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「動物病院四方山話」21(犬アレルギーが!?)
私の名前は「みぃ」
動物病院で暮らしている猫
私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています
この話は里塚が体験した話ですが、アレルギーをお持ちの全ての方に当てはまるものではありません。
ご注意ください。
前回の動物病院四方山話はこちら
夕方からの診察時間中
病院の電話が鳴った。
一平ちゃんの友達からだった。
「今、そっちに向かってるから。」
以前、その友達ファミリーの一員に『ぽち』という女の子のワンちゃんがいたが、今は動物達はいないはずなのに・・・。
なぜ女の子なのに『ぽち』ちゃん?
最初は男の子だと言われてもらわれてきたんだって。
しばらくして女の子だと気付いたらしいんだけど、もう『ぽち』ちゃんが定着してしまっていたからそのままにしたそうよ。
違う患者さんで、同じく男の子だと思ってもらった子を『ぽち』ちゃんと名付けた方がおられました。
その子も、しばらくして女の子だという事が判明。
既に自分の事を『ぽち』だと思っているので改名は可哀そう・・・
その方がとられたた方法は、ワンちゃんの名前を
『ぽち子』ちゃんにする!
でした。
「えっ?、どうしたの?」
と、一平ちゃん。
「さっきペットショップで一目惚れして、トイプードルの子を飼うことにしから。」
「名前は『ニコ』ちゃん」
「えっ?、もう名前まで決まってるの?」
一平ちゃんは驚いていたわ。
「家に帰る前に、とりあえず病院に連れて行くわ。」
何と、ペットショップから直行してくるとの事。
ものの数分で友達が到着。
一家4人総出で。
ペットショップの段ボール製の入れ物に入った、可愛いトイプードルの女の子も一緒に。
「あれっ?」
「息子、犬アレルギーじゃなかったっけ?」
と不思議そうな一平ちゃん。
というのも、息子さんは小さい時に犬に舐められただけで皮膚が真っ赤になっしまっていたの。
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動物が大好きだった息子さんは、
「犬を飼いたい!」
って言ってたんけど、飼ってあげられなかったんだって。
でも、運命の出会いって言うの?
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ペットショップで、トイプードルの女の子と目が合ったみたい。
その瞬間、
我が家の一員として迎え入れたい!!
って気持ちが抑えられなかったみたいなの。
トイプードルは毛も抜けにくいし・・・
今は小学生高学年になった息子さんも少しなでさせてもらったそうよ。
その時はそんなにかゆみが出なかったらしいの。
これなら大丈夫!
と、その子を家族として迎え入ることにしたらしいの。
お友達家族曰く、ニコニコしてこちらを見ていたから『ニコ』ちゃん。
・・・ネーミングのセンスは一平ちゃんと似たり寄ったりね。
類は友を呼ぶって、こういうことを言うのかしら?
一通り健康チェックなんかをして、その日は帰って行かれたわ。
それから息子さんのアレルギー対策を始めたらしいの。
最初は息子さんも一緒に遊びたいのを我慢して、少しずつ触れ合う時間を増やしていったんだって。
いわゆる、実践的な「減感作療法」を行ったのね。
そうしたら、その息子さんの犬アレルギーが治っていったらしいのよ!
もう顔中舐めまわされても大丈夫、って喜んでいたわ。
それからは、ニコちゃんは友達ファミリーの一員として幸せに暮らしたのでした。
めでたし、めでたし
* * *
こればっかりは仕方ないんだけど、
ニコちゃんは天寿を全うしてくれて天国へ旅立って行かれたの。
悲しいけど家族にいっぱい幸せを残していってくれたから、友達家族はニコちゃんにとっても感謝していたわ。
* * *
時は流れて・・・
病院は夕方からの診察時間
「今、そっちに向かってるから。」
んっ?
デジャヴ???
その友達から電話が!
一家総出で病院に向かっているとの事。
その時には既に『ゲン』ちゃんと名づけられた、トイプードルの男の子と一緒に。
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そやし『ゲン』っていう名前にしてん・・・やって。
(関西弁バージョンでした)
おわり
* * *
このアレルギーの話は里塚が経験した話ですが、全ての人に当てはまることではありません。
アレルギーの程度はその人によって全く違いますし、命にかかわるようなアレルギーをお持ちの方もおられますので気をつけて下さい。
心配な方は、『人間のお医者さん』に必ずご相談くださいね。