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眠ること。脳のメンテナンス。
緊張感をふくんだ静かな教室。
テスト開始を告げるチャイムが鳴る。
(昨日は徹夜で勉強したから、絶対うまくいくはずだ!)
しかし、問題に取りかかろうとしてもなぜか集中できない。
昨晩は解けたはずの問題なのに、まったく思考が働かない、、
こんな経験はないだろうか。
睡眠は、人間に休息をもたらすとても身近な行為だ。
ただし、睡眠はただ疲れを回復させる機能しかもっていないのだろうか。
睡眠によって、人間の記憶が整理されているとしたら、、
そんな可能性を指摘するのが、「睡眠のシナプス恒常性仮説」である。
シナプス恒常性仮説とは、睡眠中にシナプス結合が弱まることで、脳の機能を最適な状態に保つという仮説である。まだ科学的に実証されていないものの、睡眠のメカニズムを解明する上で重要な手がかりとして注目されているらしい。
シナプスとは、神経細胞同士のつなぎ目のことである。
シナプスが強化されることで、情報伝達がスムーズになり、学習や記憶が促進されるのだ。
シナプスの構造(イメージ)
シナプス
/ \
○ ○ ○神経細胞
(情報伝達)
\ /
シナプス
人間の脳は覚醒中、つまり起きている間に様々な経験をし、学習をする。そのたびにシナプスが強化され、神経細胞が活発になる。
一方、眠っている間に大切な人と会話することはできないし、英単語帳を開くこともできない。走馬灯に眠っている瞬間の記憶が出てくる人間は、まずいないだろう。
しかし、睡眠は覚醒時のパフォーマンスを良くするためにも必要不可欠だ。冒頭のテストが、その一例だ。
睡眠不足だとパフォーマンスが低下してしまう理由は、シナプスが過度に強化されると、神経回路の興奮が過剰になり、情報処理能力が低下する可能性があるからだと考えられる。
これは、美味しいご飯を食べすぎてしまうと胃が消化しきれず、やがて体調が悪くなるのと同様である。
情報伝達を行うシナプスが強化されすぎてしまうと、脳が処理しきなくなる。その結果、情報処理能力が落ちてしまうのだ。
私たちの体は、スマホと同じように、定期的なメンテナンスを必要とする。
スマホの動作が重くなった時、不要なファイルを削除したり、OSをアップデートしたりするだろう。
睡眠は、シナプスという名の配線を最適化し、不要な情報を削除することで、脳のパフォーマンスを高く保つための重要な作業と言える。
睡眠は、私たち人間にとって、最も手軽で効果的な脳のメンテナンス方法なのかもしれない。
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