決していじめられたわけではないし、
楽しい人にとっては楽しかったクラスなんだと思うんだけど、
わたしがあのクラスを思い出す時の空の色は、いつも灰色。
そんな灰色の世界にいる9年前のわたしへ。
「時が解決してくれる」
よく担任の先生が言っていたし、その言葉に間違いはない。
だからこそ、あなたが選ぶ「ひたすら耐え続ける」という道もある意味1つの正解だと思うけれど、みんなを信じられなくなる前に、勇気を出して誰かを信じられていれば、もっと違っていたのだと思うよ。
あなたは、とても我慢強いし、我慢をすればするほど「あの時、あれだけ頑張れたんだから」って信じれるようになって、どんどん強くなっていった。
今のわたしを形成している忍耐力も、あなたが頑張った賜物だと思う。
【仲が良かった子】には本当に悪いことをしたと思うけれど。
けれど、あの1年は、
「頑張れば耐え続けることができた」1年であると同時に、
「誰も信じられなくなるのに十分な期間だった」1年でもあった。
ただひたすらに依存する【自分勝手な子】、
「彼女から逃げられないのはわたしの悪い優しさ」と非難する先生、
とにもかくにも傷つけてしまった【仲が良かった子】、
そういうクラスの汚い面を見ないフリして建前の「みんな仲良し」を楽しんでいた一軍女子。
誰1人として信じられなくなったあなたは、高校進学後もしばらくは「友達なんていらない」と自分の世界に閉じこもってしまうことになる。そして、1つの時代を無駄にする。
自分が歪んでしまう前に、怒っても良かった。
「依存すんな、自分でやれよ」
「じゃあ先生がわたしの立場なら、どう上手いことやるんですか?」
「本当に仲がいいなら、全員と話せるはずだよね?」
でも、どうせあなたのことだから、感情的に怒ることなんてできないでしょう。
それなら、誰かにそんな状況を知っていてもらう、それだけでも心の救いになったんじゃないか。たとえ、問題が解決できなくても。人間不信に陥る前に。
「時が解決してくれる」
時は、確かに、あの居心地の悪いクラスとわたしを引き裂いてくれた。
【仲が良かった子】も高校に進学して、楽しい日々を送っていた。
けれど、解決する前に、自分が狂ってしまっては元も子もない。
時を待てなければ、誰かが助けてくれるのを待てなければ、
自分で自分を助けるしかない。
勇気を出して、誰かを信じてみるんだ。