「我がヂレンマ」。
 午前中から書いては、下書き保存でダラダラ書いて、もう【21:45】です。いつもより早いとはいえ、遅すぎる。余裕があるとダラケてしまうものだ。
 来週はもうちょっと気合をいれて、目にもとならぬタイピングで書いてやろうか。いや、速さより質が大事だ。
 そんなこと言って。
 今週の短歌の出来は、いかほどか。
 わたしは歌人と呼ぶには程遠い気がするし、素朴な素人感が逆によいという向きもある。とりあえず継続していこう。
 何よりも詠うことを楽しむことが大事だ。来週はもっと良い歌を詠えるように、精進します。
 そんなことを書いて、何をするのか。
 愚問であると断罪して、終わります。
 明日からは三日連続ショートショート。ここ最近、微妙な作品が多いので、ここら辺から挽回して、質を安定させてぇです。

 
 

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