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読書感想文15(Z世代化する社会)

船津昌平(2024) ”Z世代化する社会-お客様になっていく若者たち-”東洋経済新報社出版

 こんにちは、アニオタアラサーです。この本を読む前に、自分の世代は、ゆとり世代、Z世代、ミレニアル世代?と調べだしたら、どれなのかわからなくなり、考え過ぎるとドツボにはまりそうなので、思考を停止させました(笑)
参考までに下記のネット記事に各世代の違いが書いてあったので載せます。

 さて、何かと話題になっているZ世代ですが、問題の一つに、世代間ギャップといわれる「最近の若者は、・・・」ということがあります。本書のあらすじにもあるように古代エジプト時代からある言葉だったそうな。
 著者は、大学の教授としてZ世代の生徒たちとかかわっていく中で、このZ世代の特徴は、別に彼ら特有のものではなく、これから来る社会の特徴であり大人たちも含めた全員に影響を及ぼすものではないかと考えました。
 そこで、本書のねらいは
 ”Z世代と呼ばれる若者たちを観察することで、われわれが生きる社会の在り方と変化を展望しよう”
 と著者は述べています。

 この本の中で私が気になった各項目を羅列します。
(カッコ内は私のコメントです)

第1章 SNSとZ世代、トモダチ監視の檻
     大学とZ世代、教育という負担
第2章 客じゃなくなる試練
第3章 Z世代はなぜ非論理的ビジネスに
     言葉しかない就活狂騒
            絶望的な唯言社会
第4章 モバイルプランナーの善悪
     ヒトのやることに口出しできない
    すぐ冷める第三者
(がんばってないヤツが、がんばってるヤツにいえることなんてないというのがZ世代の思考法。
 この章は、かなり面白かったので、ぜひ買って読んでもらいたいです)
第5章 怒られない職場の病理
     怒るなんてありえない
     興味持てないのです。
第6章 仕事に不安を持ったなら
     新入社員のコスパカーブ
     満点人間志向(またの名は、ホワイト社会では)
     余裕を持って生きたらいい

目次より

Z世代との共通項は?

 Z世代の特徴と心理がまとめられていて、自分の特徴にあてはまるものがないかと、読みながら探しておりました。
 おそらく、当てはまるのは、第4章のすぐ冷める第三者の中で述べられている下記の特徴です。
(ただし、アニメ、筋トレ、同人誌に関わるときは、あてはまらなさすぎる!ついうっかり鑑賞会で休日を使い切ったり、筋肉痛で仕事に支障が出たり、熱くなるシーンを読み耽って寝不足になるもの!冷めるときは疲れ切った時だけだ。)

 熱血とか自己啓発とか抽象的な努力目標を掲げること、物語を共有して共通目的を目指すことを、Z世代はみな宗教扱いする。Z世代は熱くならない。周りが見えなくなるくらい熱中する前に自分をきちんと冷まして、客観視して「コスパがそれほど良くない」「宗教のようである」としてブレーキをかける傾向がある。

第4章:劇的な成長神話~モバイルプランナーのアナザーストーリー~,すぐ冷める第三者より

 確かに、この頃、物事に興味が失せるのが早かったり、好きなグラビアアイドルの写真集を手に入れた瞬間、蛙化現象(手に入れた瞬間、興味が失せる、または違和感を覚える等、よく恋愛において起きる現象らしい・・・)が起きたりしてますが、もしかして、この特徴があるのかなと思いました。  
 ちなみに著者は、この傾向を”こんなツマンネー、定年前の逃げ切り態勢の人みたいな人みたいな生き方”と評し、この傾向の理由として、オトナたちがそれを激励するからと述べています。

 もう一つの当てはまる特徴として、Z世代の元教え子が著者に相談してきたメール文で、一部抜粋して引用します。

 聞きたいことは、私は興味ある仕事に就いた方がいいのか?ということです・・・自分なりに仕事興味を持とうとしますが続きません。このような状況なら早めに違う仕事を探した方がいいのかな?など最近悩んでいます。・・・

第4章:劇的な成長神話~モバイルプランナーのアナザーストーリー~,興味持てないのですより

 まさにこのようなことで、悩んでいたことが私にもありました。今もたまに思います。
 自己解決策として、目の前のことに全集中すれば、そんなこと考える時間は無くなるぜ!と思い仕事に集中することにしました。
(炭次郎も、鬼殺隊に興味持てるかな、転職しようかななんて、任務中に考えてなかったでしょう。そんな余裕はなかった)

 しかし、この悩みに関して、著者はいくつかのアドバイスを提示しています。感動したアドバイスとして以下2つがあります。

1.この本の著者の船津先生もくぎ付けになった『「ジョッブクラフティング」で始めよう働きがい改革・自分発』の著者・高尾先生からの手紙の一節 

「自分にピッタリ合った仕事というのは、世の中に存在しないことが普通です。」

第6章不安と唯言のはてにーわれわれに何ができるのか,ミスフィットは必然により

 なるほど!そもそも無いものねだりしても始まらない、2次元女子は3次元には存在しないということを理解せよ、と同じだと思いました。いやぁ気が楽になりましたね。

2.著者が先ほどの相談をしてきた生徒に答えたメールの1節

 興味を持てる仕事なら、楽しくなったり効率的なったり、発見がある、というメリットが増えるとは言えるけど、「自分のしてる仕事に興味がないなら向いてない、辞めるべき」とは、まったく思わないです。・・・興味持てるのかな~くらいの気持ちで、のらりくらり続けてみたらいいです。

第6章不安と唯言のはてにーわれわれに何ができるのか,余裕を持って生きたらいいより

 素晴らしいですね、まさにトレンドの「適職こそがすべて、仕事は楽しめてこそ!」という強迫観念にとらわれた人々を救う言葉だと思います。のらりくらり続けてみてもいいんじゃないという感じです。
 おそらく、この強迫観念には、「早めに適職や好きな仕事も見つければ、年収や得るものが大きい」というコスパの概念(もしくは一部の人しか手に入れられない真実)もかかわっているのでしょう。

まとめ

 今回は、Z世代ってどんな人のことを指すのだろうかという疑問から読んでみました。お互いを監視し合ってるというZ世代の特徴に、一人が好きな私は、若干恐怖を覚えました(笑)しかし、タイパとコスパを意識した場合近くにいる友達を探して遊ぶ方が効率がいいのか、なるほどと思ったりもしています。
 おそらくこのなんでも情報共有してないと落ち着かないや、だれにでも開かれたネットやSNS内で、トモダチのみの閉じられたグループで安心するといった特徴は、今後の社会の主流の生き方となっていくでしょう。今までの正しい生き方という概念が完全に崩れる時が来たのだと思います。
 そんな中で自分のメンタルを守りや自分なりの答えを探すのは大変だと思いますが、自分の軸を探して、のらりくらりとした生き方をすれば乗り切れそうな感じがしました。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。良ければ本を買ってみてください。


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