結句の悩み
短歌を作っているときに直面するものの一つが、結句問題。
短歌の通信教育を受けていたときのテキストにも、「結句の難しさ」が取り上げられていた。
短歌は、着地が難しい。途中までいい感じでも、結句で失敗すると台無し。
初心者は、安易に「元気をもらう」とか書いてしまいがち、との指摘、ごもっとも。
ちょうど7文字だし。
短歌ではないけれど、石垣りんの詩は、最後が特にかっこいい。
最初に習った詩は「崖」だったと思うけれど、「あの、/女」というラストに、衝撃を受けたものだ。
他方で、短歌の場合、余韻を残したい、という感じもある。
最近、能を観て、余韻っていいなあ、とつくづく思ったのだ。
能は、始まりと終わりがはっきりしない。
終わったあとの拍手も、しなくてよいらしい。余韻に浸りながら、静かに現実世界に戻っていく。その感じが、とても素敵だと思う。
あんな感じを、短歌で表現できたらいいな。
私は実体験に基づいた歌しか作れていないけれど、幻想的な歌も、作ってみたい。
理想は高まるばかり。精進。