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「動物のお医者さん」06(国際親善)

大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。
当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。


前回はこちら


私たちに大変重要な任務が下ったのであります。

それは!

国際親善のお仕事

であります。

国際親善とは、これであります ↓ ↓ ↓

私たちは事故なんて無縁でしたよ!


そう、外国の先生を

『空港までお迎えに上がる』

です。

何と、それだけではなく

『札幌観光にお連れする』

というミッションまで。

* * *

その年は横浜で国際獣医学会が開催され、世界中から獣医学者(獣医師)が集まってきたのです。

私たちの研究室の助手の先生は、大学の教員になられる前にアメリカに留学をされていました。
そこでお世話になった先生が、その獣医学会に参加するために来日されるとの事。
せっかく日本に来るのだからという事で、助手の先生に会いに来札されたのです。

先輩たちは研究が忙しいので、我々の学年3人が「観光案内人」、いや、『国際親善大使』に選ばれたのです。


私は英語が大の苦手。

幸い、一緒に行く同期がそこそこ英語ができる。
・・・そいつに英語は任せておけばいいや・・・

もう一人が地元民。
・・・そいつに観光コースの選別は任せておけばいいや・・・

自分はドライバーとして言われたコースを安全運転することに徹しよう!
と、いつもながらお気楽な里塚。
・・・後で自分の英語が本当にダメな事を痛感させられ、落ち込む事になるですけどねぇ・・・。

* * *

日本に来られるゲストの方は、大学の先生ご夫妻と若い先生の3人。
ワンボックスタイプのレンタカーを借りて、いざ千歳空港へお迎えに!

その当時はまだ新千歳空港ができる前だったので、旧『千歳空港』へ。

当時の千歳空港は自衛隊民間共用利用していました。
旅客機の離発着の合間に戦闘機も普通に離発着していたのです。

空港へお迎えに上がった時も、爆音を鳴らして戦闘機3機が連続して離陸。
肌感覚では、離陸後垂直に飛び上がっていく感じ。

イメージ図


それを見た客人達は
「ワオッ!」
と興奮気味。

我々は何もしていないのですが、これで掴みはオッケー。
すぐに我々とも打ち解けて下さいました。

その日は大学に戻り助手の先生と久しぶりの再会を果たされた後、ホテルまでお送りして休んでいただきました。


次の日、観光へ出発!

詳しいコースは覚えていないのですが、

さっぽろ羊ケ丘展望台』の有名な『クラーク像』をバックに写真を撮ったり。
大通公園』を歩いて、『テレビ塔』の上から札幌の街を一望したり。
その他、定番名所を回ったと思いますが、昔の事なので記憶が💦

最後に、テレビ塔から見えていた『大倉山』へ。
皆さんご存知の通り、札幌オリンピックラージヒルスキージャンプの会場になった大倉山

当時は、ジャンプ台の着地部分の両サイドに階段があり、上ることができました。
(今も上れるのかな?)

両サイドの黄色い矢印部分が階段になってました

網目になっている金属製の階段。
グレーチング階段』っていうのかもしれません。
網目になっているので下が丸見えなのです。
高所恐怖症の人は上るのは多分無理だと思います。

今は夏でも練習ができるように、ジャンプの着地部分には人工芝みたいなものが貼ってあると思うのですが、当時は天然芝だったと思うんです。
(違ってたらごめんなさい)

それで、そのスロープの下の方の部分も登ることができました。
登れたら下りることもできるという事ですね。

しかーし、

下り方を間違えたら大変なことになるのです!

皆さんもうご存知だと思うのですが、里塚はとてもおバカなのです。
何も考えずに、
「ここ、走って下りたらめっちゃ速よ(はよ)走れるんとちゃう?」
なーんて私達は思ってしまったのです。
そう、私だけではなく私たち同期全員が。

賢明な皆さんはお分かりかと思いますが・・・

ジャンプ台の着地部分は、まあまあの傾斜が付いています。
一番下の所なので、かなり緩やかにはなってはいるのですが・・・

おそらく一番下のこの矢印辺りから走ったと思います


皆さん、あなどってはいけません!
そんなところを駆け下りると大変なことになります。
そうです、グングン加速がついて止まれなくなるのです!
足がマンガのようにクルクル回って見えるように。

よく転ばないで下まで下りられたと、今思っても冷や汗ものです。

何とか無事生還してホット一息ついたおバカさん達。
ふとゲストを見ると、今までの観光地では見た事の無いような盛り上がり様。

もう、大興奮状態

写真撮りまくりです。

「えっ?」
「ジャンプ台がそんなに珍しいの?」
我々三人は少しあっけにとられていました。

ゲストさん達はフロリダから来られていたのです。
フロリダと言えば、『ディズニーワールド』がある温暖な都市『オーランド』がある州。
冬のスポーツはテレビでしか見たことが無いらしく、ジャンプ台をたいそう気に入られていました。

坂の一番下には表彰台が置いてありました。
実際に使われた物かどうかは分かりませんが、木製で白いペンキを塗っただけの、まあまあ質素なものだったと思います。

それを見たゲストは、

「コノ上に立ッテ記念写真ヲ撮リタイデース。」
「撮ッテモラエマセンカ?」

というような内容をお話しされたのでしょう(もちろん英語で)。
同期の英語担当が写真を撮って差し上げてました。


* * *

観光が終わって、すっかり日も暮れた頃。

研究室の先輩や先生方も交えての『懇親会』。
平たく言えば、『飲み会』ですね。

で、その飲み会が終わっての帰り道。

「北海道は何が有名ですか?」
って話題になったんです。

私は、「トウモロコシ」を思い浮かべたのです。
大通公園でも売ってますしね。
アメリカでもトウモロコシはメジャーな食べ物だと思ったので、分かりやすいかなぁ~と思って。

それに、トウモロコシくらいの簡単な英語だったら私の英語力でも通じるでしょう。

で、意気揚々と
「コーン」
って言ったんです。

・・・シーン

んっ!?
通じてない?
私は、『トウモコロシ』って言っちゃったのかな?

いや、ちゃんと
『トウモロコシ』(コーン)
って英語で言ったつもりだったんです。

発音が悪いのか?
本場の発音ではなかったのか?
それで、一丁前に舌を丸めて英語らしい発音でもう一回言ってみたんです。

「コーㇽン」(トウモコローシ

・・・シーン

この時の絶望感・・・分かります?
すっごく簡単な英語すら通じないなんて。

わたし、って一体・・・
ちびまる子ちゃんのナレーションが聞こえてくるようでした。

その後は、ジェスチャーを交えたりしながら必死に説明。
友達も助け船を出してくれたりしたのですが、なぜか『トウモロコシ』が全く通じなかったのです。

とんがりコーン
コーン
フレーク
東ハト キャラメルコーン
うまい棒 コーンポタージュ味
はごろもフーズ シャキッと コーン
ポップコーン バターしょうゆ味
(袋菓子のポップコーンで里塚が一番好きな味)

などなど・・・

世の中にはこんなにも『コーン』があふれているのに・・・


全然関係ない話ですが、当時帰省する時は『とうきびチョコ』をお土産に買って帰ってました。

おわり

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