【真理】最高難易度の問と答
ウバといいます。
訪ねていただきありがとうございます。
仕事帰りにいつものディスカウントストアに寄る。いつもの店で、いつもの酒を買う。いつもと変わらない日々。
前を歩く親子の会話が、私の心をホッカホカにする。お母さんと、おそらく小学1年生くらいの男の子。
「ねえ、もう。明日は何を入れてほしいのって聞いてるじゃん」
とお母さん。私の想像ではあるが、たぶん明日のお弁当の中身の話だろう。
いいなあ、明日はお弁当か。楽しみだろうなあ。なんて温かい妄想をしようとした時、お子さんが答える。
「もう!そんなのあしたのボクにしかわからないよっ!」
「はははっ!たしかにっ!」とお母さん。
私は後ろで「モムフォ」となる。「ブフォ!」と噴き出すのを抑えた結果、「モムフォ」となってしまう。
この親子、最高だ。
その子の明日のお弁当が気になって仕方ない。そもそもお弁当の話ではないかもしれない。しかし、この親子は最高だ。
きっと素晴らしい子育てをされてるんだろうなあと容易に想像できる。言い切ったお子さんも、それに対して笑えたお母さんも、素晴らしい関係性だ。
ああ、なんか良いなあと思いながら、私はいつものお酒を買う。仕事の疲れが、ほんの少し癒された。最高の出会いだった。
「コレとコレ、どっちがいいと思う?」
女性からの質問で、最高難易度とされている問。そして、その次に難しいとされている問がある。
「明日、なん食べたい?」
である。この答えこそが、「そんなの、あしたのボクにしかわからないよ!」なのだ。これが答えでよさそうだ。
トンカツが食べたいと言えば肉がないと怒られ、冷蔵庫を確認して唐揚げが食べたいと言うと面倒だと怒られる。それなら野菜炒めと答えると、気分じゃないと却下される。
これほどまでに難しい問こそが「明日、なん食べたい?」なのだ。
その答えを、私は不意に手に入れた。これ以上の答えはない。今度、嫁さんに聞かれたら使ってみよう。なんて考えたが、言ったら言ったで怒られる未来しか見えないから言わないのだろうと思う。
明日は明日の風が吹く。の令和版。
いやあ、凄いな。
この台詞が出るってことは、今を生きることだけに全力ってことなんだよなあ。明日のことなんて、今の自分にはわからない。
改めて思う。子供は大人にとっての教師だ。教わることが多いのなんの。無邪気な発言の中に真理がある。
今を生きる。
簡単に見えて、とても難しい。気付けば明日の為に生きている。カッコつけて言えば、未来のために生きている。
今の延長線に未来があるんだよ。だから、今を生きる。明日の自分が何を食べたいかなんて知らない。
そんなことを、小さな男の子に教えられた夜。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
笑ったお母さんがいちばん素晴らしい!
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。