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ボランティアに命をかけた女性
妻と私の共通の知人でした。
お孫さんは妻が小学校での知り合いでした。
亡くなられたのはかなり昔のことです。
私は自転車でメール便の配達のバイトをしていました。
バイトの帰り道、近くの駅で
バッタリお逢いしたのですが
その時手帳を差出しました。
「私の手帳を見て頂戴、ボランティアやサークルでびっしり埋まっていて休む暇が無いのよ。たまの休みの日曜は孫を遊びに連れて行かないとならないし。私も歳ね、もう疲れちゃった。」
「ボランティアやサークルは無理なさらずに御自分の出来る範囲に留めておいたほうが良いですよ。」
と答えたのですが、相変わらず無理を続けていたようです。
そして半年後、偶然に同じところでお逢いしたのですが
ものすごくやつれたご様子。
「一体どうなさったのですか?」
「2〜3か所辞めたいと願い出たところ辞めさせてくれないのよ。無理に辞められないし、それに元々ボランティアが好きなので、やっぱり辞められないのよね。」
それがお逢いした最後の言葉でした。
その2ケ月後、訃報を聞きました。
毛呂山町の名だたる名士が集まり、壮大な葬儀が行われました。
そして、いつの間にか、彼女の話はなくなりました。
トップ画像は彼女が体操ボランティアで使用していた新聞紙を丸めた棒で、大切な遺品となっています。