再読・みにくいアヒルの子
アンデルセン童話集2を読んでいたら、「みにくいアヒルの子」を見つけた。
懐かしく読みはじめて、冒頭から驚いた。
お母さんアヒルは、みにくいアヒルの子が、自分の子ではないかもしれないことを、知っていたのだ。
母アヒルが、たくさんの卵を、じっとあたためる。次々とかわいいヒヨコがかえるなか、一番大きい卵だけが、なかなかかえらない。
まわりのベテランアヒルは、きっと七面鳥の卵だと言い、放っておくように助言する。
でも、お母さんアヒルは、もう少し座っていてやりましょうと言って、卵をあたため続ける。
ようやくかえったヒナは、大きくて、とてもみにくい。お母さんアヒルは、七面鳥のヒナかもと思うけれど、水の中をすいすい泳ぐのをみて、やっぱり自分の子だと思い、育てつづける。
やがて母にも疎まれるようになってしまうのだけれど、私の記憶では、最初から、母にもきょうだいにも邪険にされていたような気がするから、お母さんアヒルが辛抱強く卵をあたためていたというのは、意外だった。
あのとき周りの助言に従って、あたためるのをやめていたら、美しい白鳥は生まれてこられなかったのだ。
意地悪な母と思っていて、悪かったなあ。
再読してよかった。