シェア
ある晩、私は急に目を覚ました。最近はずっと眠ったままだったから、こうしてはっきりと目を…
ステラが学校生活の中で成し遂げられなかった事はただ一つ。遠い昔の私達が仲良くなるきっか…
「……ごめんなさい、ステラ。貴女から預かった時計、壊しちゃった」 真新しい棺の中、美しい…
「ステラ! ああ、やっと追いついた。ごめんなさい、箒の調子が悪くって」 「まあ、大変。大丈…
街を出て、どれくらい経っただろう。東へ東へと飛んで、どれくらい西に私達の住む街を置き去…
「ねぇ、オリアーヌ」 「何?」 「ランタン、消して貰っていい?」 「ちゃんと飛べる?」 「貴方に…
「……ヌ。オリアーヌ」 誰かに体を揺さぶられる。今度は誰、今度は何。重い瞼を無理やり持ち上げた。 「……何?」 私の顔を覗き込む丸眼鏡。濃紺の空を写し取った瞳と星の繭から紡いだ糸を髪に持つ学友が私を揺り起こしたのか。部屋はまだ暗い、今何時だろう。サイドチェストの上の銀時計を見ればまだ午前二時前。日の出など遥か先、空の主役は彼女の髪の親達の時間。 「どうしたのステラ、こんな時間に」 「あのね。私、オリアーヌとやりたい事があるの」 「やりたい事?」 銀の懐中時
神の口付けによって最期の眠りに就いた旧友は、骨と皮ばかりになっていた。大きな丸眼鏡の下…
ステラが死んだ。旧友が死んだ。学友だったステラが死んだ。 純粋なる人の子でありながら…