世界とわたしは、こんなにもつながっている 〜ワールドワーク合宿に参加して〜
2023年9月のプロセスワーク×LGBTQ+の合宿で出会った尚ときりんの二人の対談企画vol.8!
今回は、2023年10月のワールドワーク合宿に参加したきりんの体験をふりかえります。
これから2回の記事にわけてお届けします!
▼参加した企画の詳細はコチラ!
🐋尚:
2023年9月に参加した合宿についての🦒きりんさんと🐋尚の対談記事は全7回の記事の大作になったね。
読んでくれた人から
「大事なことを書いてくれてありがとう」
という声をもらったり、
「この立場同士(セクシュアルマイノリティ当事者という立場と、カミングアウトされた親という立場)で率直に語り合っている試み自体がとても尊いと思う。たくさんの人にぜひ読んで欲しい!」
とシェアしてくれたりして嬉しかった。
🦒きりん:
うんうん、自分たちの心の奥のことを書いているから、どんな風に受け取られるんだろう?という不安もあったよね。
大切に受け取ってもらえて嬉しかったし、安心したよ。
🐋尚:
さて、今回は、ワールドワークについて聞こうと思ってるよ。
「2か月連続で合宿に行ってめちゃくちゃよかった!」ときりんさんが言ってたから、今回はそれについて聞きたいと思っているよ。
今回もよろしくね!
🦒きりん:
こちらこそよろしく!!
なぜ2ヶ月連続で合宿に参加したの?
🐋尚:
改めて、どうして9月の合宿のすぐあとに、さらに10月のワールドワーク合宿にも参加しようと思ったの?
🦒きりん:
昨年9月にプロセスワークと出会って、「あぁ、これだ!」って思ったのが一番の理由。
私はずっとロジカルな世界で生きてきた中で、行き詰まりを感じるできごとがいくつか同時並行で起きた3年間があったの。
そこから、自分のあり方に向き合う学びを始めたんだけど、自分の中でその学びが現実と繋がりきらないもどかしさや悔しさがあったんだよ。
そんな中で、プロセスワークと出会って、急にいろんな学びがどんどん繋がって、立体的にいろんなものが見えてくる感じとか、身をもって体感する中で腑に落ちる感じとかがたくさんあったの。
それで、プロセスワークってめちゃくちゃ面白い!もっと学びを深めたい!っていう気持ちが強くなって、ワールドワーク合宿にも参加したの。
それからもう一つの理由としては、ワールドワークは、プロセスワークの智慧をつかって、社会課題や世界で起こっている問題について深められたり、関わり方を探究できると知ったのも参加するきっかけになった。
9月の合宿に参加して、「ジェンダー・セクシュアリティについてもっと深めたい、もっと自分事としてかかわりたい!」という思いを新たにしていたからいい機会だと思って。
顔を上げて世界を見てみたら
🐋尚:
そうだったんだね。
社会課題や世界のことについて深められる場や、ジェンダー・セクシュアリティのテーマで安心して語り合える場はなかなか出会えないもんね。
実際に、どんな気づきや学びを持ち帰ってきたの?
🦒きりん:
私は、「世界とわたしは、こんなにもつながっているんだ!」っていう実感を持ち帰ってきたよ。
🐋尚:
きりんさんが言う「世界とわたしは、こんなにもつながっているんだ!」っていう実感って、どんなことなんだろう?
🦒きりん:
うん、少しあいまいでわかりにくいから説明してみるね。
わたしの中では「世界とわたしのつながり」って二つ実感があるなと思ってて。
一つ目は、
わたしのなかにあることは、他の人たちのなかにもある、他の人たちのなかにあるものは、わたしのなかにもある
っていう実感。
さらに、一つ目のことに気づけたからこそ、さらに視界が広がって行って、気づけたことなんだけど、
自分の捉え方が変わると、世界がこんなにも大きく変わって見えるものなんだ!
っていう二つ目の実感。
9月の合宿は、私のなかに本当はあるのに「ない」ってしてきた葛藤や苦しさを「ある」ことにしていった体験だったんだよね。
自分が見ないようにしてきた葛藤をみんなとともに探究させてもらって、心がほどけた感じがあったり、みんなの姿やあり方から希望も感じた時間だった。
一方、10月のワールドワーク合宿の方は、「わたし」っていう範囲から顔を上げて、世界にしっかりと目を向けてみたら、世界とわたしのつながりを実感する機会になったんだ。
わたしのなかにあること、他の人たちのなかにあること
🐋尚:
そうなんだね!
話しているエネルギー感から、3日間の合宿を満喫しているきりんさんが目に浮かぶよ。
そしたら、まず一つ目のわたしのなかにあることは、他の人たちのなかにもある、他の人たちのなかにあるものは、わたしのなかにもあるってことについて詳しく聞きたいな。
何を通してつかんだのかも聞きたい。
🦒きりん:
ワールドワーク合宿ではいろいろな体験をしたんだけど、特に、”グループプロセス”って呼ばれている参加者みんなで選んだテーマを切り口にして、対話をしながら理解を深めていく体験からつかんだんだよね。
いろんなテーマで話したけど、繰り返しでてきた二つの声があったの。
気にしないでも日々を過ごせて、困りごとがあることにすら気づかないマジョリティ側の声。
日常的に困り感を感じていたり、傷ついたり、痛みも抱えながら生きているマイノリティ側の声。
グループプロセスの面白いところは、それぞれの立場の場所に、実際に動いて立ってみて、何度も行き来をしてみて、身体感覚とともにその声を感じながら聴いたり語ったりするところなんだよね。
それで、実際に動いて感じてみてるうちに、
「あ!どっちの声も自分のなかにある!」
って気づいたんだ。
困りごとをあまり感じず、過ごせるマジョリティの自分もいる。
一方で、わたしはセクシュアルマイノリティ当事者ではないけど、当事者である子どもをもつ親として、ある意味でマイノリティでもある。
「ほかの親にはわからないよ・・・」と痛みを感じる自分もいる。
マジョリティ側の楽観的な感じとか気楽さも、マイノリティ側が抱えている痛みや傷も、どちらも自分のなかにたしかにあるって気づいて、そうか、わたしの中には一つの声だけじゃなくて、多様な声がある!って思った。
さらに、他の参加者の語りを聴いているうちに、
他の人の中にもやっぱり多様な声があるし、時にはわたしと同じような声が他の人のなかにもあるんだ!
つまり、「わたしのなかにあることは、他の人たちのなかにもある、他の人たちのなかにあるものは、わたしのなかにもある」って気づいて、目からウロコが落ちる瞬間だったよ。
🐋尚:
そうなんだ!!!
「自分と他の人のつながり」を感じる時間だったんだね。
多様な声が出たからこその気づきだなぁと思ったよ。
自分の捉え方が変わると、世界がこんなにも大きく変わって見えるものなんだ!
🐋尚:
世界とわたしとのつながりを実感した、もう一つの「自分の捉え方が変わると、世界がこんなにも大きく変わって見えるものなんだ!」っていう実感についても聞かせてくれる?
🦒きりん:
この実感はさ、”グループプロセス”のあとのDayaさんの紐解きの時間をきっかけにもたらされたものなんだよね。
”グループプロセス”では、みんなで語り終えたあとに、ファシリテーターのDayaさんがその場で起きていたことを紐解いてくれるんだ。
どんな立場からのどんな声が聞こえていたのか?
どんな構造や背景が見えるのか?
社会からはどんな影響を受けているのか?
などを言語化・可視化してくれる。
この時間のおかげで、立場や構造、背景への理解がグッと深まるから、現実世界とのリンクを見出しやすくなる感覚があるんだよ。
この紐解きをもとに自分のなかで理解を深めていくなかで、ワールドワーク合宿で扱うテーマはジェンダー・セクシュアリティにまつわることだけど、社会のどのトピックでも、”グループプロセス”で経験したのと似たような立場や構造、背景が存在するのかもしれないと感じたの。
さらに、日常の様々なできごとでも同じだと気づいた。
「あの時の会議を思い出すと、グループプロセスの中でも起きていたように、人数も少なくて立場が弱いと感じてしまう人たちにとっては、すごく居心地が悪くて、とてもとても声を出せる状態じゃなかったのかも・・・」みたいな感じでグループプロセスでの経験とリンクして紐解くことができて、「あぁ、そういうことだったのかも?!」ってハッとした。
そういう風に見方を変えてみると、一見受け入れがたいって思っていたできごとも、”グループプロセス”での経験をもとにもう一度捉え直しができて、全然違う景色が見えてくるってことに気づいたんだ。
それで、自分の見方が変わることで、世界がどう見えるか?はこんなにも劇的に変化するものなんだ!っていう実感を持ったんだよね。
🐋尚:
とても刺激的な体験だったんだなぁって伝わってきたよ!
わたしが踏み出した一歩
🐋尚:
ちなみに、日常でもこれらの体験は活かされてるの?
もし具体的な変化があったら聞かせてほしいな。
🦒きりん:
うん、実は大きな変化があるよ。
最近、ジェンダー・セクシュアリティにまつわることでチャレンジしたことが一つあるんだよ。
自分が住んでいる自治体でジェンダー平等についての委員会が設置されてるんだけど、その公募委員に立候補して選出されたんだよ。
月に一回、自治体が策定しようとしているジェンダー関連の基本計画についてディスカッションに参加させてもらってる。
🐋尚:
そうなんだね!
きりんさんは普段からとても忙しそうなのに、どうして公募委員にチャレンジしようと思ったの?
🦒きりん:
ワールドワーク合宿に参加して、わたしは世界とわたしとのつながりを感じることができたし、この世界にはさまざまな痛みがあるっていう声もたくさん聴いたんだよ。
だから、わたしにも責任の一端があるこの世界をこのままでいいとはどうしても思えなくて、日常に戻ってから何か小さなことでいいからソーシャルアクションをしていきたいって思ったの。
それで、note記事に自分の体験を書いてみたり、身の回りの出来事や人に関わっていくってことをし始めたの。
そうしているなかで、身近なことだけじゃなくて、地域システムから地域に変化をつくっていくことも挑戦していきたいという気持ちがわきおこってきて、一歩踏み出してみたんだ。
自分が長年住んでいて、子どもたちが通っていた小中学校がある地域で、ジェンダー平等について自分の意見を行政のみなさんに直接届ける機会があるっていうのは、とても貴重な機会だなって思った。
わたしはセクシュアルマイノリティ当事者ではないけど、当事者である子どもをもつ親としてマイノリティでもある自分だからこそできることがあるはず。
ワールドワーク合宿に参加していなかったら、「わたしも責任の一端があるこの社会をそのままでいいとは思えない」という気持ちが芽生えることはなかったなと思うから、きっとこのチャレンジはしていなかったと思うんだよね。
🐋尚:
そうなんだね。
ワールドワーク合宿をきっかけに、自分が住んでいる場所に働きかけるソーシャルアクションに一歩踏み出すことになったんだね。大きな変化だねぇ。
さて、今日は、きりんさんがワールドワーク合宿で持ち帰ってきた、「世界とわたしは、こんなにもつながっているんだ!」っていう実感についてたくさん聞かせてもらって、尚も自分がワールドワーク合宿に参加したような気持ちになったよ。
ありがとう!
次回は、前々からきりんさんがワールドワーク合宿に参加して、
「自分への信頼が増えたよ。豊かさに気づけたよ。」
って教えてくれていたから、そこを聞きたいなと思ってる。
自分への信頼を培っていくのに難しさを感じるときがたくさんあるんだけど、きりんさんは、どんな体験をしてきたのか気になってるんだよ。
ぜひ色々聞かせてね。
世界がもっと優しくなるための一歩を、あなたとともに
今回の対談記事で語っていたワールドワーク合宿。
この世界で生きている一人ひとりにとって、もっと世界が優しい場所になったら、どんなに嬉しいだろう。
でも、そんな壮大なことを一人で一体何かできるのか?とひるんでしまうわたしもいる。
でも、やっぱりそのままにしたくない。
世界がもっと優しくなっていくために、何かできるはず。
ワールドワーク合宿は、そんな想いを持った人たちが集まってくる場所。
年に1回の貴重な機会。
誰にでも開かれている場。
世界がもっと優しくなるための一歩を、あなたもご一緒しませんか?
▼ワールドワーク2024
10/12(土)~10/14(月・祝)
ワールドワーク2024 (山梨県 清里)
〜葛藤・対立を変容させていくための対話促進アプローチ〜
「ジェンダー・セクシュアリティ」をめぐる様々な声
今年も🦒きりんは参加します!あなたもぜひ!
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