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【敵】口は災いの元

ウバといいます。
訪ねていただきありがとうございます。




子供が好きだ。食べてしまいたいくらいには好きなのだが、まだ食した経験はない。おそらく今後も経験することはない、だろう。

しかし、子供というのは怖い部分もある。以外な角度から恐ろしいほど鋭い攻撃をしてくる。場が凍るような発言を何の気なしに投げてくる。

そこが子供の良さというか、悪さというか。



家族で車に乗っていた。娘さんがクレーンゲームをしたいと言い出したからだ。自分のお小遣いでするらしい、断る理由はなかった。

目的地のゲームセンターまでは様々な順路があるが、私はいつも家族に隠れて行くパチンコ屋に繋がる道を通っていくことにした。

「お父さんはこの道をよく通るんだ」

そう言ったのがマズかった。息子さんが「なんでよく通るの?」と聞き返してきた。よくパチンコ屋に行ってるとは言えない、本当に失言だった。

「いやあね、行きつけのお店があってさ。よくこの道を通って行くのさ」

と、そう答えるしかなかった。このまま別の会話にすり替えようとしたのだが、息子さんが逃さなかった。


「あー、アレね。行きつけの店ってこの前お父さんが言ってたキャバクラのことやろ?」


…。


……。


…………。


……………………ん?


コイツは何を言ってるんだ?

しばし沈黙の後、嫁さんが口を開く。

「あんた、よくキャバクラ行ってるん?」

いやいや、君は私が毎日まっすぐ帰って来てるの知ってるでしょ?なに疑っとんねん。私はすぐに行ってない旨を伝えるが、息子さんは尚暴走する。


「ああ、スナックやったっけ?」


本当にコイツは何を言ってるのだ。私に行きつけのキャバクラもスナックもない。そもそもそんな話を息子さんとしたことはない。

どこでキャバクラやらスナックなんて言葉を覚えたのかもわからないし、なんで私が行ったことになってるのか意味不明だ。

いや、そりゃたまには行くこともあるだろうよ。しかし、そりゃ大人のお付き合いというやつだ。行きつけの飲み屋さんなんてのは、ない。

今はねっ!!


「パパ、スナック行ってるーー」と娘さんが言い出したため、さすがに話をとめた。「違うよ、お父さんがよく行くパチンコ屋さんがあるだけだよ」としっかり疑惑を解いた。

「ん?よくパチンコに行くの?」

と嫁さんが食い付いたため、私は運転をしながら謝ったのだった。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
おしゃべりは男の価値を下げる。




それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

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